黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『キッチンぶたぶた』矢崎存美(光文社)

2011-02-13 | 読了本(小説、エッセイ等)
高校三年生の穂積由良は、幼い頃から心臓が悪く、身体が弱いため、入退院を繰り返している。
ある日、“体に悪いもの”を食べたいと、思い立った由良。そこから連想した油ギトギトなイメージのナポリタンを食べるべく、病室を抜け出し、一軒の洋食屋<キッチンやまざき>に辿りつく。予想に反して美味しい料理と意外な料理人(?)・山崎ぶたぶたに、店に日参する由良だったが……『初めてのお一人様』、
鼻に、何ともいいようのない臭いがしみついてしまった雪屋映一。
食事を餌のように感じていた彼は、忠告を受け、食事を意識して食べる努力をする中で、これまで食べものの味もわからず何も感じていないことに気づいた。
そんな彼は、スポーツクラブのサウナでいつも勝負しているぶたぶたが、洋食屋を営んでいることを知り、彼の店に行く……『鼻が臭い』、
プリンに目のないOL・成島京香。
会社の昼休みに、食堂で小耳に挟んだ噂のプリンを求めて、<キッチンやまざき>へやってきた。しかしメニューにも載っていない上、いつ作るのかも決まっていないそのプリンになかなか出会えず、食べたさ故にこの街に引っ越すことに……『プリンのキゲン』、
大学生になり、アルバイトをしようと決めている辻若葉。
そんな中、<キッチンやまざき>でアルバイトをしている、隣の町内に住む二つ上のいとこ・検見川菜子が風邪を引き、土曜日に行なわれる桜祭りに、出店する際のピンチヒッターを頼まれた。
その前にと、店に下見に行くと、どうやら主人が“誘拐”されたらしい、という場面に遭遇。成り行きでその行方を追うことになり、街の人々に話を訊いて歩くが、その証言はどこかちょっと変わっていて……『初めてのバイト』の4編収録の連作短編集。

シリーズ十二作目。今回は洋食屋さんのぶたぶたさん♪
出てくる料理がどれも美味しそうで、近くにあったら是非食べに行きたいところです(しかもぶたぶたさんが料理をするところが見れるなんて!想像するだに楽しすぎ/笑)。

<11/2/13>