旅する骨董屋 喜八

チベット圏を中心にアンティークや古民芸・装飾品を旅をしながら売買する喜八の、世界の様々な物や人その文化を巡る旅のブログ。

今週末 2020.02.23(日) 代々木 大江戸骨董市に出ます。

2020年02月18日 | 骨董市・イベント



2020年2月23日(日)代々木 大江戸骨董市に出ます。

久々の代々木出店です。
何年ぶりかしら。
有楽町ではなく、代々木です。

宜しければ、
お話でもしに、お気軽にお越し下さい。



大江戸骨董市

代々木公園 ケヤキ並木
8:00〜15:00頃
雨天中止

※当日まで出店場所は未定です。
もし分からなければ、
受付ブースにて【きはち】の場所をお尋ねください。

※当日天候不順の場合は、大江戸骨董市のHPで
開催状況をご確認の上、お出かけ下さい。
開催途中で雨が降って来た場合は、早期撤収する場合があります。


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チベットの紫檀の数珠

2020年02月14日 | チベットもの


数珠です。

僕が知る限り、
全てのチベット人に共通する、唯一の物、の気がする。

普段、携帯するかどーかは置いておいて、
数珠を持ってないチベット人って居るのかしら?

例外として、ムスリム・チベタン(実は結構、数は多い)は
チベット仏教を信仰していないので、その人々は除く。

日本人のイメージで、チベット人というと、
信仰宗教は、全員、チベット仏教と思いがちかもしれんが、
そーではない。
ムスリム、つまり、イスラム教徒の人も居ます。
イスラム系人種ではなく、チベット人だが、信仰はイスラム教。
ややこしいので、この話しはまたの機会に。

で、そのチベットに広く浸透した数珠です。

これが奥が深く、
代表される鳳眼菩提樹をはじめ、
その亜種である様々な菩提樹系、
石や貝、骨や木、象牙や珊瑚、金に至るまで、実に数が多い。
プラスチックとかの数珠も普通に持っているのです。



カスタムしまくった数珠。
紫檀。
地元民の使っていたまんまのオリジナル。

自分の数珠をカスタムしてる人は多い。
そのカスタム具合も自由で、各々の好みや趣向でカスタムする。
どうという事のないガラスビーズをつけたり、
耳かきを先端に付けたり、
動物の歯を複数装飾したり、トクチャを付けたり、
挙げたらキリがないが、
赤い石を付けるのを好む人が多い印象だ。

カウンター(ドンジィン)も一組ではなく、
複数付ける人もいる。
市場で売られている数珠の多くは、一組(二本)だけだが、
ドンジィンは、コルラ(巡礼)の周回数を数える用途があるので、
その目的もあり、増えて行くのかもしれない。
僕の印象では、年配者やガチ系の人が複数のドンジィンを付けている。
今風の一般人の若いチベット人ではあんま見ない。

数珠自体が古く良い物でも、
ドンジィンとかの付属品がショボイ数珠も多い。
古い数珠に、突然新しいラブリーな花柄のガラスビーズとかが付属してる場合も普通にあり、
これ、つけちゃお〜、みたいな感覚でカスタムしてる。

ネパールのチベット圏ではカスタムした数珠は、
あんま見ないが、本土ではカスタムしまくり。
お坊さんは、ネパールでも本土でも、カスタムしてない場合が多い。

数珠をゴリゴリに自由にカスタムする感覚は、
日本の数珠には見られない事かもしれない。



結構使われていたのだろう。
日常使うと、美しい飴色の艶がすぐに出てきます。

紫檀は数少ないタイプ。
ラダックは、黒く染めた小粒の紫檀の数珠が伝統的な数珠だが、
本土やネパールで目にする事は少ない。
ネパールでは産地だからと思うが、鳳眼菩提樹が圧倒的に多い。

この数珠は東チベットのカム地方デルゲの数珠。
カム・スタイルの雰囲気がある。

カム地方の数珠で知られるのは、
黒いココナッツ素材の数珠だが、
行商によっては、たまに結構な量を持っている業者も居て、
もう、新旧、カスタムありなし、がゴチャ混ぜの場合もある。
その中から、良い物をひたすら探すのだが、
遠目には同じに見えるポイッと置かれてる数珠が
よく見ると古かったりする。
慣れないと全く同じに見えると思うが、
注意深く観察すると違うのです。

漆黒のカムの数珠の古さの違いを現地(薄暗い場合もあるし)で
見分けるってのは、これは慣れるしかないと思う。



すごく良いレベルのシルバーの古いドンジィンが付いている。
摩耗感、シビレル。
先端の両面に古いチベタンターコイズ付属の完品。
この一組だけで価値はある。



ペマラカも付いとる。

こーゆー地元民のカスタム仕様の数珠って、
市場に流れるのは数少ない。

バラして売ったり、
販売時に売り手が付属品や珠を組み直したりするので、
オリジナルの状態で、
なおかつ、
良い付属品が付いてたり、
雰囲気が良いオリジナルと出会うのは運次第となるのです。







意図的に組み直したか、オリジナルか、を見分けるポイントとして、
一概には言えないが、
オリジナルは、何か変な組み方をしてるのが違いかな。
例えば、
写真の用に、グル珠の上の紐にドンジィンを付けたり、
グル珠の先端からピヨ〜ンと伸びた紐やチェーンであったり、
(現地民は、数珠を長い紐などで腰から結びつけてる場合がある)
個性が出てたりする。

また、手に入れられる機会が少ないからと言ってオリジナルのみが良いとも、
組み直したのが悪いとも思わない。
善し悪しではなく、単なる趣向の違いの気がする。
僕は現地民のままの方が雰囲気があって好きだが、
カスタムされていない数珠も
完成された数珠も好き。

ただ、できれば、ひとつだけ避けたい、物はある。

中国人(漢民族)が中国人向けの販売用に
組んでいるチベットの数珠は避けたい。

中国人が中国人相手に販売を目的として、
中国人の感覚で中国人が組んだチベット数珠である。

まぁ、数珠もそーだけど、
中国人はバングルを好む事が多い。

チベット人が古いパーツを使って組んだバングルもあるが、
チベット人からチベットの物を買って、組み直してる中国人も多い。
これって中国人感覚でしょ、というのもある。

チベット人の一般大衆の使い込まれた味のあるカスタムした数珠を
中国人が真似する事はほぼないので、
そこは大きな違いとは思う。

もしチベット人のまんまを求めるならば、
チベット人から手を加えていない物、
または、
地方系行商や奥地、地元民から買った物のままの方が良いとは思う。

まぁ、様々な趣向や理由など色々あるだろう。
どれが良くて
どれが悪いという事ではないと思う。

僕は、単に、
チベット人のまんまの物が好きなだけ。

ただ、そんだけの話しです。


数珠のお話でした。


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チベットのファッション 革ベルト

2020年02月11日 | チベットもの


チベット人のファッション
ベルト編です。

僕はアンティーク・ビーズ以外の
チベットの装飾品も好んで扱っています。
日本で扱う業者の数は少ないと思う。

多くの需要のある物ではないし、
そもそも、そこに注目する人自体が少ないのかもしれない。

かっこいーのになー

そのチベット人の装飾品。

なかでも、僕が気に入っているのが、ベルト。
腰に巻く、あのベルトです。
彼らのベルトがカッコイイのです。



銀象嵌のバックルが複数付いた革ベルト。
れっきとした伝統的なデザイン。
ラサを含めた自治区内でも見かけるが、
東チベットのカム地方が圧倒的に多い。

僕も私服で長年愛用しているのも、このタイプ。



バックル部分。
鉄土台に銀で象嵌して模様を描くのが伝統的スタイル。
この模様も、細かい、荒い、等様々ある。
太さも様々。細いのから極太のもある。
バックルは、一個単位でも売っているのも見かける。

余談だが、チベット人(もしくはチベット人業者)は、
石の他、古い金属にもすごく価値を見出している。
謎の金属片(たぶん、トクチャ的な要素の物)や、
一見、ゴミとしか見えない古い金属類も普通に高値で売っている。

因に、チベットでは、銀で模様を象嵌した同じデザインの馬具も存在する。
手綱の金属装飾部分は、ベルトと瓜二つの物もある。
元々は馬と共に生きる遊牧民系統なので、
装飾のデザインは共通するのだろう。

ベルトに話しを戻すと、
チベット人は、ベルトから色々な物を吊るす。



こんな感じ。
装飾品を腰から提げる。

今、実際にベルトから吊るしてる人が多い物は、
メロン(小型円形のカレンダー)かな。

装飾品は、昔は用途があった物(牧畜用や財布とか)もあるが、
今はその役目を終え、単純に装飾品として残っている物もある。

この旦那は、いつ会っても、すごくお洒落。
伝統文化を守って、民族衣装や装飾品を美しく着こなしている。
普段着でこのレベル。

雨靴に見えるのはチベットの伝統的な革ブーツ。
つま先が少し反っている。

右肩を出すのは、民族衣装チュバの正しい着方。
両袖通す事もあるが、基本はこの着方。

チベット圏でダウンとか上着の右袖のみを出して着ている人を目にする事もあるが、
あれは、チョバ式の着方をしているのです。








コンチョ型。
革ベルトにシルバーコンチョが複数付くタイプ。
ベルトにコンチョを付ける感覚がネイティブ・アメリカンと共通する。
遥か遠く離れた民族と装飾品の感覚が似るのが面白い。



貝で装飾されたタイプ。
あんま見ない。
ラサで同じ細身のタイプで、小さなターコイズが複数付いたタイプも見た事がある。








最初の銀象嵌と同じタイプ。
一個一個手作りなので、微妙に違う。

その他、
サンゴが列になって嵌め込まれたバックルのタイプの物や、
銀板を打ち出し柄を描いたバックルの物、
コウモリなど動物の柄の物、
明らかにやり過ぎな巨大な物まで、
数多くの種類が存在する。


チベットのベルトでした。


チベットのベルトの販売

https://www.kihachiantique.com/items/26346385



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チベットの円形両面彫りの特殊な古い版木

2020年02月10日 | チベットもの



また、チベットの版木です。
推しています。



お寺の巨大マニ車に入れる経典を刷る用途の
特殊な大型の版木です。

チベットのお寺に行った事がある人なら分かると思うが、
お寺の周囲に列を並べて設置されている複数のマニ車。
アレの中身の経典制作用です。

直径37cmくらい。
5cm程もある分厚い円形板に、両面彫り。

このタイプ、めったに眼にできない。
実際、ほぼ無い、と思う。
個人的には、この版木を除いて、過去に一度見たきり。

その時の物は高額で買えなかったが、
通常、チベットの版木は長方形などの四角型なので、
「なぜ、円形なのだ?」と聞いたら、
「お寺のマニ車用だからだよ」というのを聞いていたので納得していた。
それを知っていたので、再度同じタイプと出会った時、即買いであった。





両面に円を描く様に真言が彫られてます。





朽ちた感じが最高。

朽ちているので、
最初チラッと見た時、版木だと気がつかなかった。
古い木製の台かな、という気がしたが、
あまりにも雰囲気が良いので、よく見たら版木であった。
前述した、以前出会った版木と同類だと気がつく。



古過ぎる木目に紛れて、
一見すると見逃してしまいそうだが、
真言が彫られております。



中央に貫通した穴。
これも版木としては特殊な形状。
刷る時に棒を入れて使うらしい。
どーやって使うのだろう。



分厚い。
チベットの版木としては普通じゃないほど、厚い。
重さも版木としては重量級。

そして、この朽ち具合。
そーとー長い年月を経過してるだろう。


この版木は個性がすごく強いので、
好き嫌いが分かれるタイプの物とは思う。

僕はモロ好みです。


前回のブログの版木も、
同じ、両面彫りで真言図柄のチベットの版木ですが、
全く雰囲気が違うのです。

まぁ、雰囲気は違えど、
両方とも、紛れもなく美しいチベットの古い物と思うのです。


特殊なチベットの版木でした。



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魅力的なチベット仏教の古い版木

2020年02月09日 | チベットもの


久々に、チベットの古い物に関してでござる。

チベットの版木(木版)が、お題。

骨董市では、
来客する人の特性上なのだろうが、
版木(または木版)と言うとすぐに理解してもらえるが、
それ以外の全く知識がない方だと、特に若い人には、
「はんぎ??何それ?」とゆーよーなリアクションをされる。

ザックリ簡単に説明すると、
経典やタルチョなどを刷る(またはスタンプとして押印)目的で用いる、
彫りが入った木製の板状の物です。

写しとる事を目的としてるので、
原則、彫りは反転して彫られています。
なので、文字も反転しています。

刷る時に黒い染料を使うので、
表面の色は基本、黒い。
木に染料が染み込み、または付着し黒くなっているのです。
赤い色をした版木もあるが、それは赤い染料用の版木。

版木には、ボン教などの催事用のツァンパ型押し木製法具類もあり、
それはちょい違うが説明を省きます。

日本をはじめ現代の多くの国々では、
何かが書かれた紙をコピーをしたい場合は、
プリンターやコピー機で簡単に量産できちゃうが、
チベット圏での経典制作には、
いまだに手作業の木版を使っている場合が多い。

機械を買うより手刷り(または押印)の方が安い、という理由もあるだろうが、
伝統文化を守っている側面があると僕は捉えている。

版木を実際に使って作業してるのを見る事ができる場所もある。

有名な場所では、
東チベットのデルゲパルカンが代表的だと思う。

経典専門の手刷り印刷所のデルゲパルカン。
その階上の奥の版木保管室には、
膨大な数の古い版木が保管されている。

その量には圧倒されるだろう。

壁の小さな窓から射す薄明かりのなか、
暗い室内に保管された
静かに眠る古い版木の数々。
両側を埋め尽くす、本棚のごとくの木棚にビッシリと入れられた版木。

手刷りの作業現場だけが注目される事もあるが、
チベットの版木や経典に興味がある人であれば、
あの版木倉庫は見た方が良いとは思う。

圧巻です。



木版印刷院デルゲパルカン外観。
大きいです。
左下に小さく見える女性二人は五体投地で祈ってる。





デルゲパルカンの外壁周りの道には
コルラ(巡礼)をする地元の人々で賑わう。
ここら辺はみんなゴリゴリのチベタンです。


で、版木の実物です。
大きさ的にはデルゲパルカンに保管されている版木と同じ。
※デルゲパルカンから出た物ではないです。



総真言の両面彫りの古い版木
縦60cmほどもある大型。






深く漆黒のパティナがたまらん。
実際に使われてきた痕跡が多く残る。
この感じは土産物では出せない。
古さもあり、質の良い木も使っとる。
表面は真っ平らではなく、微妙にカーブがかかっている。




表面と裏面
同じに見えるが、別々の面です。



両面ビッシリと真言。
彫りが上手いですな。
たぶん、ちゃんとした彫り師が手がけたのだろう。

版木の中には、ヘタクソな彫りのものもあるが、
それはそれで味わいがあったり、謎の強さがあるので、
どっちが良いとも悪いとも言えない。
趣向の違いと思う。

この両面彫りの版木、お寺関係(またはそれに属したり関連する場所)来歴と思う。
このタイプの版木はそこら辺のご自宅じゃ使わない。
それ相応の所が放出したのだろう。


そのチベットの版木。

チベット仏教世界観を表した、
チベットの素晴らしい物の一つであると思う。

個人的にも
以前から魅力を感じている物の一つだ。

なぜだか、
これもイマイチ、日本ではスポットが当たってないように
感じるが気のせいかしら?

ネパールとかだと、
お土産用に量産された新しい版木が安価で大量に売られているが、
それはそれで、旅の思い出としてや、チベット感を感じるには
手頃で良いとは思う。
言葉が適正かは分からんが、小さな新しい版木は可愛らしくもある。
しかし、
実際に使用されていた物を求めたい場合は、話しが違ってきます。

カトマンズの某地区で多く見られる様に、
お土産品に黒い色やオイルを意図的に付着させて古く見せかけ、
「これ、古いヨ〜」「アンティークだよ〜」とか言って
おぼこい観光客相手に高く売っとるのを見かけたりするが、
それは、なんちゃって品です。

ちゃんとした真面目な物は、ある所にしかない。

・・・と、言いたいが、
チベットの版木に関しては、
実際には少しニュアンスが違う。

意外なとこに残っているのが版木。

もちろん、
観光客相手にボロ儲けを企む、
チベット風を装ったお土産物屋で、
古く良い版木に出会うチャンスは無いだろうが、
チベット本土では路上の露店商だったり、
日用品を売る売店の奥などに
古いオリジナルの版木が突然あったりもするのである。

チベットやネパール、その他のチベット圏の骨董屋であっても、
店や業者を選び、注意深く観察すれば、
今ならまだ、古く良い物を見つける事は不可能とは言えない。

しかし、
それらは簡単に出会えるとは限らない。
あくまで出会いは偶発的なのん。

市場に流れる良い物の数は少なくなっているのは間違いない。

時代の流れとともに
いつの日か、版木もその用途を終え、姿を消すのかなー


チベットの古い版木の販売

https://www.kihachiantique.com/items/26327323



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