黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『きことわ』朝吹真理子(新潮社)

2011-04-01 | 読了本(小説、エッセイ等)
幼い日の貴子は、毎年夏になると、母・春子、叔父・和雄と共に、住んでいた逗子の家からバスで二十分ほどかけて、葉山町の坂の上にある、別荘を訪れていた。
この別荘の管理人として働く母・淑子に連れられ、貴子が生まれる前から別荘に来ていた永遠子。
7歳違いのふたりは、まるで姉妹のように夏の日々をそこで過ごしたが、1984年…永遠子15歳、貴子8歳の年…、春子が亡くなり、貴子がそこを訪れることもなくなった。
それから25年、今では結婚し家庭を持つ、永遠子。件の別荘が取り壊されることになり、母の代わりに手伝う為、そこを訪れた永遠子は、久しぶりに貴子と再会する。その中で思い出される少女時代の記憶……

第144回芥川賞受賞作。
25年ぶりに再会したふたりの話。出来事的にはそれだけで、事件は特に起きません(笑)。
夢と現実の境が曖昧に溶け合う感じが素敵。

<11/4/1>