黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『デカルコマニア』長野まゆみ(新潮社)

2011-06-16 | 読了本(小説、エッセイ等)
2210年、ポルトロ州オルトラノ。<デカルコ>と呼ばれる時間旅行を可能にする装置について研究しているICODという組織があり、そのデカルコに搭載する為の、今という時代の記録を記すライターのひとりとなった14歳の少年ソラは語る。
彼が書くのは、鳥類図鑑とあだなされた少年ナウシストの話。マシュマロデイ前夜の喧噪の中、ナウシストの前に、彼の運命の人がユリスであることを告げる、美少年の転校生ロマン。その後、不思議な体験をしたナウシストは、運河に落ちて奇跡の帰還をする。そのナウシストは、ソラの父であり、ユリスはソラの母である。
そしてソラ自身もまた、ロマンとおぼしき少年と逢ったことがあり、リングのもう半分をもっているものが、運命の女だと告げる。
2013年、新型インフルエンザに感染して自宅での療養を強いられる少年シリルが、図書室で見つけた、一冊の古書……金箔押しで飾られた革装の本には、奇妙な文字で<デカルコマニア>というタイトルが付けられていた。
それはシリルと同い年のソラによって書かれた記録で、ソラは23世紀の人間だという。
デカルコマニアに記された人々の奇妙な足跡は、ページを追うごとに、シリルを虜にした。それは、家系図を書こうとするとエッシャーの絵の如き矛盾を孕む一族・ドラモンテの物語だった……

20世紀から23世紀にかけて時間旅行をする一族・ドラモンテ家の人々の、時間旅行記というか年代記というか…。
同じようなモチーフが何度も繰り返し提示されつつ、変化していく感じ?
確かに家系図を書くのは大変そう、というか読んでいるうちに、頭がぐるぐるしちゃうので、メモ必須(笑)。
……そしてレモンドーナツが食べたくなります(笑)。

<11/6/15,16>