ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

文在寅は日米に背き、北朝鮮との合体を目指す5

2019-09-19 10:21:42 | 国際関係
●最大の問題は、GSOMIA破棄

 韓国政府は、8月22日に軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を発表した。大統領府国家安保室の金有根第1次長が、日本政府が「ホワイト国」からの韓国除外を決めたことを挙げ、「両国間の安保協力環境に重大な変化をもたらした」と指摘し、協定維持が「われわれの国益にそぐわないと判断した」と主張した。日本はもとより、米国にも、そして韓国内にも衝撃が走った。
 GSOMIA(General Security of Military Information Agreement)は、主に北朝鮮等の脅威に対応することを想定して、日韓双方が機密情報をやり取りする際のルールを定めたものである。日韓の間で軍事に関する秘密情報を提供された場合、その情報を他国に漏らさないということを約束するものである。
 GSOMIAは、事実上日米韓の枠組みである。日米と米韓はそれぞれ軍事同盟を結んでいる。だが、日韓には同盟関係がない。米国としては、日韓の間にGSOMIAを結ばせることで、3カ国の連携を強化しようとしたものである。韓国は、アメリカからの強い要請を受けた朴槿恵大統領が2016年11月に締結した。効力は1年間で、以後毎年更新されてきた。GSOMIAには、なにより日米韓の連携のシンボル的な意味がある。
 今回韓国は、このGSOMIAを破棄するという衝撃的な発表をした。だが、これは、突然の決定ではない。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、就任初期にGSOMIAの見直しを政策に揚げていた。親北容共の文政権は、北朝鮮との統一国家を目指しており、そのためには日本との安全保障の相互関係を切る必要があると考え、時期と内外の状況を見て、GSOMIAの破棄に至ったものだろう。
 わが国政府の輸出管理強化、日本が韓国を「ホワイト国」から除外、これに対抗して、韓国も日本を除外という展開の過程で、韓国ではGSOMIA破棄を求める声が上がった。すると、北朝鮮は、メディアで日本とのGSOMIAは「売国協定、戦争協定」だと主張し、GSOMIAの維持を訴える韓国の野党を「親日売国逆賊」だと非難し、韓国の保守派糾弾に利用した。韓国の親北団体はこれに呼応し、反日・反安倍デモで「GSOMIA破棄」を主なスローガンにしてきた。文政権は、もともとGSOMIAを見直し、破棄する方針を持っていたが、文政権の背後にいる北朝鮮と韓国内の親北勢力の動きを見て、破棄を決定したと見られる。
 韓国のGSOMIA破棄の狙いは三つという説がある。韓国大統領府の事情に精通した韓国の関係者の見方として、JBpressの近藤大介氏が伝えた。

(1)反日を利用して自らの政権のスキャンダルを回避すること。後継者・曹国(チョ・グク)氏のスキャンダル(娘の高麗大学不正入学、奨学金の不正受給、息子の兵役5度延期、家族による投資への疑惑等)を緩和するため。
(2)北朝鮮の金正恩政権に対して、恩を売ること。北朝鮮の暴発(短距離ミサイル発射等)を喰い止め、再び韓国側に振り向かせ、韓国の真の敵は北朝鮮ではなく日本であることを、北朝鮮に認めさせるため。
(3)八方塞がりの韓国経済をV字回復するため、韓国の輸出の25%を占める中国を振り向かせること。THAADは撤去できないので、その代わりに中国を喜ばすため。
http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%e9%9f%93%e5%9b%bdgsomia%e7%a0%b4%e6%a3%84%e3%81%ae%e7%8b%99%e3%81%84%e3%81%af%e9%86%9c%e8%81%9e%e9%9a%a0%e3%81%97%e3%81%a8%e5%aa%9a%e6%9c%9d%e3%83%bb%e5%aa%9a%e4%b8%ad/ar-AAGeH8i?ocid=iehp

 この三点にないもの。それは、韓国が日米と連携して、朝鮮半島とアジアの自由と平和を守るという意志である。文在寅大統領は、共産中国の後ろ盾で北朝鮮との統一を目指しており、その実現のために政権の継続と長期化を目論んでいる。北朝鮮等への戦略物資の横流しをしてきたと見られる文政権は、今回、GSOMIAの破棄によって、日米の側から中朝の側に移るという旗色を鮮明にしたと言えよう。これを最も喜んでいるのは、中国共産党政府である。
 GSOMIA破棄について、わが国の政府や安全保障の専門家の多くは、わが国への影響はほとんどないと言っている。協定の締結後、日韓双方の情報提供は29回行われた。すべて北朝鮮のミサイルに関するもので、電波情報や情報収集衛星の画像のやりとりがされてきた。わが国は北が打ち上げたミサイルを発射から着弾まで、すべての情報を収集・獲得している。一方、韓国は発射から途中までしかデータを得られない。とりわけ北朝鮮は5月以降、繰り返し日本海に向けて短距離弾道ミサイルを発射している。超大型の多連装ロケット砲も発射した。北のミサイル技術は、低高度で飛行するなど高度化している。日本よりも韓国にとって、日韓の情報共有は有益である。それゆえ、GSOMIA破棄は、韓国側のほうがデメリットが大きい。
 これとは異なる情報もある。日本経済新聞は8月24日の記事で、韓国の情報機関、国家情報院の幹部が定期的に北京を訪れ、日本や米国が提供した機密情報を中国に漏らしているようだと報じた。これが事実であれば、韓国・文政権は、もともと日米と連携して中朝に対峙する意思はなく、日米から得た情報を中国に流すというスパイ行為を行なってきたことになる。
 だが、米国政府のポンペオ国務長官、エスパー国防長官は、韓国のGSOMIA破棄に「失望した」と語った。北朝鮮は核・弾道ミサイルの開発を進めて来た。その後ろ盾には中国がある。ロシアも東アジアでの影響力拡大を図っている。こうしたなかで、韓国がGSOMIAを破棄することは、対北・中・露の日米韓の軍事的連携に重大な支障が生じる恐れがあるとして、トランプ政権は懸念を強めている。現在有効のGSOMIAは11月23日以降に破棄されることになる。米国は、韓国に協定の破棄をやめて更新するよう求めて、働きかけを続けている。

●曹国氏の疑惑追及と親北左翼革命の阻止

 韓国内にも、GSOMIA破棄を批判する動きがある。8月23日、GSOMIA破棄を批判し、文在寅大統領の退陣を求める保守派の集会が数万人規模で行われた。文大統領が自らの後継者と画策する曹国(チョ・グク)氏のスキャンダルへの批判がらみだった。文氏は曹氏を次期法務部長官(法相)に指名し、来年4月の総選挙までに警察・検察改革を断行し、保守派の政敵たちを一網打尽にし、選挙後に曹氏に政権を引き継ぎ、自分はキング・メイカーの座に着く考えと見られた。これが実現すれば、韓国に媚中親北の左派長期安定政権が誕生することになる。それゆえに、保守派は大統領を強く批判し、曹氏の疑惑を厳しく追及している。しかし、文大統領は9月9日曹氏の法相指名を強行した。現在、検察は曹氏の疑惑への捜査を進めており、妻や娘、親戚に続いて本人にも捜査が及んでいる。いくつもの法に違反するとして立件される可能性が高くなっている。
 曹国法相は、自身の疑惑を追及されながらも、警察・検察改革を進めようとしている。警察・検察改革は、表向きは強大な警察・検察の権力を縮小しようとするものである。韓国の警察・検察は、でっち上げによる捜査・起訴等が多く、その横暴が批判されてきている。それゆえ、一面では民主化を進める取り組みのようだが、真の目的は、文大統領が退任後、歴代大統領のように起訴・有罪とされないように、司直の牙を抜くことにあると見られる。親北左翼勢力にとっては、司直の牙を抜くことで、自分たちの活動を思うように行えるようになる。そういう極めて政治的な闘争が行われていると見られる。もっと言えば、韓国で、国家権力による親北左翼革命を合法的に強行するために、この警察・検察改革の成否が決定的に重要なのだろう。それゆえ、文大統領は、いかに疑惑が噴き出ていようとも曹国氏の法相指名を強行し、曹氏に警察・検察改革をやらせようとしていると見られる。曹氏が法相の権限で、自身に関わる検察の動きを強引に封じる可能性もある。逆に、韓国の保守派にとっては、ここで曹氏を退任に追い込まないと、文=曹親北左翼政権による親北左翼革命を許すことになってしまう。
 文在寅大統領については、朝鮮労働党の秘密党員であるという疑惑が出ている。ジャーナリストの篠原常一郎氏は、文氏が朝鮮労働党に忠誠を誓った誓詞文を入手したとして、これを公表した。その誓詞文には、有事には軍および警察の武器庫を襲撃し、南朝鮮の国軍、警察、情報機関を襲撃する旨がと記されている。詳しくは、次の項目に書く。曹氏も、革命を行なう時には、反対派を200万人殺害すると発言していると伝えられる。文氏・曹氏は、日本でいえば、武装闘争を行なう共産党員に近い左翼の闘士である。民主的な政治家として政権に就き、合法的に獲得した権力を振って、革命を進める。そういう目的を持って、親北左翼革命を強行しようとしていると見ることができる。彼らが、日米に背いてGSOMIAを破棄するのは、その点で、当然の行為といえる。

 次回に続く。

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