黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『扉は閉ざされたまま』石持浅海(祥伝社)

2005-09-04 | 読了本(小説、エッセイ等)
久しぶりに開かれた大学のサークル内の同窓会……同級生・安東の兄の経営する成城の高級ペンションに、男女合わせて7人の旧友が集まった。
犯人・伏見亮輔は、後輩の新山を入浴中の溺死を装い殺害。外部からは入室できないように、鍵を閉め、密室を作成した。
直前までの新山の状況から、皆が伏見の思惑通り、彼が部屋で眠っているものと思い込んでいる……ただひとり、碓氷優佳を除いては。
些細な疑問点をつき、伏見を追い詰めていく彼女。そして二人の頭脳戦が繰り広げられる……扉は閉ざされたまま。

倒叙ものなので、最初から犯人がわかっているけれど、その理由が不明…というミステリ。
舞台となっている家は、旧家を改装したもので、その扉はお金を出しても、代わりの物はないほどの年代物。それ故に、ただ眠っているだけという可能性が強いうちは、鍵がかか
っているからといって、そう簡単に扉を叩き壊すことはできない、ということで密室は最後まで開けられないまま物語が進行していくところが面白いです。
さまざまな要素がうまく噛み合い、緻密なロジックを構成しているところは、素晴らしいと思うのですが……殺害動機が、ちょっと、ねぇ;

<05/9/4>


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