北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

札幌に住むおやじが北海道を中心に鉄道旅の話題や無線の話題も織り交ぜてぼやきます。アマ無線のコールサインJA8HBO

見えてきたJR北海道の根本的問題点

2014年01月17日 | インポート

「JR崩壊」という刺激的な題名の新書を読んだ、著者は鉄道雑誌にも寄稿している方なので、鉄道への知識はしっかりしたものがあるが、鉄道ファンにありがちな鉄道への情緒的な思いや技術的なことよりも、銀行出身の方らしく、経営数値に関する記述が多かった。

内容としては時流に即して北海道のことが中心だが、「JR崩壊」という題名のとおり、全国のJR各社への警告がこめられている。

読み終えて、一番記憶に残ったのは、1996から2010年にかけて、施設整備への投資が10%以上も減額されていることだ。
それにも関わらず、線路に大きな負担を与えるであろう特急の130キロ走行をその頃に開始している。
まあ素人目にも、大丈夫だったのかと、大きな疑問を感じた。

そして、JRタワーを中心とした副業に力を入れ出したのもこの頃だ。

今、多くの北海道民、特に札幌圏以外の人達は、JRタワー得意になっていたJR北海道経営陣の姿勢が今回の危機を招いたと感じているのではないか。
鉄道事業の巨額な赤字を放置し、JRタワーだけ利益が上がればいいという独りよがりな体質が改まらないかぎり、JR北海道の再生の道は見えない。

国鉄の分割民営化が大きな社会問題となっていた時期に、国の方針に背いた運転士が保線区の作業に「配置転換」されたことがあった

また、2005年に発生したJR西の尼崎線脱線事故でも遅延を起こした運転士が「懲罰」として保線の仕事に回されていたことが問題になった。このように、国鉄や他のJRでも、線路の維持・管理を図る保線作業を一段低いものに見なす風潮が一般的なのだろうか

佐川光晴さんという北海道大学法学部卒業の作家の方がネット上で以下のように書いておられるのが興味深いので紹介したい。

しかし、私としては、JR北海道の経営陣に見られる鉄道事業の軽視が最大の問題ではなかったかと思っている。そうした気風が綱紀の緩みを招き、鉄道事業の中で最も重要なはずの保線作業を末端の仕事と見なすような意識が社内に形成されていったのではないだろうか。Jr北海道はJR東日本の支援を仰いで、社内の立て直しに着手するという。それで上手くいくなら越したことはないが、私としてはやはり北海道民の中から改革への意識が生まれ出てきてほしいと思っている。

 

今、北海道は国の力を借りずに北海道の鉄道事業の再建に取り組むべき時ではないだろうか。JR北海道の一連の列車トラブルが発生した時、北海道知事が国土交通省の大臣に陳謝したという記事をみて、大きな違和感を覚えた。

ゆはり官僚出身知事には期待できない。もちろん、財政危機にあえぐ市町村にも同じだ。

今は北海道の民間からの力を大きく期待したい。

このままでは国の意のままに動く経営陣がJR北海道に送り込まれて、北海道民にとっては実に不本意な鉄道会社もどきが出来上がる可能性もありえる・・・いや、目前に現実となって近づきつつあるのかもしれない。


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