ほそかわ・かずひこの BLOG

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米トランプ政権が中国のウイグル族迫害を非難

2018-08-05 12:49:32 | 国際関係
 米国のトランプ政権が、中国のウイグル族への迫害に強い懸念を表明しました。NHKテレビは、7月27日のニュースで次のように報じました。

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2018/07/27(金) 12:47:06.73ID:VR+Lzg5h0

NHKニュース
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トランプ政権 中国がウイグル族を不当に収容と非難

 アメリカのトランプ政権は、中国政府が、テロ対策を名目に新疆ウイグル自治区で、イスラム教徒のウイグル族を不当に収容し、その数は少なくとも数十万人に上ると明らかにして強い懸念を表明しました。
 アメリカのペンス副大統領は26日、首都ワシントンで講演し「中国政府は、数十万人、もしくは数百万人の規模でイスラム教徒のウイグル族を再教育施設という場所に収容している。宗教の信仰と文化的な帰属意識を失わせようとしている」と述べて非難しました。
 さらに、アメリカ政府で人権問題などを担当しているカリー大使も26日、議会で開かれた公聴会に出席し「習近平政権が去年の4月からテロとの戦いを名目にイスラム教徒に対する抑圧を強めている」と述べたうえで、ウイグル族を去 年から少なくとも数十万人不当に拘束していると強い懸念を表明しました。
 また、新疆ウイグル自治区では、イスラム教を若者に教えることやイスラム教徒的な名前を子どもにつけることが禁止になるなど、かつてない抑圧的な政策を進めていると指摘し、中国政府にやめるよう申し入れたことを明らかにしました。
 公聴会には、新疆ウイグル自治区出身で、現在はアメリカを拠点にウイグルの現状を伝えている女性記者も出席し、新疆ウイグル自治区にいる自分の家族や親戚20人以上が去年から当局に連行され、今も行方がわからないと訴え、協力を求めました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180727/k10011551041000.html
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 この1ヶ月ほど前、米国は、6月19日に「イスラエルへの慢性的な偏見」などを理由に国連人権理事会からの離脱を発表しました。ヘイリー国連大使は、人権理を「偽善的で自己満足のための組織」「『人権侵害国』の擁護者で、政治的偏見の汚水槽」などの激しい表現で批判。トランプ政権が1年前から求めていた人権理の「大規模かつ抜本的な改革」が一向に進まない以上、「米国が残留して正当性を付与することはできない」と脱退を宣言したものです。米国の対人権理批判は、人権侵害国でも理事国のメンバーに簡単に選出される仕組みになっていることと、イスラエルをアラブ諸国などが批判する場所となっていることによります。
 7月18日にもヘイリー米国連大使は、ワシントンのシンクタンクでの講演で、人権理について「最も深刻な人権侵害を行う国家を非難するのではなく擁護してきた」「国連最大の失敗」だと批判しました。また、人権理は人権侵害国が一方的な主張を展開する場になっていると指摘し、イスラエルの入植活動に非難を集中させる一方、中国やキューバといった人権抑圧が顕著な国々での被害を無視してきたとの見方も示し、人権理は「良心の在所ではなく、政治の巣窟」だと糾弾しました。
 続いて、今度はペンス副大統領がウイグル族の問題に言及したわけです。国連の人権理事会は、中国のウイグル族の問題についても、見て見ぬふりをしています。中国の組織的な人権侵害はチベット、法輪功、民主化運動家等に対しても行われています。トランプ政権は、アメリカ・ファーストとイスラエルとの同盟関係の強化が基本路線ですから、中国の人権問題についてどの程度、本気なのか、ウイグル族に言及したのは一時的な対中外交の手段に過ぎないのか、注目されます。

関連掲示
・拙稿「人権ーーその起源と目標」第3部「人権の現状と課題」
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion03i-3.htm

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