黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『たまさか屋人形堂それから』津原泰水(文藝春秋)

2013-06-06 | 読了本(小説、エッセイ等)
代々続く人形店玉阪人形堂を継いだ澪は、一度は店を手放したが紆余曲折の末、再び店主となっている。そんな彼女の店には、ひとくせもふたくせもある従業員たち…冨永と師村が働いている。
そんなある日、女の子が口を赤い油性マーカーで塗ってしまったリカちゃん人形をその母親が店に持ち込んだ。冨永の留守中に引き受けた澪だったが、彼には無理だとすげなく断られてしまう。
そんな中、創作人形作家の五十埜がグループ展に出品した人形が何者かに壊される事件が起き、その修復に関わることになり、店は大忙し……“香山リカと申します”、
冨永が先頃作った蛸のぬいぐるみ八つぁんが大人気。さらに缶詰等の輸入を手がける会社の社長・神田八郎が八つぁんを気に入り、大量注文。さらに澪を食事にも誘ってくれる。
そんな中、祖母の持ち物だという市松人形を持ち込んだ、バンドマンだという今風の青年。その人形の髪は伸びるらしいのだが、その真偽を確かめることになった澪たちは……“髪が伸びる”、
八つぁんの売れ行きが伸び悩み、冨永がナーバスに。
そんな中、束前が、転売屋の川瀬の倉庫が燃えたと知らせてきた。おまけにこのところ他の人形蒐集家も被害に遭っているという。その現場の防犯カメラにうつっていたのは、以前人形コレクターである軽井沢の資産家の老女のもとに阿波人形のかしらを売りに来たという男だった。
その人形は、布袋久の小田巻姫……師村が探している人形だが、もしかしたら師村がつくったレプリカの方かも知れず……“小田巻姫”、
冨永がスランプに陥り、無断欠勤を続けるようになったが、いつの間にか、店に置かれれていた八つぁんの在庫が減っていることに気づいた澪たち。
作り手の気持ちがわかっていないと云われた澪は、木目込み人形作りを習いに出かけることに……“ピロシキ日和”、
澪が作った不格好な木目込み人形が店の様子を語る……“雲を越えての5編収録。

シリーズ第二作。
蛸のぬいぐるみ・八つぁんが、すごく見てみたい!

<13/6/6>


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