対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

著莪(しゃが)

2015-04-07 | 日記
紫と黄色の清楚な花。遺伝的にすべて同じで、日本全国どこでも青みを帯びた白い花が咲くという。花言葉に「私を認めて」がある。日陰で花が咲くようすが自己主張しているような印象を与えるのだろう。

広辞苑(第2版)の見出し語は、しゃが【射干・胡蝶花】となっている。新明解国語辞典(第5版)は、しゃがだけで漢字を示していない。注として次のように説明している。「者我」は借字。〈著莪〉はそれに草冠を加えたもの、「著」にシャの音が有るわけではない。「〈射干〉・〈胡蝶花〉」とも書く。

しゃがは漢名「射干」の音を写したものである。それを「著莪」と表記する。どのような経緯があったのだろうか。気になるところである。

紫の斑の仏めく著莪の花  高浜虚子