『整形前夜』穂村弘（講談社）

オーガニック志向の女性の増加からガニメデ星人が人類の女だけを連れ去る未来を想像、「みてるひと」の影さえ感じられずに不安な日々、小学校の水泳大会で絶体絶命になった体験、中学生の時に意図的に変えていた話し方を大学でスミヨシアズサに見破られる、自分の本の「読者」の存在について考える……記憶や日常について書いた文章と、言葉や本について書いた文章を収録したエッセイ集。

タイトルは、穂村さんの短歌“整形前夜ノーマ・ジーンが泣きながら兎の尻に挿すアスピリン”より。
自意識過剰な部分を自虐的に見つめる姿と、妄想っぷりがいつもながら、楽しいです（笑）。
今回は図書館司書の奥様との微笑ましいエピソードも垣間見れて、ちょっとほのぼの…。

<09/5/25>