黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『太陽の坐る場所』辻村深月(文藝春秋)

2009-01-16 | 読了本(小説、エッセイ等)
F県藤見高校の3年2組で一緒に学んだ仲間達も28歳に。このクラスでは、島津謙太を幹事として毎年のようにクラス会が開かれていたが、今回は現在島津が東京支店に転勤になったこともあり、東京在住の半田聡美、水上由希らと、クラス会への出席率も高い、かつてのクラスのムードメーカー的存在であった真崎修も参加していた。
そこでの話題は、“キョウコ”という芸名で女優として活躍する、かつての同級生の存在。ずっと不参加を通している彼女を何とか参加させたいと思う彼らは、彼女が出席しないのは“清瀬陽平”の存在を気にしているのではないかと考えた。
その心配がないことをキョウコに告げにいくことになった、聡美。
彼女は小劇団・常磐会で周囲には内緒で演劇を続けていたが……『出席番号二十二番』、
高校時代、親友・貴恵の彼氏であった真崎修と3人で仲良しと思われていた紗江子は、現在映画の配給会社で働いている。
。周囲からは男性経験がないと思われていた紗江子だったが、密かに妻子ある修と関係を持っていた……『出席番号一番』、
有名アパレルメーカー・ホリーで働く水上由希。しかしクラス会で言っているような、デザイナーではなく単なる雑用係。しかも会社では、実際にはないキョウコとの仲の良さを強調する。それを補強するために、彼女と撮った写真が欲しいと願っていた。自分にとってプラスになる価値を求める彼女は……『出席番号二十七番』、
はがき代を自腹で切りつつも幹事を務める島津。そんな彼は、高校時代から由希に思いを寄せていたが、彼女は、清瀬の友人吉田と付き合っていた……『出席番号二番』、
今ではテレビに出る存在になった高間響子。高校3年の11月の放課後、<女王>だった彼女は失墜した。ずっとクラス会に出ていなかった彼女だが、出席を決めた。それは彼女に会うため……『出席番号十七番』を収録。

ある事件の起きた高校3年生の過去と、さまざまな事に思い悩む28歳の現在を、(それぞれの出席番号の)半田聡美、里見紗江子、水上由希、島津謙太、高間響子の視点でみた物語。一応ミステリ。
少年少女(というか特に少女)の残酷性や、人間の心理の襞が巧みに描かれていて、読んでいて少々痛かったです(苦笑)。
……個人的にすごく気になったのが、このクラスの名字のさ行集中っぷり(38人中16人前後ってすごい集中率だと思うのですが/笑)

<09/1/16>


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