ほそかわ・かずひこの BLOG

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脳は生涯、発達し続ける~村上和雄氏

2014-10-20 10:30:12 | 人間観
 筑波大学名誉教授の村上和雄氏は、国際的な分子生物学者である。1983年、世界に先駆けてヒト・レニン遺伝子の解読に成功した。村上氏は、人間にはまだわからない『未知の何者か』が遺伝子をコントロールしているとしか思えないとして、人間を超えた「サムシング・グレート」と呼ぶ存在を想定する。
 村上氏は、産経新聞平成26年9月26日付に「脳は生涯にわたり発達し続ける」という記事を書いた。興味深い内容なので、要点を記す。

・脳神経細胞は環境に応じて再配線できる。運動、精神的活動、社会的なつながりが、神経細胞の発展を促す。
・脳はテレビやラジオの受信機のようなものであり、心や意識が真の創造者である。脳は私たちが「できる」と思っていることしかできない。逆にいえば、「できない」と考えていることはできないのだ。
・DNAは単なる設計図にすぎず、それも環境によって書き換え可能な設計図である。生命を支配しているのは、DNAや脳ではなく「人間の意識」である。生命の真の創造者は、人間の意識をも超えた大自然の偉大な働き「サムシング・グレート」である。
・脳に使われるのではなく、脳を上手にコントロールして使うことが肝心だ。そのためには、固定観念を捨て去り、柔軟性を持ってリラックスすること、素直であること、心配しないことなどが大切である。そうすることにより、あらゆる局面を切り開くことが可能になる。
・ヒトにはあるもののチンパンジーにはないという遺伝子は一つもない。ヒトとチンパンジーのゲノムの違いは、遺伝子のオンとオフに関与する配列にある。
・人は心の持ちようを変えることによって、遺伝子のオンとオフを切り替えれば、一生涯進化できる可能性がある。

 脳は生涯、発達し続けるという説は、私自らの体験及び多くの体験者の観察から、正しい説だと考える。人間の脳は、20歳代を過ぎても発達し得る。脳細胞が活性化すると、頭骨が隆起するほどの変化が起こる。この「頭部隆起」という現象を、80歳代、90歳代で体験した人もいる。自閉症、発達障害等の子供が、「頭部隆起」を通じて、健全に成長できた体験もある。
http://www.srk.info/library/nouryoku.html
 この事実は、人間の脳と心には、現代の科学ではまだ解明のできていない大きな潜在力が存在することを示唆している。人類が21世紀に物心調和・共存共栄の文明を創造できるかどうかは、この自らに内在する可能性を開花しえるかに、かかっているだろう。
 以下は、村上氏の記事。

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●産経新聞 平成26年9月26日

http://sankei.jp.msn.com/science/news/140926/scn14092605020002-n1.htm
【正論】
脳は生涯にわたり発達し続ける 筑波大学名誉教授・村上和雄
2014.9.26 05:02

 黄金期を迎えつつある脳研究によって、私たちが従来教えられてきた脳に関する常識は、次々と破られてきた。
 例えば、傷ついた脳が自然に治ることはないという通説は誤りで、脳神経細胞は環境に応じて再配線できる。
 さらに運動、精神的活動、社会的なつながりが、神経細胞の発展を促すといった事実が判明した。従って、脳の働きは決して固定的なものではなく、作り替えが可能である。以前なら思いもよらなかったような驚異の治癒力が脳に備わっていることが分かった。

《脳の働きを制御するのは心》
 脳から全身の細胞に指令が出ているから、脳は身体を動かすリーダーのように見えていた。しかし、決してそうではなかった。
 脳を動かしているのは、自分の心であり、意識だ。脳はテレビやラジオの受信機のようなものであり、心や意識が真の創造者である。脳は私たちが「できる」と思っていることしかできない。逆にいえば、「できない」と考えていることはできないのだ。
このダイナミックでしなやかな脳の働きは、遺伝子の働きに関する最近の研究とよく符合する。
 ヒトの全遺伝情報(ゲノム)の解読以前は、DNAは生命の設計図であり身体の働きを支配していると考えられていたが、事実は違っていた。
 DNAは単なる設計図にすぎず、それも環境によって書き換え可能な設計図である。従って、生命はDNAに支配されていなかった。それでは、生命を支配しているのは脳か? そうではない。
 脳は、前に述べたように情報の受信装置のようなものであり、受信装置そのものが歌ったり、考えたり、ドラマを制作したりするものではない。
 真の制作者は、DNAや脳ではなく「人間の意識」であると考えざるを得ない。そして、生命の真の創造者は、人間の意識をも超えた大自然の偉大な働き「サムシング・グレート」だといえる。

《脳には無限の可能性がある》
 心身医療の分野で世界のリーダーであるディーパック・チョプラ博士は、身体と心を統合的に癒やす独自の理論を展開して成果を上げている。彼は米誌タイムによる「20世紀の英雄と象徴100人」にも選出されている。
 ごく最近、チョプラ博士と対談する機会があった。彼の考え方は、私どもが「心と遺伝子研究会」で10年にわたり研究し、発見した実験結果や考えに驚くほど近いことが分かり、今後、情報交換しようということになった。
 博士の近著「スーパーブレイン」(ディーパック・チョプラ、ルドルフ・E・タンジ共著、保育社)の翻訳にも携わり、多くのことを学んだ。博士は次のように述べている。
 慢性病は意識がつくり出している。怒りや恨みや憎しみなどの感情を持つと、それが悪い遺伝子を活発にしてしまい、ガンや心臓病の原因となる炎症を起こす。一方、喜びや愛、他人の成功を喜ぶという感情を持つと、良い遺伝子が活発になり、身体は病気にかかりにくくなって、肉体年齢も若返る。脳には心と身体と外界のバランスをとる自己制御装置があり、これを上手に使うことによって、素晴らしい人生を築くことができる-と。
 脳に使われるのではなく、脳を上手にコントロールして使うことが肝心だ。そのためには、固定観念を捨て去り、柔軟性を持ってリラックスすること、素直であること、心配しないことなどが大切である。そうすることにより、あらゆる局面を切り開くことが可能になる。
身近なところでは、なかなかできないダイエット、振り払えない心の傷、仕方がないとあきらめていた体力の減退、脳の老化にかかる認知症や鬱病まで克服できる可能性がある。

《遺伝子のオンとオフで進化》
 脳は現在も環境や心と相互に作用しながら進化を続けている。今や、ヒトの全遺伝情報(ゲノム)とチンパンジーのゲノムを比較することができるようになった。
 そこで判明したのは、ヒトにはあるもののチンパンジーにはないという遺伝子は一つもないということだ。では、ヒトとチンパンジーのゲノムはどこが違うのか。それは、タンパク質をコードする配列ではなく、遺伝子のオンとオフに関与する配列にあった。
 脳は固定的で、機械的で、確実に衰えていくものだと思われていた。しかし、実際の脳の姿は全く異なることが分かっている。この瞬間も私たちの脳は変化を続けており、新しい現実を生み出している。
 人は心の持ちようを変えることによって、遺伝子のオンとオフを切り替えれば、一生涯進化できる可能性がある。
 一般に、頭がいい人と悪い人がいるといわれているが、脳そのものにはいい、悪いの区別はない。使い方によって、良くなったり悪くなったりする。脳を上手に使えば、思いは必ず実現する。(むらかみ かずお)
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参考資料
・村上和雄著「生命の暗号」(サンマーク出版)
・ディーパック・チョプラ著「クォンタム・ヒーリング」(春秋社)

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