黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『四色の藍』西條奈加(PHP研究所)

2011-06-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
紺屋・紫屋の女将・環は、両替屋と薬種問屋も営む、同業の大店・東雲屋を訪ねて出かけた折に、主人・三左衛門に用のあるらしい若侍と出会う。
三月前の六月初め。環の夫・茂兵衛が何者かに斬り殺された。翌朝、阿波八こと藍玉問屋阿波屋の主人・中野八右衛門が、首を括った姿で見つかり、自害とみられたことから、彼が茂兵衛を殺害した下手人とみられていたのだが、環はその裁きに納得がいかず、三左衛門が下手人だとにらんでいた。その件について問いただすべく、連日店に通い詰めるも、留守だと門前払いされている環が、店先で一騒動起こしそうなところで、南町奉行所の定町廻同心・山根森之介が現われ、仲裁に。
その晩、環のところに、東雲屋の者たちが脅しに現われたところへ、助けに入ったのが先の若侍だった。
蓮沼伊織と名乗るその若侍は、新堀上総という男を探しているのだという。新堀は、兄の朋友で、元は阿波藩の藍方勤めをしていたのだが、半年前に兄を殺し、阿波から逃げており、仇として追っているという伊織。
その新堀が東雲屋と一緒にいたところを見たものがいるという噂を聞き、東雲屋を訪ねたのだった。
翌日、紫屋の食客となった伊織は、おくめという洗濯婆と、小料理屋で働く妖艶なお唄と引き合わされる。おくめは、小遣い稼ぎに、お唄は東雲屋の手代・源次を恨んでおり、環に手を貸しているのだという。
四人は力を合わせて、東雲屋の周囲を密かに探ることになったのだが……

それぞれの思惑で、東雲屋という大店に関わろうとする四人と、その周囲の人々との愛憎渦巻く時代ミステリ。
四人のキャラクタの違いや(まさに四色)、最初の印象からのどんでん返しっぷりが楽しいです。

<11/6/24>