ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

米ジャーナリスト、マイケル・ヨン氏が慰安婦問題を調査

2014-11-02 08:23:09 | 慰安婦
 マイケル・ヨン氏は、米国で著名なフリー・ジャーナリストである。米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)出身で、2004年からイラクで米軍部隊への「埋め込み(エムベッデッド)」従軍記者活動を開始した。イラク戦争やアフガニスタン戦争の現場から、元軍人ならではの迫力ある報告をしてきたことで知られる。フェイスブックでも多くの読者を持つ。
 米国に住むペンネームCharlotte Malteseさんという日本人女性が、フェイスブックでヨン氏の記事を翻訳して紹介している。10月24日には慰安婦問題に関するヨン氏の記事の和訳文が載った。

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FB https://www.facebook.com/MichaelYonFanPage?fref=nf&pnref=story

20141024
日本:続く慰安婦摩擦

 自分は未だ日本に於いて慰安婦問題について調べている。この問題は日本と韓国に於いて大変な問題であり、またアメリカに於いても、大きな問題となりつつある。自分はアメリカ人として、この問題に自分の名誉が掛かってるいる訳でも、アメリカ人女性が係っている訳でもないから、国を背負った怒りを感じている訳ではない。自分の関心はただ人道、地政学、真実を見つける事だけだ。
 自分は、タイ、カリフォルニア、ニュージャージー、韓国、さらに、アメリカの国立文書館の莫大な資料などから情報を得ようと、有能なチームの仲間と一緒に調査を進めてきた。
 最近、日本のキリスト教会の元牧師が戦時中の慰安婦についての記憶を告白した。戦時中、彼は衛生兵として日本帝国陸軍に所属し、メディアにも慰安婦たちについて述べた彼の記事が、ごく最近掲載された。
 われわれのチームは、彼が牧会していたとされる教会を通して彼と連絡を取り、昨晩、彼の娘も同伴の上で、コーヒーショップに於いて長時間のインタビューを行う事に急遽成功した。
 彼は日本の年老いた他の人々と同じように、穏やかな紳士だった。我々チームの仲間は、彼が正直に心を開いて語っているのを感じた。
 彼の言った事は、なかなかすぐには信じられないかもしれない。全てはビデオに収められている。反日団体は彼を大犯罪の証人として使おうとしているのだが、彼は日本人が20万人もの女性を強制連行したとされている件のスター的証人にはなり得ない。
 初めから彼は慰安婦たちが売春婦達であったと言っている。尤も、彼の考えでは、すべての売春婦たちは性奴隷である。彼女たちが強制連行されて来たのか、韓国の新聞に載った慰安婦募集の広告を見て来たのか、ハッキリとはわからないらしいが。(我々のチームは、戦時中のそうした広告を他の研究者たちの集めた資料から得ている。)
 彼は、戦争犯罪と呼ばれる行為、女性が虐待を受けたケースを目撃した事が無いとハッキリと証言した。
 彼は善きクリスチャンだ。売春そのものが彼にとっては忌むべきことなのだろう。(断わっておくが、これは彼の直接の言葉ではない。自分の憶測である。)
 この紳士は明確に、売春というものには性奴隷の要素があると言っていた。この定義で言えば、すべて金の為に働くものは奴隷である。大戦中、兵役についていた者の殆どは徴用で集められたが、性奴隷ならぬ兵奴隷がベルリンを解放したなど、そんな解釈を我々は聞きたくはないだろう。
 事実を言えば、若者が徴用を断った場合、牢屋に入れられ、社会的に彼の立場はなくなった。だから彼の意思に反しての徴用だったろうが、それゆえ彼はルーズヴェルトの奴隷と呼ばれるのだろうか?
 それなのに、女性が新聞に載った慰安婦募集の広告を見て、大金を稼ごうと応募した場合、彼女は性奴隷と呼ばれるのは何故か。色々な意見はあるが。
 彼の証言を信じることは俄かには難しいだろう。我々も自分たちの耳を疑ったのだから。
 これは自分の戦場での仕事を思い起こさせた。メディアの書く事を信じてはいけない。そこに行って実際に見てみるがいい。我々のチームも、国々に赴いて、毎日毎日、調査をしている。
 
 この話は、つづく。
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 この記事で、私はヨン氏が慰安婦問題について、日本に調査に来ていることを知った。その後、11月1日、産経新聞の古森義久記者が、ヨン氏について記事に書いた。古森氏は10月前半に2回ヨン氏に会って、慰安婦問題等について話し合ったという。

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http://www.sankei.com/column/news/141101/clm1411010007-n1.html
2014.11.1 09:05更新

【緯度経度】
古森義久 慰安婦問題、米から支援の声

 マイケル・ヨン氏といえば、全米で知られたフリーのジャーナリストである。2003年からの米軍のイラク介入で前線に長期滞在し、迫真の報道と論評で声価をあげた。09年ごろからはアフガニスタンでも同様に活動し、米国内での知名度をさらに高めた。名前からアジア系を連想させるが、祖先は欧州系、数世代が米国市民だという。
 ヨン氏のリポートは米紙ウォールストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズや雑誌多数に掲載され、大手テレビ各局でも放映された。「イラクの真実の時」といった著書なども話題を集めてきた。
 そんな著名な米国のジャーナリストが日本の慰安婦問題の調査に本格的に取り組み始めた。米国、日本、韓国、タイ、シンガポールなどでの取材をすでにすませた段階で、ヨン氏は「米欧大手メディアの『日本軍が組織的に女性を強制連行して性的奴隷にした』という主張は作り話としか思えない」と明言する。
 ヨン氏はこの趣旨の調査報告をまもなく米国系のメディアで公表するというが、自分自身のホームページでは「慰安婦問題での日本糾弾は特定の政治勢力の日本叩(たた)きだ」とまで断言する。慰安婦問題での世紀の冤罪(えんざい)を晴らそうとする日本の対外発信の試みにとっても、やっと一条の光が米国側から差してきたようだ。
 そのヨン氏と10月前半、2回にわたって東京で会った。慰安婦問題などの情報や意見の交換ということで、かなりの時間をかけて話し合った。日本では慰安婦問題の研究や調査の関係者多数に会い、日本側の資料にもあたったという。
 米国でも、国立公文書館での資料調査やグレンデール市の慰安婦像設置の経過取材などを済ませたとのことだった。
 「日本軍が組織的に20万の女性を強制連行して性的奴隷にしたというのならば、国家犯罪となるが、そんな事実は出ていない」
 「どの時代でも軍隊に売春はつきものであり、日本の慰安婦も大多数は普通の意味の売春婦だったのだろう」
 「それでもなお、『日本軍の強制連行による性的奴隷』と断じる主張は政治的意図のにじむ捏造(ねつぞう)であり、日本を同盟国の米国や韓国と離反させるための日本叩きだろう」
 ヨン氏のこうした主張は、米陸軍の1944年のビルマでの慰安婦尋問書や日本の新聞の慰安婦募集広告の検証の結果だともいう。その上で同氏は現代の日本について以下のようにも述べるのだった。
 そのヨン氏と10月前半、2回にわたって東京で会った。慰安婦問題などの情報や意見の交換ということで、かなりの時間をかけて話し合った。日本では慰安婦問題の研究や調査の関係者多数に会い、日本側の資料にもあたったという。
 米国でも、国立公文書館での資料調査やグレンデール市の慰安婦像設置の経過取材などを済ませたとのことだった。
 「日本軍が組織的に20万の女性を強制連行して性的奴隷にしたというのならば、国家犯罪となるが、そんな事実は出ていない」
 「どの時代でも軍隊に売春はつきものであり、日本の慰安婦も大多数は普通の意味の売春婦だったのだろう」
 「それでもなお、『日本軍の強制連行による性的奴隷』と断じる主張は政治的意図のにじむ捏造(ねつぞう)であり、日本を同盟国の米国や韓国と離反させるための日本叩きだろう」
 ヨン氏のこうした主張は、米陸軍の1944年のビルマでの慰安婦尋問書や日本の新聞の慰安婦募集広告の検証の結果だともいう。その上で同氏は現代の日本について以下のようにも述べるのだった。
「現在の日本ほど人道主義、民主主義、平和主義に徹した国は全世界でも珍しい。米国にとっても貴重な同盟国だ。であるのに米側が慰安婦問題で日本を叩くのは敵性勢力を強め、友邦を弱めることに等しい」
 ヨン氏は、オバマ政権が安倍晋三首相の靖国参拝を非難したことも日本側の慣行への干渉だからおかしいとして、「自国の戦死者の霊に弔意を捧(ささ)げることは万国共通であり、戦犯という概念もその当事者が死ねばなくなるはずだ」と語る。
 ヨン氏自身も10月中旬、靖国神社を参拝した。今度は各国の元軍人たちに呼びかけて、集団で靖国参拝をしたいともいう。米国側にこうした意見が存在することは日本側の官民も改めて認識すべきだろう。(ワシントン駐在客員特派員)
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 ヨン氏は靖国神社に参拝したことについて、10月23日にフェイスブックに記事を書いた。これも先の和訳文で紹介する。

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アメリカ人ジャーナリスト、マイケル=ヨンのタイムラインより、

「東京、靖国神社にて。

 二度目の靖国神社参拝に於いて、権宮司さんと話すことが出来、色々学ぶ事が出来た。もし可能なら参拝をお勧めする。遊就館にある兵士たちの遺した手紙で、英訳されているものは全て読んだ。魂のこもった手紙だ。家族たちは来て、手紙を読み、そして胸が一杯になってただ涙を流すんだ。」

 「日本の悲しい女性たち戦争は1945年に終わったが、多くの人々にとって、痛みは始まったばかりだった。世界中にたくさんの未亡人たちがうまれた。多くは子連れだったが、もう父親は帰ってこない。こう言った未亡人たちの多くは日本人女性だった。
 東京、靖国神社の遊就館の中には、兵士、船員や飛行士などが故郷に宛てた手紙がたくさん残っている。これらの手紙には魂がこもっていて、その多くは読むのがつらくなる。
 殆どの場合、彼らは自分たちの死を予感していて、靖国の桜の木の下で会おうと結んであるものもある。
 ここに来る日本人の多くは、それらの手紙を読んで、堪え切れずに涙を流す。こう言った情景は、自分も見ていてつらい。日本人も、他のどの国民とも同じように、深い愛を心に抱き、愛する者が若くして逝ってしまう事を、魂の底から悲しく思ったのだ。
 遊就館には花嫁人形が飾られている場所がある。これらの人形は、結婚する事なく若くして逝った兵士らの家族が、彼らの為に、せめてもの想いで寄付した花嫁人形だ。
 遊就館に於いて、一番悲しく感じられるのは、未亡人を記念する場所かもしれない。今日、権宮司さんが教えてくれた。ある未亡人は、彼女が亡くなるまで70年間毎年、靖国に参拝したようだ。話している間、権宮司さんはずっと、心に痛みがあるように本当に悲しそうだった。
 この未亡人は、わずか10日間の結婚生活だったそうだ。決して再婚をしなかったらしい。権宮司さんは、彼女の事を思い出すだけで悲しいといった感じだっ た。彼の話によれば、時々ここで働く神主さんたちも、残された家族の気持ちを感じて、たまらなくなって涙を流すことがあるらしい。
 未亡人の多くは再婚をしなかったようだ。彼女たちは時折ここに来ては、平安の中にいる亡くなったご主人に再会する日が来るまで、淋しさに耐えて何年も過ごす。
 彼女たちの中には子連れもいた。宮司さんは、こうした未亡人の子供たちがやがて成長し、自分たちを育ててくれた良き母親を記念する為に、お金を出し合って像を建てた事を教えてくれた。
 今日は靖国神社に於いて、悲しい思いをした日だ。悲しかったが、一方、日本の人々の善意や普遍の愛、また、困難を乗り切った彼らの力を感じた、良き日でもあった。」
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 ヨン氏は、靖国神社に参拝し、英霊の手紙に感動している。自身が軍務経験を持ち、また戦争の現場を取材してきたジャーナリストだからこそ、深く感動するのだろう。ヨン氏は、また戦場における性の問題も知っている。その知識と経験を以て、戦前の日本の慰安婦問題について、中立・公正な立場で調査し、説得力のある報告を書いてくれることを期待したい。