旅する骨董屋 喜八

チベット圏を中心にアンティークや古民芸・装飾品を旅をしながら売買する喜八の、世界の様々な物や人その文化を巡る旅のブログ。

十字絞りティクマ柄の民族衣装ゴンツェとリンツェ

2019年08月17日 | チベットもの


以前、このブログでも、
ラダックやザンスカールの民族衣装について書いた事がある。

今回もその民族衣装のお話。

巷では、ラダッキー・ドレスとして簡易的に呼ばれている
厚手羊毛の十字絞りティクマが入ったスカートを持つ民族衣装は
名称は、
『ゴンツェ』

ティクマ柄のマント状(ケープ状)の肩掛け布が
『リンツェ』
という名である。



これがゴンツェ。
女性用。
分厚い羊毛で作られている。
夏場のラダックやザンスカールでは実際に着用してる機会を目にする事は少ないが、
今はまだ現在進行形の民族衣装である。

なお、ゴンツェには色々なタイプがあり、
絞り模様が一切入っていない一面赤紫色の女性用タイプも
同様にゴンツェと呼ばれる。


後ろ姿
全面に絞りが入っているものや、
部分的など様々なパターンがある。


腕に入る十字絞りティクマ



中央の男性(とゆーか友達のスンラップ)が着ているのが、
ザンスカールの最も伝統的な赤紫色起毛の男性用ゴンツェ。

左側のゴンツェもザンスカールスタイルだが、厚手ではなく、
簡易的なゴンツェ。
右側の灰色のゴンツェは、実際に着用しているのを俺は初めて見た。
結婚式の時だったので、特別な盛装なのだろう。
因に、写真の三人は、全員ザンスカール人。
顔は日本人にそっくりだ。

一見、ラダックとザンスカールのゴンツェは似ているが、
起毛のゴンツェはザンスカール人特有のもの。
ラダック人男性はザンスカール・スタイルのゴンツェは着ない。

不思議なもんで、
女性用ゴンツェとリンツェは、
男性とは異なり、
ラダックもザンスカールも共通するようだ。



リンツェ。
これも女性用。


後ろ姿。
襟元と裾に絞りを施し、
房を付けるのがお約束。



ラダックでは若者は通常着用しなくなっているが、
ザンスカールは今でも現役で多く見られるが、
多くの若者は洋服を着用している。






ザンスカールであってもリンツェを着用しているのは、
年配の女性が多い印象だ。

ゴンツェもリンツェも
近い将来、間違いなく姿を消す民族文化だろう。


因に、
チベット本土での民族衣装である長い袖が特徴のチュバ(チュパ)は、
ラダックやザンスカールでは目にしない。

チベット本土もラダックもザンスカールも、
同じチベット仏教圏だが、
それぞれが独自の文化を持っているのである。


ラダックとザンスカールの民族衣装ゴンツェとリンツェでした。




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