ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
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台湾の自由と民主主義を支援しよう4

2020-02-10 08:18:43 | 国際関係
●米国は台湾関係法を持つ

 米国は、1979年(昭和54年)1月1日に中華人民共和国との国交を樹立し、北京政府を「中国を代表する政府」として承認し、中華民国(台湾)との国交を断絶した。しかし、同時に、米国議会は、台湾関係法を1979年4月に制定した。同法は1月1日にさかのぼって施行された。
 台湾関係法は、米国が台湾と断交した後も、台湾との実質的な関係を維持するためにつくられ、台湾に関する米国の政策の基本を定めている。
 米国は、同法によって、台湾を諸外国の国家および政府と同等に扱い、台湾との外交的・軍事的関係を維持している。
 外交的には、同法及び台湾旅行法によって、米国は国交断絶以前に台湾と結んでいた原子力協定や武器売却等のすべての条約、外交上の協定を維持している。米台双方の大使に相当する者には外交特権が付与されている。政治家の交流も活発に行われている。
 軍事的には、同法は米国と台湾との間の事実上の軍事同盟となっている。同法は、米国が台湾の人びとの安全、社会や経済の制度を脅かすいかなる武力行使または他の強制的な方式にも対抗しうる防衛力を維持し、適切な行動を取らなければならないと定めている。米国は、台湾に米軍を駐留しないが、台湾に防衛用の武器を売却したり、日本やフィリピンの米軍基地等のプレゼンスを示すことによって、中国を牽制している。
 台湾は地政学的に重要性な位置にある。米国は台湾を中国に取られたら、東アジアの軍事的なバランスが大きく崩れ、中国の覇権拡大を許すことになることを防ぐために、台湾関係法を定めたものである。
 41年前、同法を制定した時点で、米国の立法者が将来、中国が海洋に進出する可能性をどの程度、想定していたかはわからない。また、米国では現在、同法は「台湾海峡で武力衝突が生じた場合、必ずしもアメリカがこれに介入しなくてもよいし、介入してもよい」と解釈されている。中国との軍事的衝突を可能な限り回避するべきという考え方による。だが、中国が軍事力・経済力・外交力・情報力等を増大し、「一帯一路」戦略によって世界的な覇権拡大を進めている現在、台湾の重要性は同法の制定時より、はるかに増している。もし中国が設定している第一列島線に含まれる台湾が中国に支配された場合、中国海軍は太平洋への進出が容易になり、中国がアメリカに対抗して西太平洋を支配することになりかねない。これは、アメリカにとって、旧ソ連時代にもなかった新たな脅威である。

●米連邦議会は挙国一致の姿勢

 米国は、国内法として台湾関係法を定めただけでなく、台湾に対して米国の姿勢を保証している。これは、米ソ冷戦時代、1982年(昭和57年)にレーガン政権が台湾側に「6つの保証」を提示したものである。保証の内容は、(1)台湾への武器売却の期限を設けない、(2)台湾への武器売却についてシナ大陸と事前に協議を行わない、(3)台湾と大陸の間の調停を行わない、(4)台湾関係法の改正に同意しない、(5)台湾の主権に関する立場を変えない、(6)北京当局と協議するよう台湾に圧力を加えない、の6項目である。
 米連邦議会は、台湾に対する「6つの保証」を再確認する上下両院一致の決議案を全会一致で繰り返し可決している。そのたびに党派を問わず米台関係に対する堅い支持が表明されている。ただし、決議案は議会の立場等を示すもので、法的拘束力はない。
 2018年(平成30年)6月、米共和党のダナ・ローラバッカー下院議員は、台湾との国交回復等を米政府に提言する決議案を提出した。決議案は、台湾が北京当局による統治をこれまで一度も受けていないことや中国共産党が台湾の国際組織への参加を妨害し続けていることに言及し、米国が取っている「一つの中国」政策は時代遅れであり、台湾が半世紀以上にもわたって独立主権国家として存在しているという事実を反映していないと指摘した。そのうえで、「一つの中国」政策に代わって、現状に合った「一中一台(一つの中国、一つの台湾)」政策を取るべきだと主張し、台湾を主権独立国家と認め、台湾との国交正常化のほか、台湾の国連機関への参加等を積極的に支持するよう米政府に求めるものだった。この決議案は、米国で最も台湾寄りの政治家たちによるものと見られる。
 台湾関係法の制定40周年を迎える2019年(平成31年)4月、米上院は、「台湾に対する米国の関与と台湾関係法の実施を再確認する決議案」を全会一致で可決した。米下院も同月同様の決議案を可決した。この決議案は、台湾関係法と「6つの保証」を米台関係の基盤とすることを再確認するとともに、米台双方の政府関係者が台湾旅行法に基づいて相互訪問するよう呼びかけるものである。また、大統領は法律に基づき台湾への武器売却を常態的に行わなければならないとし、国務長官に対して台湾の国際組織への参加を支持し、台湾との経済・貿易関係を拡大・深化させる機会を模索するよう求めている。台湾関係法制定40周年という節目の年に、台湾を重視する米連邦議会の姿勢が明確に示されたものである。
 このように米連邦議会は、台湾が中国から軍事、外交面で圧力を受けていることを認識し、米政府に対して中国に厳しい態度で臨むよう求める姿勢を繰り返し示している。政府は、連邦議会が超党派で行う決議を後ろ盾として挙国一致の態勢で、中国をけん制し、台湾を守る政策を行なっている。

●トランプ政権は台湾政策を強化

 2017年(平成29年)1月に発足したトランプ政権は、中国に対し、貿易・外交・安全保障等で積極的に対抗姿勢を示し、米台関係は以前より強固になっている。
2019年(令和元年)8月には、米中貿易戦争と香港での民主化運動で米中の緊張が高まるなかで、米国務省はF-16戦闘機66機を台湾に売却すると発表した。台湾への武器供与としては、近年最大規模である。

 次回に続く。

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