黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『キシャツー』小路幸也(河出書房新社)

2012-08-07 | 読了本(小説、エッセイ等)
北海道の田舎町。海沿いを走る一両編成の電車で通学することを、<キシャツー>と呼んでいる。
夏休みがあと十日で終わる、八月八日。部活に向かう電車の中から、砂浜に赤いテントが張られているのを見つけた、仲良し女子高生のひらがな3人組…はるか、あゆみ、このみ。
そこへはるかの幼馴染でひとつ上の3年生、成績優秀な生徒会長の酒井良夫、近寄りがたい雰囲気を漂わせる3年生の美少女・野島紗絵らも加わり、噂する。どうやら件のテントは、二日前から出現しており、紗絵曰く、昨日アルトサックスの音を聞いたという。
駅のホームで掃除をしていると紗絵がやってきた。テントの主らしき、見知らぬ青年を目撃したという。彼女に誘われ、後をつけることになったはるか。
後に事情を訊くと、血の繋がらない姉・崎野夏実…父の再婚相手の連れ子…を探しているという、東京の高校生・宮谷光太郎。しかし、彼に会いたくないかもしれないという彼女を大々的に探すのははばかられ、画像加工が得意な良夫の親友・西遼太郎がモンタージュを作成、ひそかに彼らが協力して、探すことになって……

北海道の田舎で、キシャツー(汽車通学)をする少年少女のひと夏の出来事を描いた青春小説。
はるか、良夫、紗絵、光太郎の視点で語られています。爽やかこの上なく、ザ・青春!という感じ(笑)。
特にこれといった事件も起こりませんが(お姉さん探しがメインかと思いきや、びっくりするほど早く見つかったし)、それぞれが自分の人生を見つめ直すための(自覚するための)ターニングポイント、なのかな。
……そういえば、北海道はマクドなのですね(>マクドナルドの略し方)。

<12/8/7>