ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

台湾の自由と民主主義を支援しよう5

2020-02-12 09:41:02 | 国際関係
●日本と台湾の関係

 日本は、1972年(昭和47年)9月、日中国交回復とともに台湾と断交した。その際、わが国は、中国との国交回復、台湾との断交を行なったうえで、中国及び台湾とどのような国際関係を構築していくか、総合的な政策を構築できていなかった。権力論的に見れば、シナ大陸を中国共産党政府が統治する中華人民共和国と、台湾を国民党が統治する中華民国の並立状態は、一種の二重権力状況である。わが国が自由民主主義の理念を掲げるなら、この状況はシナの脱共産化すなわち自由化・民主化を支援することが課題となる。東洋的道義の理念を保つならば、毛沢東らの中国共産党と蒋介石の国民党の共存調和を目指すことが課題となる。だが、わが国には、こうした総合的な政策を構築して、それを中国と台湾を仲介して実現し得るほどの大政治家がいなかった。また、国会においても、政府を支援して、米国のような台湾関係法に相当する国内法を制定できるような政治家がいなかった。そのため、中台を仲介できる時機を逸してしまった。もしわが国が米国の中ソ分断政策に呼応して、日・米・中・台の連携でソ連に対抗していれば、ソ連の崩壊はもっと早まっただろう。
 わが国は、総合政策も台湾関係法もない状態で、貿易、経済、技術、文化等の民間交流関係を維持するための実務機関として、公益財団法人日本台湾交流協会を設立した。同協会を事実上の大使館・領事館の役割を果たす利益代表部として、台湾との交流を行なっている。外交特権は認められていない。台湾側の利益代表部は、亜東関係協会である。日台は、双方の利益代表部を通じて、日台投資協定、日台漁業協定、日台租税協定等の二国間協定を結んでいる。これらの協定は、国家同士の条約ではない。また、超党派の議員連盟である日華議員懇談会を中心にして、議員外交が行われている。同懇談会の会長は、2020年2月現在、自民党の古屋圭司衆議院議員である。所属議員は、2019年5月現在287名とされる。

●日本における台湾関係法制定の動き

 2006年(平成18年)4月、自民党の衆参両院議員によって「日本・台湾経済文化交流を促進する若手議員の会」(略称 日台若手議連)が設立された。台湾と政治的・経済的・文化的交流を行い、両国の友好を図ることを目的とする。
 この日台若手議連を中心に、日本版の台湾関係法の制定を目指す動きがあると伝えられる。2014年(平成26年)2月時点の情報だが、同会(会長・岸信夫外務副大臣)には、自民党の中堅・若手議員を中心に約70人が所属している。同年2月17日の会合で、日本と正式な国交がない台湾との関係を強化するための法的根拠となる「日本版・台湾関係法」(仮称)の策定を目指すことを確認し、次回以降、関係法の内容について具体的な協議に入ると伝えられた。
 以後、約6年が経つが、日本版・台湾関係法は実現していない。だが、日本の安全保障の強化、また東アジアにおける自由と民主主義の保守のために、わが国は、日本版・台湾関係法を制定し、台湾との関係を確固としたものにすべきである。自民党及び保守的・愛国的な政党の政治家は、この課題に積極的に取り組んでほしい。

●東日本大震災と新型コロナウイルス問題

 2011年(平成23年)3月11日に東日本大震災が発生した。台湾の馬英九総統(当時)はその当日に「日本側の要請を受けたら、すぐに救援隊を出動したい」と語り、緊急救援隊を翌3月12日に世界のどこよりも早く派遣してくれた。また、台湾から253億円という莫大な義援金が日本に贈られた。この金額は、世界の他のどの国よりも多かった。しかも人口2300万人という社会からの義援金であり、他の国々とは比較ならない額である。人口13億の中国であれば、1兆4168億円に上るほどの金額である。こうした台湾を軽視し続ける日本政府の姿勢は、道義に外れている。
 本年(2020年)1月、中国武漢から新型コロナウイルスによる肺炎の感染が広がった。世界保健機関(WHO)は、これへの対応に当たったが、2009年オブザーバー参加してきた台湾は、中国との関係で参加が認められなかった。中国は、蔡英文政権に強い圧力をかけており、WHOは中国に配慮し、台湾を排除し続けていた。だが、台湾でも感染者が確認されており、WHOから台湾を排除することは、世界的な対応に穴ができる。そこで米国、フランス等から台湾のWHO参加を求める声が出た。わが国の代表も台湾の参加を認めるべきと発言し、参加が実現した。多くの人々の生命と健康が脅かされている中で、わが国が中国を恐れず、台湾に関して当然の発言を行なったことは、遅ればせながら一つの前進である。

  次回に続く。

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