黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『鈴を産むひばり』光森裕樹(港の人)

2014-01-12 | 読了本(小説、エッセイ等)
鈴を産むひばりが逃げたとねえさんが云ふこれでいいよねと云ふ
内側よりとびらをたたく音のして百葉箱をながく怖れき
まして死を拒む理由をもたざれば夏の廊下をわれは好みき
声のする方へといふ声ばかりしてどの声なのかわからずにゐた
シュレディンガーの雲がなにいろだらうともまがふことなきあかね雲なり
もうゐないひとであるゆゑ此処にゐて此処にゐるゆゑもうゐないひと
たましひがりつとも売れやしない日にあなたがくれたお金を遣ふ
美しきもの告げるにはやき仲なれば沈む夕陽は沈ませておく
わらふからそんなに君がわらふからためいきがまた飴玉になる
擦れ違ふすべての靴の裏側がやさしく濡れてゐるといふこと

光森さんの第一歌集。どんな歌を詠まれるのかとても気になっていたのですがようやく入手できました♪
かなり好み、というかわたしの中で思い描く怪談短歌の理想形かも…(*゜▽゜*)

<14/1/12>