ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

韓国を特別扱いすべきでない~李相哲氏

2019-09-02 13:45:09 | 国際関係
 7月4日、わが国政府は、韓国への半導体材料の輸出管理の強化を開始した。これに対し、韓国はWTOに訴えたが、相手にされず、日本が韓国をいわゆる「ホワイト国」(グループAに名称変更)から除外すると、韓国も日本を除外する決定をした。これに続いて、韓国は、8月22日にGSOMIAの破棄を発表した。輸出管理の強化やホワイト国除外への韓国の反発が、安全保障の問題にまで突き進んだものである。
 わが国は長年、韓国に対して常に弱腰であり、根拠のないことで謝罪を重ね、土下座外交を繰り返してきた。安倍政権になって、ようやく少しづつまともな対応をするように変化しつつある。このたび、戦略物資の輸出管理の強化とホワイト国除外を決めたのは、正常化への動きの一部である。在日韓国人の特権問題など、これまでおこなってきた特別扱いをやめ、普通の二国間関係に修正していくべきである。
 朝鮮系の元中国人で日本に帰化した李相哲氏(龍谷大学教員)は、8月「韓国を特別扱いすべきではない。戦後、日本は償いの気持ちもあって韓国を特別視してきた節はあった」「このような特別な扱いが日韓関係に甘えの構造をつくってしまったのは事実だ。日韓関係を本当に成熟した普通の2国間関係にするにはこのような甘えの構造をなくし、普通の大人の関係をつくるのが大事だ。その第一歩が「ホワイト国」から韓国を除外することではないか」と。
以下は、李氏の記事の全文。

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●産経新聞 令和元年8月6日

“韓国除外”は関係正常化の一歩 龍谷大学教授・李相哲
2019.8.6

≪親日か反日か選択迫る≫
 日本政府が「ホワイト国」(グループA)のリストから韓国を外す政令改正を決めたことについて、文在寅大統領は「加害者である日本が盗っ人猛々(たけだけ)しく、むしろ大きな声で騒ぐ状況だ。絶対座視しない」と対抗姿勢を鮮明にした。
 文氏はここに至っても、いつもの通り、今般の日本の措置がなぜ、どこに問題があるかという認識は示さずに、加害者であるはずの日本が、韓国にこんなことをしていいのかという感情論に打って出た。
 文氏はこれまで1592~98年の文禄・慶長の役で日本水軍を破ったとされる民族の英雄、李舜臣(イスンシン)に言及、徹底抗戦の構えをみせてきた。追随するかのように権力中枢にいる公務員、与党・共に民主党の幹部らは反日世論喚起に躍起になっている。
 元ソウル大学教授で司法部門を統括する大統領府民情首席秘書官だった曹国(チョ・グク)氏(7月26日に辞任)は、連日フェイスブックを利用して「反日」を呼びかけた。「こんな状況で重要なのは進歩・保守、左・右ではなく愛国か利敵かだ」(18日)、「大法院判決(最高裁が日本企業に賠償金支払いを命じた判決)を否定、非難、歪曲(わいきょく)、罵倒する韓国人は当然ながら『親日派』と呼ばざるをえない」(21日)と選択を迫っていた。
 「ホワイト国」から除外するのは韓国に物を売らないという意味ではなく、韓国に輸出された物資が行方不明なケースが散見され、問題点を指摘しても平常心をもって話し合うことすらできないので、これからはこのような物資をどこへ持っていくつもりか、何に使うのかを「申告」してほしいと通告したのだ。中国や台湾、ASEAN諸国の場合もこのような「申告」をすることになっている。
 ところが、文政権は韓国だけは特別扱いをしなければならないと主張する。文氏は「(今般の措置は)韓国経済の成長を阻むためのもの」とみて、「日本のそのような(成長を阻む)意図は決して成功しないだろう。結局、日本経済により大きい被害があることを警告しておく」と脅しに聞こえる言葉まで口にしている。

≪普通の関係築く3つの提言≫
 この際、日本は韓国と普通の国家関係を築くためにもとりあえず以下3つのことをやるべきだ。
 まず、日本は「過去」を引きずるべきでない。過去を忘れろという意味ではない。文政権になって日韓関係が破局寸前の状態に至ったのは一言でいえば、文氏が「過去」を引きずり、解決したはずの過去史までを蒸し返したからだ。
 今年2月、文氏は「親日を清算(奇麗になくす)するのが正義の国へと前進する出発だ」と言った。この言葉だけでも文氏がいかに偏った歴史認識を持っているかがわかる。「親日」を「不義」と考える点だ。韓国と日本は戦後自由民主主義の価値を共有する友邦ではなかったのか。戦前の日本と戦後の日本を同一視しているか、混同しているとしか思えない。そして「親日」勢力は排除(清算)しようとする考えだ。過去史を引きずることなく日本と付き合おうとする多くの自国民を「親日」と決めつけ排除しようとする点だ。
 文氏のようにこれまで韓国では「過去史」をテコに反日を正当化し反日こそ正義かのように国民感情をあおり、反日を政治に利用するあしき慣行があったが、この際それを断ち切るべきではないか。

≪特別扱いすべきではない≫
 次に、争いを避けない。韓国はこれまで日本との間に紛争が起こった時、事実関係を争うのではなく、論点を歴史問題にすり替えるか、「被害者」になりきって国際世論に訴える手段に頼ってきた。今回も真っ先に打ち出した解決策は米国に仲裁を働きかけることだった。そして世界貿易機関(WTO)で訴え、この事案とは関係のない、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の事務レベル会合でも日本の不当性を訴え、国際的な支持を得ようとしている。いまのところ、文政権が事実関係を確認し、日本の意図を理解しようとする気配は一切見えない。日本は、事実関係を争うことはやめるべきではない。
 最後に、韓国を特別扱いすべきではない。戦後、日本は償いの気持ちもあって韓国を特別視してきた節はあった。多くの経済人が韓国経済を底上げするのに力を貸した。韓国の製鉄、自動車、電機・半導体産業の発展に日本の協力がなかったら、韓国の奇跡的な経済発展はなかったのではないか。そのような事実についても日本は遠慮なく指摘し、主張すべきだ。
 残念ながら韓国はいま日本にとっては特別な国ではなくなった。韓国経済がそれくらい大きくなったことを意味するものでもあるが、このような特別な扱いが日韓関係に甘えの構造をつくってしまったのは事実だ。
 日韓関係を本当に成熟した普通の2国間関係にするにはこのような甘えの構造をなくし、普通の大人の関係をつくるのが大事だ。その第一歩が「ホワイト国」から韓国を除外することではないか。(り そうてつ)

●=恵の心を日に
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