ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
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ユダヤ98~トルーマン、アイゼンハワーとユダヤ人

2017-09-07 09:28:23 | ユダヤ的価値観
●トルーマンはユダヤ人社会に協力的
 
 次に、第2次世界大戦後のアメリカの歴代政権とユダヤ人の関係を見ていく。
 ハリー・トルーマンは、大戦末期の1945年(昭和20年)4月フランクリン・デラノ・ルーズベルトが急死したため、副大統領から大統領に就任した。
 ルーズベルト政権に続いて、バーナード・バルークがトルーマンに対する大統領顧問的な存在となっていた。ユダヤ人の大富豪であり、軍需産業の中心人物である。マンハッタン計画で原爆が完成すると、バルークはトルーマンに原爆の対日使用を積極的に勧めた。また、ヘンリー・スティムソンがFDR政権に続いて、実質的にアメリカの戦争を指揮した。彼が原爆開発計画の最高責任者として広島と長崎への原爆使用を決定した。トルーマンはスティムソンを全面的に信頼した。バルーク、スティムソンは、ロスチャイルド家につながっていたと推測される。
 1947年5月、国連では、パレスチナ問題が議題に上がると、トルーマンは、パレスチナ3分割案を断固支持し、国連で多数派工作を行い、総会での可決を導いた。翌年5月14日にイスラエルが独立を宣言すると、トルーマンはただちにその実効支配を承認した。トルーマンが3分割案を支持し、イスラエルの実効支配を承認したのは、その年11月の大統領選に向けてユダヤ人の支持を得るという政治的な打算が働いたと見られる。トルーマンは敗色濃厚だった。だが、ユダヤ人銀行家のエイブラハム・フェインバーグが彼を支持し、資金集めを行った。イスラエルと米国ユダヤ人資本家の背後には、ロスチャイルド家が存在する。トルーマンはユダヤ人社会から資金の提供を受け、またユダヤ票の約75%を獲得した。それが、彼の勝利の一因となった。

●アイゼンハワーはユダヤ人社会と距離を置いた

 ドワイト・デイヴィッド・アイゼンハワーは、第2次世界大戦において、連合国遠征軍最高司令部最高司令官、陸軍参謀総長等を歴任して戦功を挙げた。大統領選にあたって退役し、民主党候補を破って、久方ぶりの共和党の大統領となった。彼の例のように、米国は生粋の軍人が大統領になれる国である。軍人が国家最高指導者になるのは民主主義に反するなどと考えるのは、欧米諸国の実態を知らない者の思い込みに過ぎない。
 アイクの父親はウェストポイント陸軍士官学校の卒業年次別名簿に、スウェーデン系ユダヤ人と書かれている。それゆえ、アイクはユダヤ系と見られる。だが、アイク政権では、トルーマンと政権時代とは違い、在米ユダヤ人社会は政府に対する影響力を大幅に失うことになった。
 第2次中東戦争で、アイク政権はイスラエル軍の先制攻撃を強く非難し、占領したシナイ半島から撤退するよう要求した。イスラエルはこれに同意せざるをえなかった。この時の政治的敗北を教訓として、ロビー団体を通じて活動を行うようになった。またユダヤ人社会は政治献金や票集めを通じて、民主党との結びつきを強めた。ユダヤ人は民主党の候補者を大統領にすることで、自らの政治的要求を実現することを目指した。ジョン・F・ケネディは、1960年秋の大統領選で、彼らの期待を受けて当選した。
 1961年1月、アイゼンハワーは、大統領辞任演説で、軍産複合体の危険性を国民に語った。「この巨大な軍隊と軍需産業の複合体は、アメリカが経験したことのない新しいものである。(略)大変な不幸をもたらす見当違いな権力が増大していく可能性がある。軍産複合体が我々の自由と民主主義の体制を危険に陥れるのを、手をこまねいて待っていてはいけない」と。
 軍産複合体とは、軍需産業の中から戦争で利益を上げる大規模な企業集団が出現し、国防総省、軍、CIA等が結びついて、巨大な勢力となったものである。その形成の中心には、ユダヤ人の「死の商人」バルークがいた。
 アイゼンハワーは、バルークを名指したり、ユダヤ人に言及したりはしていないが、自らの利益のため、政府に働きかけ、政策を左右するようになった軍産複合体について、国民に注意をうながしたのである。軍人出身の彼が注意を促すほど、軍産複合体の増殖は危険なものを見せていたのである。

 次回に続く。