黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

タルトポワール@オマージュ・ア・パリ

2008-10-25 | スイーツ
 土台のタルトの中に、ダマンド生地。その上にカスタードクリーム、スポンジ、生クリームと重なっていて、一番上に洋梨を主として、フルーツがいろいろ載ってます(フランボワーズ、いちじく、柿、葡萄等々)。

 オマージュ・ア・パリ:新潟(長岡)

『火村英生に捧げる犯罪』有栖川有栖(文藝春秋)

2008-10-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
今は使われていない工場から、不審者が出てくるのを目撃したという隣人・桑原稜介。その中では川又進一という男が遺体で発見されたが、彼は16年前に老女宅への強盗殺人事件の容疑者として疑われていた人物だった……『長い影』、
2、3年前に出会った事件の顛末を語る火村。中京区のマンションで、男が殺され、飼っていた鸚鵡が“ハンニンハ、タカウラ”と告げたという。それは被害者が遺したダイイングメッセージなのか……『鸚鵡返し』、
アリスの元に珀友社の編集者・片桐から持ち込まれた依頼。本格ミステリは嫌いだと思われていた社会派推理小説の作家・里中泰成が亡くなり、遺品から未完の原稿が見つかったと娘の花織から連絡があり、それを読んだ2人。彼らは、火村に雪に覆われた円形の庭に残されていた足跡の謎について相談する……『あるいは四風荘殺人事件』、
自分を解雇した社長・君津を殺害した、容疑者となっている浦井。君津がかつて住んでいた203号室には行ったことがあるが、新しく引っ越した901号室には行ったことがないはずの、彼の指紋がふすまから発見されたことを問い詰めるが……『殺意と善意の顛末』、
火村の下宿の婆ちゃんの小言がヒントになったエピソード。洛北大学に通う女子大生・西木美華が殺害された。犯人は彼女が旅先で知り合って、付き合い始めた男らしい。部屋には、その旅先で撮った彼女と色違いのお揃いのTシャツを着ている男が写っている写真が飾られていたが、写真の男は見つからず……『偽りのペア』、
京都の烏丸北大路でエステティシャンの中務愛菜が殺害された。容疑者は合コンで知り合った鍬田杜夫という男。しかし彼はその時、友人の國島という男のところへ泊まっていたという。
そんな中、大阪府警にprof.Rと名乗る人物からFAXが届いた……“これは火村英生に捧げる犯罪だ とっておきの探偵にきわめつけの謎を”という内容で、子供をターゲットとした犯罪を匂わせていた。
一方、アリスの元には渡辺三郎と名乗る男から電話が。ムラサメジュウゾウという人物が盗作されたといっているので、東京まで来て欲しいという不可解な内容で……『火村英生に捧げる犯罪』、
何もない、殺風景な部屋で亡くなっていた男・徳永繁巳。携帯電話は握っていたが、電波が悪く携帯は使えない。しかもメールも使わない主義の彼。容疑者候補は4人。果たして彼は死の間際、誰を犯人として示そうとしていたのか……『殺風景な部屋』、
東京に住む種村美土里と、神戸に住む早瀬琢馬は、コンビを組んで篠崎警部補ものの推理ドラマを作っている放送作家。その早瀬の隣人・轡田健吾が、庭で遺体で見つかった。雨合羽姿でスパナを持ち、何かで殴られていたが、凶器は不明。轡田は早瀬を一方的に目の敵にしており、トラブルが絶えなかった。容疑者として疑われた早瀬は、その時、相方である美土里と、パソコンのテレビ電話の画面を通じて、打ち合わせ中だったというのだが……『雷雨の庭で』を収録。

アリス<作家篇>の掌編&短編集。
短い中でのトリックの見せ方(…というかオチの付け方?)のうまさは流石ですね~。
……個人的に、警察内でのアリスのあんまりな評価に、大ウケ(笑)。

<08/10/24>

『群青』宮木あや子(小学館)

2008-10-23 | 読了本(小説、エッセイ等)
沖縄・八重山諸島の、日本最南端に近い小さな島・南風原島にやって来た、ピアニスト・森下由起子。突然病が発覚し、余命わずかとなった彼女は、恋人と別れ、この島にやってきたのだった。そこで過ごし始めた彼女は、漁師の青年・仲村龍二と恋に落ちるが……『紺碧』、
由起子が遺した娘・凉子は10歳に。島には、同い年の少年・一也と大介がおり、いつも3人一緒に行動していたが、凉子は一也にほのかな思いを寄せていた。
そんなある日、かわいがっていたヤシガニを父に料理されたショックで、一也が家出したと聞いた凉子は、彼を探しに出かけるが……『三原色』、
中学を卒業した3人はそれぞれの進路に進んでいた。一也は漁師に、大介は高校へ進学、凉子は父の反対を押し切って、看護師になるべく看護学校へ。そんな中で、愛を育んでいた一也と凉子。
やがて学校を卒業した凉子は島へと戻り、20歳を目前にした2人は、龍二に結婚したいと告げるが、一也が一人前の漁師になるまでは、と反対にあう。
かつて龍二が由起子に贈ったという赤珊瑚を、自分も獲ることができれば、一人前と認めてもらえると思い込んだ一也は、海へと潜るがそのまま帰らぬ人となり、彼を失ったショックで、凉子は精神の均衡を崩す。
そんな中、島を去っていた大介が帰ってくるが……『群青』の3編収録(『紺碧』『三原色』は短編、『群青』は長編)。

離島を舞台にした恋愛、そして喪失と再生を描いたお話。
来年、中川陽介監督によって映画化される『群青』の脚本を元に、宮木さんが書かれたノベライズ作品です。
原作がある所為か、いつもの宮木作品とはちょっと違う雰囲気ですが、描写の細やかさや、色彩の豊かさが印象的でした。

<08/10/23>


かぼちゃロール@ガトウ専科

2008-10-22 | スイーツ
 ココア風味のスポンジに生クリーム、中心にかぼちゃのクリームが巻かれているロールケーキの上に、かぼちゃのクリームとチョコレート、ナッツ類(カシューナッツ、胡桃等)やミルクチョコレートで固められたさくさくしたもの(フィヤンティーヌ?)が載っています。

 ガトウ専科:新潟(長岡、ほか)

『今朝子の晩ごはん 嵐の直木賞篇』松井今朝子(ポプラ社)

2008-10-22 | 読了本(小説、エッセイ等)
ガラパゴスの旅から帰ってきてまもなく、『吉原手引草』で直木賞受賞。あちこちに呼ばれたり、サイン会ツアーを敢行したりと、怒涛のような忙しさの中での晩ごはんは、いつも通りのQPだったり、ご馳走だったり、東横のれん街だったり…。
馬に乗ったり、政治家に憤ったり、亀について熱く語ったり……な日々を綴るブログ日記の書籍版・第2弾。

2007年の後半、7月から12月までの松井さんの日記。
ちょうど直木賞の受賞でお忙しい時期だったので、その辺が食生活に如実に現れてるのがおもしろいです(笑)。

<08/10/22>


『空へ向かう花』小路幸也(講談社)

2008-10-21 | 読了本(小説、エッセイ等)
祖父と共に、かつて文房具店を営んでいた古いビルで暮らす小学6年生の少女・カホ(花歩)は、ある日、ビルの屋上に佇んでいた少年の姿を目撃。彼が自殺しようと考えていると察知した彼女は、手にした鏡で光を当て、それを食い止めた。
少年は、カホとは違う小学校に通う、同じ6年生のハル(春之)。“人を殺した”という彼だが、その相手は、カホの親友・由希菜だった。
それは故意によるものではなく、むしろ不幸な偶然による事故の類であったが、由希菜の両親はハルの両親を訴え、疲弊した家族はバラバラに。そんな彼は、毎日家に届く謎のカードに追い詰められ、死に場所を求めた末、この町に辿りついたのだという。
カホは、ハルに、由希菜がどんな少女であったかを語り、彼女が望んでいたという、カホが住むビルの屋上に庭園を作る計画を持ちかける。
そんな子どもたちを陰ながら支える、花屋でアルバイトをする大学生・桔平と、何かワケありの中年男性・イザさん(伊崎原)だったが……

心に傷を持つ少年少女たちの、再生に向かう為の物語。
ご都合主義的な部分もありますが、殺伐としたこの世の中にこそ、こんなお話が必要な気がしますね。

<08/10/21>

『漂流巌流島』高井忍(東京創元社)

2008-10-20 | 読了本(小説、エッセイ等)
豪腕プロデューサー・峰から持ちかけられたという、低価格でのチャンバラもののオムニバス映画。有名な事件をメジャーどころがやらないような視点から描く、というコンセプトだという。その1本を請け負うことになった三津木監督から、そのプロットだてを手伝わされる羽目になった駆け出しシナリオライターの“僕”。テーマは宮本武蔵の巌流島での決闘だが、文献を調べた結果、僕が渡したのは、“宮本武蔵は試合に遅れない、佐々木小次郎は登場しない”という、巷間に流布している話とは相反するもので……『漂流巌流島』、
“実録チャンバラ外伝巻之壱”に参加することになっていた、若桜監督が事故で全治三ヶ月の骨折。代わりに彼が撮るはずだった忠臣蔵の映画も任されることになった三津木監督。またしても手伝うことになった僕が、忠臣蔵のそもそもの原因となった刃傷事件を調べると、そこには浅野内匠頭と吉良上野介への不公平とも思える裁定の謎と、40年後に板倉修理が細川越中守に対して起こした刃傷事件への関わりが見えてきて……『亡霊忠臣蔵』、
今度は沢監督が、海外での別の撮影が押してしまい、リタイア。例によって、彼が撮るはずだった池田屋事件が三津木監督に回ってきて、資料を集めた僕。近藤勇は何故援軍を待たずに少人数で斬り込んだのか?その当時の彼らを取り巻く事情とは……『慟哭新選組』、
義経を撮るはずだった一柳監督が臍を曲げ、またしても三津木の元に。題材を変え、三大仇討話として知られる、鍵屋ノ辻の仇討ちを取り上げることに。荒木又右衛門が助太刀したことが有名になっている話だが、物事が討つ側に都合よく進み過ぎている。しかもその後、又右衛門は謎の急死を遂げていて……『彷徨鍵屋ノ辻』の4編収録の連作短編集。

史実として残されている数々の証言の行間から、有名な歴史的事件の新たな解釈を導きだすという、どちらかというと“歴史”に重点を置いた歴史ミステリ。
歴史解釈モノとしては面白いと思うし、興味深いのですが、本編のストーリー面が弱いかな;
もうちょっとそちらの方でもひねりがあったらなぁと思ったのですが…。

<08/10/20>

『マリア様がみてる 卒業前小景』今野緒雪(集英社)

2008-10-19 | 読了本(小説、エッセイ等)
卒業式前日、ミルクホールでランチを食べていた、令と祥子。その最中に、祥子ふと思い出し笑いをしてしまう。
食べ終え、教室へ向かう彼女たちの前に下級生がやってきて、令にサイン帳を頼む。ふと以前、自分がサイン帳を断った下級生のことを思い起こし、後悔してしまう祥子だったが……『思い出し笑い』、
ラケットについて悩むあまり、いろんなものがラケットに見えてしまう桂。
それは1週間ほど前、妹の瑞絵が、桂のお姉さまのラケットを持っているのを見てしまったから。しかし昨年、自分もお姉さまに内緒で2つ上の憧れの波留先輩からラケットをもらっていた後ろめたさから、それを問いただせずにいて……『お姉さまのラケット』、
ここ2、3日、視線を感じていた三奈子。そんな彼女は、後輩・真美に出会い、パンをもらう。編集会議を開く予定が、中止になったのだという。そのパンを食べ終え、歩いていた彼女の前に祥子が現れ、話したい事があるという。人のいないところで、という祥子のリクエストで新聞部の部室にいくが、そこには真美と令もいて……『私とインタビュアー』、
写真部恒例の卒業生集合写真を撮る役に指名され、プレッシャーを感じる蔦子。そんな彼女に出された条件は、“号令に合わせてシャッターを1回切る”というものだった。ところがそこにはある策略が……『卒業集合写真』、
午後2時の美術室に居残っている2人の美術部員……明日卒業してしまう美礼と、その後輩・藻音。一度くらいはデッサンの余り物のパンではないパンを、という話になり、菓子パンの宴を行なうことに。その後、残ったパンをモデルに、スケッチブップに絵を描きはじめた2人だったが……『菓子パンの宴』、
薔薇の館で恒例となっている、3年生の忘れ物捜索が行なわれたが、出てきたのは黒いリボン。しかもそれは祐巳が自分のものだと名乗り出て、捜索を終えた。その後、それを手にした祐巳は何故か足早に館を去り、残された瞳子に、志摩子は追いかけたかったら遠慮しなくてもいい、というが……『支えとスキンシップ』、
聖に訊きたいことがあり、彼女の元を訪れた由乃。卒業する時点で孫のいない、今の令と同じ立場に置かれた人の意見を聞きたいのだという。その問いに聖は……『忘れた忘れ物』、
薔薇の館を後にした瞳子と乃梨子は、その後同じバスに乗り合わせるが、その後ろの席には偶然、聖が。後輩2人は彼女に気づかないまま、かつて蓉子が口にした“妹は支え”“お姉さまは包んで守るもの”という言葉について語り合ぅて……『隣は何をする人ぞ』、
薔薇の館で見つかった黒いリボン。それはかつて祥子と分け合った思い出のリボンの片割れだった。何故そんなところに、と思う祐巳は、祥子を探して校内を回るが、その足はこれまでの数々の思い出の残る場所へと向かう。そんな彼女が最後に辿りついたのは、ビスケット扉の前……『リボンの道』を収録。

卒業式前日のリリアンで繰り広げられる、小さな光景を綴った、連作掌編集的長編。
いろいろ楽しい場面もあるのですが……やはりちょっと寂しくもあり、切なくもあり;
さて次巻はとうとう祥子さまたちが卒業です…。

<08/10/19>