黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『秋の牢獄』恒川光太郎(角川書店)

2007-12-08 | 読了本(小説、エッセイ等)
11月7日。大学2年生の藍は、自分が同じ1日を繰り返していることに気付く。そんな25、6回目の11月7日を迎えた彼女の前に、同じように一日を繰り返している青年・隆一が現れる。彼に連れられて“リプレイヤー”の仲間たちに引き合わされた藍は、“北風伯爵”という存在と、次々に仲間が姿を消しているという事実を知らされる……『秋の牢獄』、
春の夜。近道をしようと迷い込んだ道で、藁葺き屋根の家に足を踏み入れた“ぼく”は、翁の面の男からやむを得ずその家を受け継ぐことになってしまう。日本全国を定期的に彷徨うらしい、この家から出る為には、誰か別の人間に交代しなければならない。その機会を狙っていたぼくの元に現れたのは……『神家没落』、
幻を操る力を能力を持っていた“祖母”とともに山で暮らしていたリオ。しかしその後、家は火事で燃え、“祖母”と別れてしまう。本当の両親の元に戻されたリオは、ひとりで幻術の練習に励んでいたが……『幻は夜に成長する』の3編収録の作品集。

『秋の牢獄』は時を繰り返すというありふれた題材ながら、恒川さんらしい解釈が為されてて良かったです。
 3編とも何かに“囚われている”というモチーフで共通していますが、そのことに対する恐怖や嫌悪よりも、甘美な愉悦のようなものを感じる作品たちでした。

<07/12/8>




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