黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷』小路幸也(徳間書店)

2011-06-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
厄をもたらすものを祓う人々が住まう郷……蘆野原の郷の長筋として生まれた和野和弥は、少年時代に長である父と郷を出た後、蘆野原研究においては第一人者であった、恩師の教授のひとり娘・優美子を妻に迎え、大学で教鞭をとりながら暮らしている。
そんなある日、家に帰ると優美子が猫になっていた。しばらくすると元に戻るのだが、彼女に猫になっている間の記憶はないらしい。
同じ郷で育った幼馴染で、同じ大学に入った腐れ縁の美津濃泉水が、いろいろ持ち込んだりする<事>を<為す>和弥……

一昔前(二昔?)の時代あたりが舞台。<事を為す>=災厄を払う、能力を持つ家の長筋の和弥と、何かが起こる先触れとして猫になるらしい妻、および幼なじみの泉水らとの日常の中で、不思議なことも起こるけれど、淡々とした幻想譚。ひとつひとつのエピソードは短めで、連作掌編的。
ちょっと家守綺譚や常野物語っぽいかな?
にゃんこな優美子さんの有能っぷりが素敵v 多美ちゃんもかわいい~♪…と、猫好き的にはたまらない作品(笑)。

<11/6/28>