ほそかわ・かずひこの BLOG

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中国のG20対米包囲網工作は失敗に終わった~石平氏

2019-07-11 09:42:30 | 国際関係
 6月28~29日、日本で初めての20カ国・地域首脳会議(G20)が大阪で行われた。米中貿易戦争の深刻化、米国とイランとの緊張関係の高まり、イギリスのEU離脱をめぐる混迷等、世界の各地で対立・摩擦が生じている中で、わが国は議長国として、この国際会議を主催した。そうしたなか、わが国は会議を対話と協調の方向へリードし、参加国首脳による一定の合意を成し遂げて、大阪宣言を発することができた。安倍首相は外交手腕を発揮して見事に大任を果たした。
 G20は、全体会議の他、各国首脳間の首脳会議が多数行われる各国外交の駆け引きの大きな舞台ともなった。最も注目されたのは、中国の動きである。その点について、シナ系日本人評論家の石平氏は、産経新聞令和元年7月4日付の記事で、中国の対米包囲網工作は失敗に終わったという見方を述べている。
 石氏は、G20で中国は「用意周到で、大掛かりな多数派作戦を展開した」という。「アメリカのトランプ政権の貿易政策に「保護主義」のレッテルを貼り、自らが掲げる「自由貿易」の旗印の下で参加国を結集させ、G20サミット全体の流れを「反保護主義=反米」へと持っていく工作だ」。
 中国はその外交資源を総動員して、習近平国家主席が自ら先頭に立って大掛かりな多数派工作を進め、「「自由貿易擁護」を旗印にした「対米包囲網」を構築しようと躍起になっていた。しかし結果は必ずしも中国の思惑通りにはなっていない」と石氏は言う。
 その理由は「G20首脳宣言は「自由」「公平」「無差別」「開放的」などの文言で自由貿易の擁護を表明した一方、「反保護主義」を明記することはなかったから、中国が期待する「反保護主義の強烈メッセージ」とは程遠い内容であった」からである。
 しかも、「「自由」「公平」「無差別」「開放的」などの文言は、中国自身の貿易政策に対する批判と牽制(けんせい)であるとも理解できるから、習主席は結局、自らの仕掛けた「対米批判」のブーメランを食らうこととなった」と石氏は述べている。
 石氏は、このような見方から、大阪G20サミットを舞台にした中国の対米包囲網作戦は失敗に終わったと述べている。
 以下は、石氏の記事の全文。

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●産経新聞 令和元年7月4日

失敗に終わった対米包囲網工作――石平・評論家
【石平のChina Watch】

 先月末に大阪で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)を舞台に中国は用意周到で、大掛かりな多数派作戦を展開した。アメリカのトランプ政権の貿易政策に「保護主義」のレッテルを貼り、自らが掲げる「自由貿易」の旗印の下で参加国を結集させ、G20サミット全体の流れを「反保護主義=反米」へと持っていく工作だ。
 サミット開催直前の6月25日、中国外務省の耿爽報道官は「中国は大阪G20が自由貿易擁護・反保護主義の強烈なメッセージを発信することを期待する」と述べ、G20に臨む中国の思惑を明確にした(同26日付人民日報)。
 同じ25日、中国政府系シンクタンク、中国社会科学院などが主催する国際フォーラム「開放型世界経済の共同構築に向けて」が大阪市内で開かれ、その中で中国側の出席者は、「自由貿易の推進役」としての中国の立場をアピールしながら、アメリカの「保護主義政策」を批判したと報じられた。
 同27日、習近平国家主席は大阪に着いた早々、安倍晋三首相との会談に臨み、その中で「大阪G20が多国間主義と自由貿易擁護の明確なメッセージを発することを期待する」と述べた(同28日付人民日報)。
 習主席の発言は前述の耿爽報道官発言とほぼ同じ趣旨だが、中国の国家主席が日本の首相に対してこう述べたことの狙いは明らかに、G20サミット議長国の日本に働きかけて、会議における「反保護主義・反米」の流れを作っていくことにあっただろう。
 そして同28日にサミットが始まると、習主席は全体会議において米国を念頭に「保護主義や一国主義が蔓延(まんえん)し、世界経済のリスクと不確定性が顕著に高まっている」と強調する一方、全体会議の合間に新興国や発展途上国の首脳たちとの首脳会談を精力的に行って、「反保護主義」での結束を演出した(同29日付産経新聞)。
 中国が招集国となって開催された「中国・アフリカ首脳会談」では、習主席は南アフリカのラマポーザ大統領やエジプトのシーシー大統領、セネガルのサル大統領らアフリカの3カ国首脳らと会談。終了後に記者会見した中国外務省の戴兵アフリカ局長によると、各国首脳らは「多国間主義の堅持と自由貿易体制の維持、一国主義と保護主義への反対」を表明したという。
 同じ日に行われた新興5カ国(BRICS)首脳会談でも習主席は、「構成国は多国間主義を揺るぎなく支持し、保護主義に反対しなければならない」と訴えた。
 このようにして、G20サミットにおいて、中国はその外交資源を総動員し、国家主席が自ら先頭に立って大掛かりな多数派工作を進め、「自由貿易擁護」を旗印にした「対米包囲網」を構築しようと躍起になっていた。
 しかし結果は必ずしも中国の思惑通りにはなっていない。6月29日に採択されたG20首脳宣言は「自由」「公平」「無差別」「開放的」などの文言で自由貿易の擁護を表明した一方、「反保護主義」を明記することはなかったから、中国が期待する「反保護主義の強烈メッセージ」とは程遠い内容であった。
 しかも、「自由」「公平」「無差別」「開放的」などの文言は、中国自身の貿易政策に対する批判と牽制(けんせい)であるとも理解できるから、習主席は結局、自らの仕掛けた「対米批判」のブーメランを食らうこととなった。
 大阪G20サミットを舞台にした中国の対米包囲網作戦は失敗に終わったが、今の中国にはそもそも、「自由貿易の旗手」を自任する資格はまったくないのではないか。
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