☆ 23日リニューアルしたふたつの百貨店事情
百貨店各社は、今、大規模な改装を始めているが、改装の計画当初と大きく経済環境が変わりつつあり、その対応に迫られる状況となってきている。
23日「銀座松坂屋」がリニューアルオープンを迎えた。
改装は17年ぶりとなるが、今回の改装はやや様相が違っている。銀座といえば高級品のイメージだが、新たな商品展開では低価格品の品揃えを多くしている。
改装の狙いは30歳代の働く女性客の取り込みだったが、この数ヶ月間の消費環境の変化に対応し、低価格品を充実させた。
例えば、改装の目玉となる婦人靴売り場では、今まで10000円台だった最低価格ゾーンを8000円台へとさげている。
そもそも同店は2013年から再開発に合わせての建て直し計画もあり、改装はそのときを予定していた。
ところが、最近の消費環境の厳しさに、今年新たに改装の計画が持ち上がり今回のリニューアルとなったという。
そのため改装規模は10億円と少なめで、30億円の売り上げ増を見込む。
建て直しの規模や投資額についても今後の景気や再開発の動きに左右されそうだ。
「新宿小田急百貨店」も、同じく23日にリニューアルオープンした。
2年間に及ぶ費用85億円の改装計画は、特徴がないといわれてきた同店に全世代の働く女性をターゲットにするというコンセプト作りがベースとなる。
新たなコンセプトで新装されたフロアには、“サンドリーズ・アレー”(雑貨の小路)と名づけられたエリアがあり、散歩感覚で買い物を楽しめるようにつくられている。従来の百貨店と駅ビル専門店をミックスしたような新業態にしたという。
たた、小田急百貨店でも消費の変化の中、今後の改装には慎重にならざるを得ない。商況によっては変化に対応すべく、たえず議論は重ねているという。