黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ボリバル侯爵』レオ・ペルッツ(国書刊行会)

2014-01-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
1812年冬。スペインに侵攻したナポレオン軍に対し、占領下のラ・ビスバル市ではゲリラ軍による反攻計画の噂が囁かれていた。
ナポレオン軍のフォン・ローン少尉は伝令任務中に負傷し、礼拝堂の屋根裏に身を潜めている間に、偶然、ゲリラの首領<皮屋の桶>と、当地の民衆から偶像的崇拝を受ける謎の人物、ボリバル侯爵との密談を聞いてしまう。
ボリバル侯爵は、ラ・ビスバル市攻略作戦を開始するにあたり三つの合図を授けた。
第一の合図は、館の屋根から上る黒い煙。第二の合図は、聖ダニエル修道院のオルガンの音。そして第三の合図は、使いの者が持っているという短刀だという、
少尉の報告を受けた占領軍ナッサウ連隊の将校たちは、市内に潜伏するボリバル侯爵を捕えて三つの合図が発せられるのを阻止しようとするが、動き始めた運命の歯車は彼らを逃れ難き破滅へと導いていく……。

ドイツの無口な領主として亡くなったヨッホベルクの遺品の中から見つかった、彼がナッサウ連隊の少尉としてスペイン出征した折の回顧録として描かれたお話。一応幻想小説、かな。
何とか侯爵の計画を阻止しようとするけれど、思わぬかたちでそれが実行されてゆく様と、なんといっても最後のどんでん返しがちょっとミステリっぽい感じかも。

<14/1/22~24>