日本人としての誇りを育てる教育を実行するには、歴史教育を改めることが必要だと書いた。その中で最大のポイントとなるのは、皇室について教えることだと私は思う。
日本文化をよく知る外国人の中には、日本の最大の特徴として、皇室の存在を挙げる人が多い。彼らには、これは大きな驚きなのである。古代から今日まで王室がずっと続いているということなど、彼らの国では考えられないことだからである。
わが国の皇室は、古代から今日まで、一筋の家系で続いている。その起源は、神話の時代にさかのぼる。神話の中に現れる神を祀る神社が現存し、多くの人々が参拝し、今日も祭りが行われている。また、その神話の神が、皇室の祖先として信じられている。その神の子孫が、現代に生きており、国の象徴として仰がれている。これは日本人が誇りとすべき随一のものである。
国柄についての事実を教えることが、日本人としての誇りを育てる。そして重要なことは、皇室について触れなければ、日本の国のことも、日本の歴史についても、肝心なことは伝わらないということである。
私はこの春休みに、名古屋周辺の小学生に、日本の話をする機会があった。
最初に「日本」という国の名前について話した。「日ノ本」という名は、太陽の下の国という意味である。そこで、「日の丸」の旗を見せると、太陽をかたどったものであることは、みな知っている。しかし、国の名前と国旗が、同じく太陽を表していることは知らなかった。
「日の丸」が世界の国旗のうち、一番古い旗であると言うと子どもたちは驚きを示す。「日の丸」は古くから天皇が使っていた。戦国武将にも愛用された。幕末に西洋から外国の船がたくさん来るようになったとき、日本の船のしるしとすることになった。それが、国の旗として使われるようになった。
次に、「君が代」について訊いてみた。子どもたちは最近、卒業式で歌ったと言う。学校で練習をしたとも言う。「この歌はどういう意味の歌か、教えてもらったかな」。歌の意味については、誰も習っていない。意味も分からずに歌っているわけだ。そこで、歌詞を板書して説明した。
「君」とは、天皇のことを意味する。「千代に八千代に」とは、いつまでもいつまでもという意味である。「さざれ石」の話しをすると、子どもたちはとても興味を示した。小さい石が寄り集まって大きな岩に成長するという不思議に、いきいきした反応が返ってくる。その後、伴奏入りのCDを使って、歌唱練習。私が大きな声で歌うと、みんなの声も大きくなる。
こんな風に進めながら、次に天皇について質問した。「日本の最初の天皇は誰かな」。知っている子は、誰もいない。「じゃあどんな名前の天皇がいただろうか」と訊くと、まず聖武天皇があがった。修学旅行で奈良の東大寺に行ったという子だった。
最初の天皇は、神武天皇という、と板書して、振り仮名を振る。日本では神武天皇に始まって、いまの天皇まで、ずっと一つのお家が天皇を受け継いで続いている。そういう国は、世界中探しても他にない。世界一だ。子どもたちの目がきらめく。
「いったい何年くらい、続いているのだろう」と訊く。私は、よく三択式のクイズを出して、手を挙げさせる。5百年と2千年以上の二つに分かれた。どういうわけか、千年という子はいない。「正解は2千年以上」と言うと、500年に手を挙げた子は、「エーッツ」と驚きの声を上げる。
ここで、歴代天皇の系図を見せた。今回は神社本庁が出している『皇室典範改定 本当にこれでいいのですか』というチラシを使った。1枚の紙に125代の天皇の系図を載せ、継承関係までわかるように描いている優れものだ。子どもたちは、食い入るように系図を見る。神武天皇と今上天皇の書いてある場所を確認し、その間が、ずっとつながっていることを確認した。「すげー」「ほんとだ」という声が上がる。
その後、「天岩戸」と「ヤマタノオロチ」のビデオを見せ、名古屋あたりにゆかりの深い日本武尊(やまとたける)の話しをした。オロチの尻尾から出てきた剣、タケルが草をなぎ倒した剣が、いまも熱田神宮に祀られている。小学校2年生の女の子までが目を丸くして驚いていた。みなこういう話に、興味津々なのである。
子どもたちに日本の国の話しをすると、子どもたちが実に生き生きした反応を示す。目が輝く。私はそれを何度も体験している。子どもたちには、自分の国のことについて、また先祖のことについて知りたい、という本能のようなものがあるのではないか。私は、そう思っている。
特に日本は皇室の存在を一大特徴とする国であることを教えること。そのことが、日本人の誇りを取り戻し、また青少年に誇りを育てる重要なポイントだと思う。
学校で教えてくれないと嘆くばかりではいけない。お子さんのいる人は、日本の国のことを、自分の子どもに話してみていただきたい。地域の子どもに接する機会のある人は、子どもたちに話してみていただきたい。話しをする自分の方も、大きな感動を味わうに違いない。
次回に続く。
■追記
・本稿を含む拙稿「日本人の誇りを育てる教育」は、下記に掲載しています。
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/opinion02d.htm
日本文化をよく知る外国人の中には、日本の最大の特徴として、皇室の存在を挙げる人が多い。彼らには、これは大きな驚きなのである。古代から今日まで王室がずっと続いているということなど、彼らの国では考えられないことだからである。
わが国の皇室は、古代から今日まで、一筋の家系で続いている。その起源は、神話の時代にさかのぼる。神話の中に現れる神を祀る神社が現存し、多くの人々が参拝し、今日も祭りが行われている。また、その神話の神が、皇室の祖先として信じられている。その神の子孫が、現代に生きており、国の象徴として仰がれている。これは日本人が誇りとすべき随一のものである。
国柄についての事実を教えることが、日本人としての誇りを育てる。そして重要なことは、皇室について触れなければ、日本の国のことも、日本の歴史についても、肝心なことは伝わらないということである。
私はこの春休みに、名古屋周辺の小学生に、日本の話をする機会があった。
最初に「日本」という国の名前について話した。「日ノ本」という名は、太陽の下の国という意味である。そこで、「日の丸」の旗を見せると、太陽をかたどったものであることは、みな知っている。しかし、国の名前と国旗が、同じく太陽を表していることは知らなかった。
「日の丸」が世界の国旗のうち、一番古い旗であると言うと子どもたちは驚きを示す。「日の丸」は古くから天皇が使っていた。戦国武将にも愛用された。幕末に西洋から外国の船がたくさん来るようになったとき、日本の船のしるしとすることになった。それが、国の旗として使われるようになった。
次に、「君が代」について訊いてみた。子どもたちは最近、卒業式で歌ったと言う。学校で練習をしたとも言う。「この歌はどういう意味の歌か、教えてもらったかな」。歌の意味については、誰も習っていない。意味も分からずに歌っているわけだ。そこで、歌詞を板書して説明した。
「君」とは、天皇のことを意味する。「千代に八千代に」とは、いつまでもいつまでもという意味である。「さざれ石」の話しをすると、子どもたちはとても興味を示した。小さい石が寄り集まって大きな岩に成長するという不思議に、いきいきした反応が返ってくる。その後、伴奏入りのCDを使って、歌唱練習。私が大きな声で歌うと、みんなの声も大きくなる。
こんな風に進めながら、次に天皇について質問した。「日本の最初の天皇は誰かな」。知っている子は、誰もいない。「じゃあどんな名前の天皇がいただろうか」と訊くと、まず聖武天皇があがった。修学旅行で奈良の東大寺に行ったという子だった。
最初の天皇は、神武天皇という、と板書して、振り仮名を振る。日本では神武天皇に始まって、いまの天皇まで、ずっと一つのお家が天皇を受け継いで続いている。そういう国は、世界中探しても他にない。世界一だ。子どもたちの目がきらめく。
「いったい何年くらい、続いているのだろう」と訊く。私は、よく三択式のクイズを出して、手を挙げさせる。5百年と2千年以上の二つに分かれた。どういうわけか、千年という子はいない。「正解は2千年以上」と言うと、500年に手を挙げた子は、「エーッツ」と驚きの声を上げる。
ここで、歴代天皇の系図を見せた。今回は神社本庁が出している『皇室典範改定 本当にこれでいいのですか』というチラシを使った。1枚の紙に125代の天皇の系図を載せ、継承関係までわかるように描いている優れものだ。子どもたちは、食い入るように系図を見る。神武天皇と今上天皇の書いてある場所を確認し、その間が、ずっとつながっていることを確認した。「すげー」「ほんとだ」という声が上がる。
その後、「天岩戸」と「ヤマタノオロチ」のビデオを見せ、名古屋あたりにゆかりの深い日本武尊(やまとたける)の話しをした。オロチの尻尾から出てきた剣、タケルが草をなぎ倒した剣が、いまも熱田神宮に祀られている。小学校2年生の女の子までが目を丸くして驚いていた。みなこういう話に、興味津々なのである。
子どもたちに日本の国の話しをすると、子どもたちが実に生き生きした反応を示す。目が輝く。私はそれを何度も体験している。子どもたちには、自分の国のことについて、また先祖のことについて知りたい、という本能のようなものがあるのではないか。私は、そう思っている。
特に日本は皇室の存在を一大特徴とする国であることを教えること。そのことが、日本人の誇りを取り戻し、また青少年に誇りを育てる重要なポイントだと思う。
学校で教えてくれないと嘆くばかりではいけない。お子さんのいる人は、日本の国のことを、自分の子どもに話してみていただきたい。地域の子どもに接する機会のある人は、子どもたちに話してみていただきたい。話しをする自分の方も、大きな感動を味わうに違いない。
次回に続く。
■追記
・本稿を含む拙稿「日本人の誇りを育てる教育」は、下記に掲載しています。
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/opinion02d.htm








我が子たちも日本の話が大好きで、身を乗り出して目を輝かせて聞いています。
また自分の祖父母や曾祖父母の話も好きです。
>子どもたちには、自分の国のことについて、また先祖のことについて知りたい、という本能のようなものがあるのではないか。
と思うこと、私もよくあります。
>我が子たちも日本の話が大好きで、身を乗り出して目を輝かせて聞いています。
また自分の祖父母や曾祖父母の話も好きです。<
素晴らしいことをなさっていますね。
親やおじいさん、おばあさん、ひいおじいさん、ひいおばあさんの話しを聞いて成長できる子供さんは、幸せだと思います。
>>子どもたちには、自分の国のことについて、また先祖のことについて知りたい、という本能のようなものがあるのではないか。
と思うこと、私もよくあります。<
「本能のようなもの」と書いたのですが、人間の本能のかなりの部分は、成長と共に自動的に発現するのではなく、その段階段階で、後天的にDNAのスイッチが入っていくような仕組みになっているのではないかと思います。
私は、国のことや先祖のことを聴き知る体験は、なにかそういう後天的本能発現にかかわる体験なのではないか、と想像しています。そして、こうした体験を欠く人は、人格形成の大切な要素を発揮できないまま自己形成が進んでしまうのではないかと思います。
そして子供達に話をしていくうちに、そういえば祖父も立派な人だったと思い出し、では私たちの先祖である昔の日本人は?とだんだんに広がってきたのです。
私たちは今外国に住んでいますが、子供達は日本人であることを誇りに思い、日本の慣習などを笑われたりしても決して動じない子達になっています。どんな環境でも強く生きていくには、「自分はどこから来た何者なのか」をよく知っていることが必要だと実感しています。
>私が子供達に先祖や日本のことを伝えなければ・・・と思ったのは、父の死がきっかけでした。父からは大切なことをいろいろと教わってきたのに、これを一代で終わらせてはならないと考えたからです。つまり私の方にスイッチが入ったのですね。<
感動しました。
>そして子供達に話をしていくうちに、そういえば祖父も立派な人だったと思い出し、では私たちの先祖である昔の日本人は?とだんだんに広がってきたのです。<
とても自然な、そして本来、私たち誰もがそうあるべき広がり方だと思います。
>私たちは今外国に住んでいますが、子供達は日本人であることを誇りに思い、日本の慣習などを笑われたりしても決して動じない子達になっています。どんな環境でも強く生きていくには、「自分はどこから来た何者なのか」をよく知っていることが必要だと実感しています。<
素晴らしいことだと思います。是非そのような子育て、教育をお続けになってください。
日本人は外国に定住して世代をかさねると、ルーツを失い、国語を失い、文化を失っていきがちだと聞きます。子供や子孫が、根無し草の精神的漂流者になってしまうのは悲しいことです。そうならないためには、先祖や祖国に誇りをもてるような話しを、親が子供に語り、聴かせることが、最も大切だと思います。