ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

脱少子化を語る2

2007-08-23 08:52:52 | 少子化
司会: 今は子供を産みたくても病院がない時代、産科医がいない時代と聞くが、佐々木先生、産婦人科の現状はいかがか。

佐々木: 少子化であっても、産む人はいるわけで、それを支えているのが助産師さんであり、産科医である。産科を取り扱う医師はすごいスピードで減っている。少子化をはるかに上回るスピードで減っている。地方であるほど、それがひどい。
 例えば私が今、勤めている病院は茨城にあるが、近隣の病院で一人の女医さんが妊娠をしてしまった。そのためにお産を取り扱う件数が年間900件だったのを500件に制限したいと言ってきた。また反対側にあるちょっと離れた病院では、そこを開業されていた先生が年を取ったために、お産をやめたいと言ってきた。
 そこはだいたい年間200~300件だった。そうすると年間700人がそこの病院からあふれるわけである。一つの病院ではとても受けきれる数ではない。
 私の勤めている病院は二人の医師が働いていて、年間700件ある。もし私が過労で倒れたら、一人の医者で行う。一人で700の分娩に立ち会えるかというとできない。ということは一人倒れたらアウトなのだ。一つの病院が倒れると、それを支えなければならない病院がまた倒れてしまうのだ。
 東京も例外ではない。墨田区の墨東病院が年間1500件だったのが、400~500件しか扱わなくなった。約1000人が宙に浮いている。ものすごく危険な状態であるということをご理解いただきたい。

司会: この状況をどう政府は対応していくのか、萩原先生、何か対応策はあるか。

萩原: 医師不足、看護師不足という問題は明確に分かっている。今回の参議院選挙の公約にもその対応策がきちっと入っている。
 私が生まれたのは昭和31年。私のちょっと前の世代というのは基本的には家で出産していた。
 そういうところから見ると、産科医療がどっちの方向を向いているのか。人間の持っている力を助長する方に向いているのか、人間の持っている力なんか関係ない、おれたちがやるんだと考えているのか、どっちの方向で医療しているのかということもきちんと抑えていかなければならないと思う。

司会: 江藤先生、じかに現場をご覧になって病院の現状、先生方の現状をどのようにお感じか。

江藤: 直接病院で働いているわけではなく、学生の実習を病院にお願いしている立場なのだが、私が行っている病院で産婦人科のお医者さんがやめるとか、お産で休むという場合、その地域はベッドタウンでお産が多い所なのに、お産をお断りする電話を掛けられたというのを聞いて、今はどこも同じように大変な状況になっているのだと思う。

司会: 細川さん、脱少子化と日本精神復興促進運動は、どうつながるのか。

細川: 日本精神復興促進運動を提唱したのは、大一先生という方である。
 大先生は日本の文化や伝統の中に素晴らしいものがある。それが戦後失われてしまっているので、ぜひ取り戻すべきだと説いている。また、大先生は宇宙にはすべてのものを貫いている法則があって、人間もまた自然の法則に沿って生きていくときに健康で、また幸せに暮らせる。そういうことを説いている。
 そこでお産の問題と絡んでくるのだが、お産の場合も、女性の体にはもともと自然な形でちゃんと楽に出産ができるような働きが備わっている。それをうまく引き出すことができれば、もっと自然で楽なお産ができるはずである。
 ところが、現代人はお産というと陣痛で苦しむもの、危険なもの、女性の大厄と考えるようになってしまった。そこのところをもっと人間の本来の命の働きに目を向けて、その生命力を生かして、自然でしかも楽なお産ができるように目指していく。その道を大先生は説いている。
 石村さんは、自然なお産の手助けをしており、出産の現場から脱少子化を訴えている。日本精神復興促進運動本部はその趣旨に賛同して、本日のフォーラムを後援している。

参考資料
・大塚寛一先生について
http://www.nsfs.jp/sousai_sousai.htm

 次回に続く。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿