武道の世界では師を襲った者が正統である。
すなわち、館名、武号など、ずらずらと証拠が並ぶ。
わけても、業前はその道場の館風が色濃く反映する。
ところが、そういうことも知ってか知らずか、各連盟単位で時の権力になびき、まともな居合者からはじき出される方もある。
どこまで行っても、「師匠は誰、その師匠は誰」というのがこの世界の「貫目」であろう。
だから、師匠をおろそかにして、道場をやめたり、または自分で派閥を作ったり、新しい流派を名乗っても、所詮は甲斐なきこととなりはてる。
それは、古流を標榜しても伝統に恭順していないという、自己矛盾だからだ。
師をないがしろにして、偉い人にすり寄り「出世(笑)」したからと言って、弟子たちがみんな去っては元も子もない。
人の世の「あはれ」が身にしむ今夜である。
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