黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『Y氏の終わり』スカーレット・トマス(早川書房)

2009-02-17 | 読了本(小説、エッセイ等)
大学時代はデリダの哲学を専攻し、科学全般を扱う雑誌にコラムを書いていたアリエル・マントは、その取材活動の中で知った、19世紀の英作家トマス・E・ルーマスを唯一研究する教授・バーレムに誘われ、彼の大学で大学院生となる。しかしその後、肝心のバーレムが失踪してしまい、戸惑う彼女。
そんなある日、大学の建物が倒壊したことから帰宅することになったアリエルは、たまたま立ち寄った古本屋で、思いがけずルーマスの『Y氏の終わり』という本を見つける。それは、ドイツの銀行の貸金庫に1冊存在が確認できているだけだという、超希覯本……しかも、読んだ者は死に至るという“呪われた本”という、いわくつき。
その内容は、主人公Y氏がある男からもらった薬で、他人の心の中に移動する能力を持つ冒険譚のようなもの。
内容を読み進めるアリエルだったが、その本には肝心な1ページ…その薬の処方箋が欠けていた。落胆するも、偶然バーレムの蔵書の間からそれを発見したアリエルは、その薬を作ることに成功し、Y氏同様の能力を手に入れる。
しかし、そんな彼女を狙う謎の男たちに追われるはめになり……

1冊の本(というかその内容)を巡り、繰り広げられる冒険SFといった感じ?
哲学、物理学、量子力学…等々、さまざまな学問も登場して、かなりペダンチックですが(おまけに厚い;)、その割には読み易いかも。

<09/2/17>


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