黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『東京バンドワゴン』小路幸也(集英社)

2006-05-22 | 読了本(小説、エッセイ等)
東京下町で創業明治18年の古書店・東亰バンドワゴンを営む堀田家は、3代目店主で、79歳ながらまだまだ現役の堀田勘一を中心に、伝説のロッカーだった息子・我南人。画家をしつつ古書店の隣でカフェを営む我南人の長女・藍子。藍子の12歳の娘・花陽。フリーライターをしながら、店を手伝う我南人の長男・紺。藍子と共にカフェを切り盛りする紺の妻・亜美。紺と亜美の10歳の息子・研人。プレイボーイな旅行添乗員で我南人の次男(藍子たちとは母が違う)・青の、4世代8人が暮らす大家族。
そんな彼らが出会う小さな謎と四季のお話を描いた連作短編集。
春。ある朝、勘一は見慣れぬ百科事典の存在に気付く。しかも2冊だけ。しかし夜見た時にはその事典は消えていた。
そんな中、研人が店に出入りする1年生の少女の存在に気付き……『百科事典はなぜ消える』、
夏。知人の葬儀に出席して以降、藍子の様子がおかしい。そんな中、いつものごとく現れた、青目当てへの女性客。牧原みすずという名乗る彼女は、青との結婚を望み、住み込みで店を手伝いたいという。いつもなら追い返してしまうところだが……『お嫁さんはなぜ泣くの』、
秋。岐阜の廃業した旅館から古本買取を依頼され、出かけた紺。ところが、値段をつけ終えた翌日、古本と共に依頼主の姿が消えていた。
一方、店から老人ホームへ貸し出していた古本のうちの1冊を持って、おばあさんが一人姿を消したという。その本は、既にこの世を去っている女流作家のエッセイ集で……『犬とネズミとブローチと』、
冬。青の結婚式間近に迫ったある日。藍子は、我南人以外、誰も知らない青の本当の母について尋ねる。
そんな中、近所の神社の神主・康円が、勘一の父が遺したらしい書き込みのある本を持ってやってきた。そこには「冬に結婚するべからず」と書かれており……『愛こそすべて』を収録。

語り手が、勘一の亡くなった奥さんであるサチさん(の幽霊?)で、ほのぼのとした感じ。それが作品の古き良きホームドラマ的な雰囲気に合っていてとても良いです♪
これ1冊で終わってしまうのは勿体無い人たちなので、是非続編をお願いしたいですvv

<06/5/22>