ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
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デフレ脱却の経済学9~岩田規久男氏

2013-03-18 15:54:46 | 経済
●日銀を厳しく批判、日銀法の改正を訴える

 私は、デフレ不況に陥った国の政府は積極的な財政出動を行い、同時に中央銀行は大胆な金融緩和を行って充分な貨幣を市場に供給すべきと考える。まして15年もの間、デフレから抜け出せずに来たわが国においては、財政政策・金融政策を一本化し、政府と日銀が一体となって、デフレ脱却に全力を挙げなければならない。現下の日本における政策実行の順序は、まずインフレ目標の下で大胆な金融緩和で、インフレ期待を生み出すのがよい。だが、政府は金融政策のみに任せるのではなく、また単にデフレ脱却のためだけでなく、将来の大きな国家構想を持って成長戦略を打ち出し、その実現のための財政政策を強力に進めるべきである。アベノミクスは「大胆な金融緩和」「機動的な財政出動」「民間投資を喚起する成長戦略」を3本の矢とするデフレ脱却から経済成長へと目指す総合的な経済政策となっている。その順番で積極果敢に断行してもらいたいと思う。
 岩田規久男氏は、この点、私と財政政策や成長戦略、また構造改革についての考え方は違うが、日銀の幹部となって大胆な金融政策を推進し、アベノミクスを実効あるものとするには、うってつけのエコノミストであると私は思う。“最もタフなデフレ・ファイター”岩田氏が日銀の幹部になることは、日銀の大改革につながるだろう。
 近年、岩田氏は、日銀の理論・政策・体質に対して、批判的な姿勢を強めてきた。例えば、著書『日本銀行は信用できるか』(平成21年)では、次のように、日銀を批判している。
 「日銀を支配している人は『東京大学法学部卒』である。そうした人の金融政策は、現代の正統派経済学の金融政策の理論とは全く異なる『日銀流理論』に基づく前例主義である。法学部卒が主導する金融政策は前例主義による伝統的金融政策が基本である。そのため、1990年代以降のバブル崩壊や2008年のリーマン・ショック以降の未曽有の大不況などの経済危機に対応するためには不可欠である非伝統的金融政策を積極的に採用することができない」
「日銀にも正統派金融政策の理論を学び、研究している優れた人も少なくない。しかし、そうした人も結局は日銀流理論に基づく金融政策を支持するために政党派金融理論を応用しがちである」
 「日銀の目指す物価安定とはゼロ・インフレである。そうした金融政策は諸外国に比べて低すぎるインフレあるいはデフレをもたらし、日本経済の長期停滞と外需頼みの経済を生んでいる」
 さらに岩田氏は、平成10年(1998)4月に施行された新日銀法の改正が必要だと訴える。
 「新日本銀行法は日銀に『目標設定の独立性』と『政策手段選択の独立性』の両方を与えた。しかし、中央銀行に『目標設定の独立性』を与えて、目標設定の裁量性を認めることは、日銀法第2条の『物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する』という日銀の理念と相容れない。したがって、日銀法の改正を含めた日銀の改革が必要である」
 「政府は新日銀法を改正して、『政策目標設定の権限』を日銀から取り戻し、金融政策の目的としてインフレ目標を設定し、日銀にその目標達成の義務を課すと同時に、日銀の金融政策を監視・評価する第三者機関を創設すべきである。この改革により、日銀の金融政策の透明性と説明責任は大幅に向上し、その金融政策の有効性も、インフレ目標を採用している中央銀行(ほそかわ註 諸外国のそれ)の金融政策と同じ水準まで高まるであろう。そうなって初めて、日銀の金融政策は国民に信頼され、その国民の信頼が日銀の金融政策の有効性を高めるという好循環が生まれると期待される」と。

 次回に続く。
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