ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

香港と韓国の危機を見すえて、日本再建を加速すべし1

2019-10-29 09:33:01 | 国際関係
 日本を取り巻く東アジアは、南と北で大きく揺れ動いており、わが国は厳しい国際環境に立たされている。この状況を踏まえて、日本の再建を加速しなければならない。

1.香港の現在は明日の台湾、将来の日本

 現在、香港で自由と民主化を求める運動が行われている。もし香港が中国共産党に完全に支配されたら、次は台湾である。台湾も「一国二制度」を導入すれば、いずれ香港のようになる。その次は、日本である。中国は、沖縄や北海道を支配しようと、様々な動きを見せている。
 香港を対岸の火事として他人事のように見ていてはならない。現在の香港は明日の台湾、そして将来の日本と考えるべきである。
 香港は、100年間、イギリスの租借地だった。1997年に香港が中国へ返還される際、中国共産党は「一国二制度」を掲げ、香港は高度な自治と独立を認められた特別行政地区となっている。2047年までという期限がある。
 中国共産党は、香港の法律を少しづつ改正して、実質的な支配を強めてきた。香港のトップを行政長官という。林鄭月娥長官は、中央政府の意思に従って、本年、「逃亡犯条例」の改正案を立法院(国会に当たる)に提出した。
 条例案が成立すると、共産党が逃亡犯と決めつけた人物は、誰であれ、本土の共産党政府に引き渡されることになる。逮捕された人間は、本土で一方的な裁判にかけられ、断罪される。香港の司法の独立がなくなり、なし崩し的に香港の自治権が奪われていくだろう。
 そこで「逃亡犯条例」の改正案等をめぐって、本年6月から香港の民衆による抗議活動が拡大した。多くの香港市民が改正案に反対を表した。これは、中国共産党に支配され、自由が奪われることへの恐怖による抵抗である。
 中国共産党政府は、これを実力で鎮圧しようとしている。香港は「一国二制度」とは言え、あくまで中国共産党の支配下にある。警察で抑えきれなければ、軍隊を投入して、武力で鎮圧する構えである。しかし、民衆は、共産党政府の威嚇に屈せず、100万人規模の抗議活動を続けた。その結果、9月初め林鄭月娥行政長官が逃亡犯条例改正案の正式撤回を表明した。民主派の最大要求が通った。しかし、民主派は、行政長官の直接選挙、警察当局の暴力に対する独立調査委員会の設置等の「5大要求」を掲げて、その実現を求めている。これに対し、香港では警察による一般市民への暴行が日常化している。中国共産党は、恐怖政治で民主化運動を抑え込もうとしている。
 10月1日、共産中国は、建国70年を祝う国慶節の式典と軍事パレードを盛大に執り行った。同じ日、香港特別区では大規模な抗議デモが起き、香港警察が高校生に至近距離から胸を狙って実弾を撃ち、重傷を負わせる事件が起きた。
 これに対し、香港市民の怒りが高まり、抗議のデモが行われる中、香港の行政長官は、10月4日、緊急条例を発動し、覆面を禁止する法律を施行して、香港市民の抗議活動を抑え込もうとした。自由と民主化を求める香港市民は同法に反発し、各地で抗議活動が展開されている。
 香港における民衆運動とこれに対する共産党政権の対応は、台湾の総統選にも大きな影響をもたらしている。中国共産党は台湾にも「一国二制度」の受け入れを迫っている。台湾では「今日の香港は明日の台湾」という危機感が深まって、総統選で独立志向の民主進歩党、蔡英文氏へ支持が増えていると伝えられる。民衆運動と、これへの中国共産党の対応の仕方が、来年1月の台湾の総統選にさらに大きな影響を与えるだろう。
 国際社会は香港の動向を注視している。特に米国では、上下両院の外交委員会で、9月26日香港人権民主法案が全会一致で可決した。同法案は、米国議会の超党派議員が共同提出した。米国は、香港を中国と区別し、関税や査証(ビザ)などで優遇措置を適用してきた。法案は、香港への優遇措置を毎年見直すことを明記し、香港の自治権や人権が守られていないと判断すれば優遇措置を撤廃する。基本的自由を抑圧したりなどの行動をした者については、資産を凍結し、米国への入国を拒否する。香港市民が非暴力的な抗議活動に参加したとして逮捕されたり、拘留されたりしても、それを理由にビザ発給を拒否しないなどとしている。
 10月15日に下院本会議で全会一致で可決した。近いうちに上院本会議でも可決し、トランプ大統領の署名により成立する見込みである。この法案が成立すれば、香港経済に依存する習体制には痛手となる。
 米国は、トランプ大統領や政府高官、連邦議会の有力議員等が、中国共産党政府にけん制や警告を繰り返し発してきた。これに比し、わが国の政府は、安倍首相をはじめ、明確なけん制や警告を発していない。有力国会議員も積極的に発言していない。中国を刺激しないようにしているのだろう。
 だが、日本人こそ、香港及び台湾の現状を踏まえて、今後、長期的に中国共産党からいかにして自由と独立・主権を守るかということについて、真剣に考えて、対処しなければならない。

 次回に続く。

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