ほそかわ・かずひこの BLOG

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インド19~ヒンドゥー教の儀式・マントラ・祭り

2019-11-08 13:49:24 | 心と宗教
●儀式

◆ヤジュニャ
 ヒンドゥー教では、ヴェーダの宗教の伝統にのっとったヤジュニャという祭儀を執り行う。これは、バラモンが火壇を設けて、神々に犠牲を贈る供儀を中心とする祭儀である。
 ヤジュニャの中で最も重要な行為は、祭火に供物を投入することであり、これをホーマという。この儀式が仏教の真言密教に取り入れられて、護摩と音写し、「護摩を焚く」という。
 神聖な行事を行う時には、一定の場所を限ってしめ縄を張り巡らす。また、マンダラと称する円形の場所を設ける場合もある。マンダラは、深層心理学者のユングが患者の描く絵や西洋の神秘主義者の幻視等に現れることに注目した幾何学的な図を指す場合もある。しめ縄やマンダラの内部は神聖な場所とされ、周囲と区別される。

◆神像礼拝
 ヤジュニャと対照的なものが、神像礼拝の祭儀である。プージャーと呼ばれ、供物を神像に直接捧げて礼拝する儀式を中心とする。家庭では、水・食物・花等を神像に捧げる。神殿や祭場では、詳細な祭式規定にのっとって祭官が奉献する。共通するのは、大切な客を丁重にもてなすように、供養することである。
 神像礼拝は、イスラーム教徒やキリスト教宣教師から偶像崇拝として非難された。だが、ヒンドゥー教徒は神像そのものを呪物として崇拝しているのではなく、神像が象徴する神々を礼拝している。神像は「聖なるもの」の示現を象徴的に表す記号と理解される。
 ヒンドゥー教の神殿では、神々への供物を取り下げたもの(プラサード)には、神々の恩恵があるとされる。これは神道・仏教等と共通する考え方である。

●マントラ

 儀礼では、マントラが唱えられる。マントラは、ヴェーダの宗教では祭儀の際に祭官が唱える讃歌・歌詞・祭詞・呪文を意味した。ヴェーダには、病気治癒・除災・長寿等を祈願するマントラが多く含まれている。

●祭具・象徴等

 儀礼では、ヤントラという象徴的な幾何学図形が用いられる。特にタントラ教で瞑想で意識を集中するために使われる。シナでは護符と訳した。
 吉祥を現すものとして種々の花が用いられる。蓮華はその代表である。
 念珠を用いる習慣は、仏教に採り入れられて、数珠となっている。
 卍(まんじ、スヴァスティカー)が、瑞兆の印として用いられている。ヴィシュヌなどの胸部に、この形の旋毛が描かれる。インドでは、逆まんじも、古くから使われている。

●祭り

 ヒンドゥー教には、多くの祭りがある。神に祈りを捧げる祭りや収穫祭など、多種多様な祭りが年中開催されている。そのうちで三大祭とされるのが、ホーリー、ダシャラー、ディワーリーである。
 ホーリーは、春の祭りで3月頃に行われる。豊作祈願や悪魔祓い等が融合し、ヒンドゥー教最大の祭りとなった。階級・身分の差に関係なく、分け隔てなく祝うことが目的であり、この日だけは相手に関係なく色水や色のついた粉をかけ合い、歌や踊りで盛り上がる無礼講となる。始源への回帰と世界の再生を象徴する祭りと見られる。
 ダシャラーは、毎年9月か10月に行われる。三大祭の中で最も長く10日ほどに渡る。北インドでは、ラーマヤーナの舞台が演じられ、最終日にラーマ王子と戦った魔王ラーヴァナの人形が焼かれる。東インドでは、ドゥルガー・プージャともいわれ、女神ドゥルガーが悪魔を倒したことを祝い、最終日にドゥルガー像を川に流す。
 ディワーリーは、新年を祝う祭りで、毎年10月~11月に行われる。「光の祭り」とも呼ばれ、光が暗闇に勝利したことが起源とされる。富と幸運の女神ラクシュミーを祭り、家業の繁栄を願い、家の戸口に灯明を飾って祝う。町は電飾で飾られ、爆竹や花火が行われる。これも始源への回帰と世界の再生を象徴する祭りと見られる。
 三大祭の日程は、インド暦という太陽太陰暦に従うので、太陽暦では移動祝祭日となる。全国的に休日となる。

 次回に続く。

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