黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

ランドセル ピンク@ルーテシア

2011-04-16 | スイーツ
 春らしくランドセル型のケーキ。チョコレートで作られた男の子ヴァージョンもあります。
 ピンクにコーティングされた中は、いちごのムースとミルクのババロア。
(デザイン的に)子供向けなのか、優しい甘さになってます。
 上に載ってるのは、桜型のピンクのチョコレート。脇にはホワイトチョコ、反対側には半分に切った苺が付いてます。土台はサブレ。

 ルーテシア:新潟(新潟) ※伊勢丹内のグランジュテで。

ルージュノワゼット@ルーテシア

2011-04-16 | スイーツ
 コーティングされた中はいちごのムースで、中にヘーゼルナッツのクリーム、キャラメリゼしたナッツが入っています。土台はダックワーズ?
 上に、マカロン(間にはバタークリーム)、いちご、ブルーベリーが載ってます。

 ルーテシア:新潟(新潟) ※伊勢丹内のグランジュテで。

『古道具屋皆塵堂』輪渡颯介(講談社)

2011-04-16 | 読了本(小説、エッセイ等)
浅草阿部川町にある道具屋・銀杏屋の長男に生まれながら、父・重松により家業を継ぐのは弟・音次郎と決められ、経師屋で修行していた太一郎。ところがその弟が急逝、彼の遺言により店を継ぐことになり、呼び戻された。
改めて修行しなおすことになり、その先として父が見つけてきたのは、皆塵堂という古道具屋。そして、父に見せられた簪の中からひとつ選ぶように言われた太一郎は、赤い玉のついた簪を選ぶが、その夜、女の幽霊が枕元に立ち、その簪で彼の目を突く幻影を見る。
翌日、幼なじみである、棒手振りの巳之助の住む長屋を、久しぶりに訪れた太一郎は、そこでずぶぬれの男に遭遇する。伊平次というその男は釣り人で、巳之吉に驚いて堀に落ちてしまったという。濡れた着物を、物干しに干していたその袂から転がり落ちたのは、先の赤い簪と同じもの。曰く、知り合いの町医者・了玄からもらったものだという。
了玄が看た、目を患った三人の娘たちが、何故か同じ簪を持っていたというのだが……『道具屋には向かない男』、
かくして古道具皆塵堂で修行することになった太一郎。
店主の伊平次は、趣味の釣りで留守がち。他に、峰吉という小僧の奉公人がいる。
皆塵堂は、奥に長い造りの建物で、後ろの狭い裏庭に土蔵がある。後から母屋の方の建て増しし、土蔵の扉側をくっつけてある奇妙な造りだ。
太一郎が店に立って、すぐにやってきたのは、好々爺然とした老人…馴染客である、木場の材木商・鳴海屋の隠居・清左衛門。彼と話をしていると、伊平次が、藤五郎という指物師の手による懸硯を持ち帰ってきた。釣果が芳しくなく、たまたま飛び込んだ商家で、気味が悪いからとただ同然で仕入れてきたという。その夜。酔った太一郎は、懸硯の脇にいて、じっと壁を向いて座っている女を見る。
翌日、再び藤五郎作の帳箱を仕入れてきた伊平次。そしてその夜。やはり同じ女がもう一人現れ、顔を見てみると、そこには顔がなく、もうひとりの顔は鰻の巣となっていた……『鰻の住み処』、
店の者が誰もいないことから、気になっていた開かずの間を開けようとしているところを、店に清左衛門に止められた太一郎。そんな清左衛門から、店が珍しい造りになっている理由、何故皆塵堂の商売が成り立っているのか、そして開かずの間の曰くについてを聞くことに。
以前、幸右衛門という老人が営む道具屋であったが、何度も賊に入られていた。その対策として、土蔵の入り口をくっつけたのだが、それが禍いして夫婦ともども殺害されたのだという。そこが開かずの間となっている座敷だった。その後、何度か人が入ったのだが、幽霊を見るものが続出。おかげで借りるものがいなくなり、地主である清左衛門がただ同然で、以前、出入りの植木屋の親方だった伊平次に貸しているのだった。
清左衛門が帰った後、品物をより分けていた太一郎は、一振りの刀を見つける。それを抜いた途端、無闇に人が斬りたい衝動に駆られるが、すぐに我に返った。そこに現れた佐竹伝八郎という侍に乞われ、その刀を売った太一郎。
後で伊平次に訊くと、田所町の宮越礼蔵という浪人が売ったものだという。そんな中、このところ辻斬りが現れるとい噂を峰吉が聞いてきて……『鈍刀が切る縁』、
巳之助が、馴染みである長谷川町の源兵衛店の長屋に行くと、これまで見たことにない娘に出会う。彼女は小間物問屋に住み込みで働いていたが、ここに住む母が病に倒れてからは通いで働いていた。その後、母は病で亡くなり、彼女は片付けの最中だった。そんな彼女に惚れた巳之助は、皆塵堂なら何でも買ってくれると紹介。ところが彼女が差し出したのは、一枚の櫛。嫌な男からむりやり贈られたものだという。
伊平次からどんな娘か見て来いと言われ、長屋に出かけた太一郎。そこにいた婆さん曰く、そこは首吊りがあった部屋だという。そこへ地主の倅だという吉三郎という若い男が現れ……『その娘はやめておけ』、
蝋燭ではなく油皿を使った百物語をしたことがあるという、清左衛門の言葉の嘘を見抜く伊平次。
彼は、十年前に仲間と向島の幽霊屋敷で肝試しをしたことがあり、小さな皿に百本の灯芯を入れて危うく火事になるところだったという。
その屋敷は今では何故か猫が集まり、幽霊屋敷ではなく猫屋敷と呼ばれているという。そんな屋敷に出かけることになり、出発した伊平次、太一郎、巳之助。
彼らが出た後、店に残された清左衛門の前に現れたのは、重松。太一郎は五歳の頃まで、向島に住んでいたが、十八年前に起きたある出来事が原因で引っ越したのだという。その出来事が、彼が水や猫を嫌う理由であり、幽霊を見ることになった理由。その経緯について重松は清左衛門に打ち明ける……『猫屋敷に棲むもの』の5編収録の連作短編。

一度は外に出されながら、結局家業の道具屋を継ぐことになった太一郎が、修行に出たのは、何でも買い取ってしまう古道具屋・皆塵堂。口では否定しながらも幽霊を見てしまう彼が、店に持ち込まれた品にまつわる怪に出会う怪異譚。
それぞれの話は割とあっさりとした決着。どちらかというと太一郎の過去の話の方がメインかも。

<11/4/16>