ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

8・30衆議院選挙後の日本

2009-08-31 13:15:05 | 時事
 8月30日の衆議院議員総選挙は、大方の予想通り、民主党が単独過半数で歴史的大勝、自民は結党以来の惨敗という結果となった。全480議席の内訳は、民主308、自民119、公明21、共産9、社民7、国民新3、みんなの党5、新党日本1、新党大地1、無所属6である。
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=945709&media_id=2

 民主党は、単独で269議席以上という絶対安定多数を獲得した。絶対安定多数とは、常任委員会の委員長ポストを独占した上、さらに委員数でも過半数を確保できる議席数である。しかし、民主党は社民党・国民新党と連立を組む方針なので、与党は318議席となる。これら少数党と連立を組むのは、参議院では民主単独で絶対安定多数を得ていないため、来年の参議院選挙に向けて、政権の安定・強化を諮る意味があるのだろう。
 こうした選挙結果を踏まえて、今後、日本を愛する日本人は、どのように考え、行動すべきか。私は、選挙前に私見を書いたし、それ以前からサイトやブログに拙稿を揚げているが、本日改めて私見を記したい。重複する点が多いことをお断りしておく。

●民主党政権の危険性

 わが国民の多数は、失政・失策の続く自公連立政権に厳しい評価を下し、民主党への政権交代を求めた。
 民主党は「国民の生活が第一」を掲げ、官僚主導の政治から政治家主導、国民が主役の政治への転換を国民に訴えた。政権を取った以上、民主党には、日本のため、国民のために努力してもらいたい。

 まず民主党が打ち出している政策のうち、私が評価できる点を挙げたい。私は、小泉―竹中政権が行なった従米売国的な郵政民営化には、当初から反対である。それゆえ、民主党政権が郵政民営化の見直しを行なうことに関しては、賛成する。ただし、これは本来、自民党が自ら誤りを認め、修正すべき課題である。真の国益を見失っているところに、自民党の迷妄がある。
 年金・医療・脱少子化など国民生活に直接関わる課題に関しては、自民党・民主党の政策は一長一短であると私は思う。民主党の社会政策は、財源を確保できるかどうかにかかっている。それが不調であれば、後々国民に負担が及ぶばら撒き政策に終わる。

 一方、私が民主党の政策を批判する最大の問題点は、国家安全保障である。友愛の理念では、日本を守れない。民主党には外交・軍事に種々の意見があり、政策がまとまらないだろう。国民生活に関わる内政を改善しえても、国際社会での日本の足場が危うくなれば、国民の生活と安全を守れなくなる。
 次に私が批判するのは、国家主権に関する考え方である。永住外国人に地方参政権を与えるという民主党の政策は、国家主権の否定であり、日本国の溶解を招く。また民主党は国立国会図書館に恒久平和局を設置、慰安婦への謝罪・補償等の政策を準備している。これも国家主権に関わる事柄であり、自虐的な歴史観は、国家主権を弱め、国民の誇りや愛国心を損なう。
 さらに民主党は、わが国の家庭や社会、国柄の伝統を断つ政策を推進しようとしている。選択的夫婦別姓の導入は、家族の一体性を大切にしてきた日本的な家族を解体するものとなる。また靖国神社に替わる国立追悼施設建設の計画は、国を守るという国民の団結を壊し、日本人を結ぶ絆を断ち切るものとなる。また日教組の掲げる教育政策を実現することは、日本人でありながら、日本を嫌い、日本を攻撃しようとする嫌日的・反日的な日本人を、これまで以上に量産することになる。当然、皇室への尊崇や先祖への感謝の念は、次世代に涵養されなくなる。
 民主党は、単独で衆議院にける絶対安定多数を獲得した。今後、新政権は、上記のような政策を実現しようとするだろう。もしこれらの政策の多くが強行された場合は、デモクラシーの合法的な手続きによって、日本の革命的な変造が進められることになる。
 自民党にお灸を据え、一度、民主党に任せて見ようと考えた人は、今後の民主党政権が暴走しないように、しっかり政治を監視すべきだろう。

 私は、これまで民主党政権は日本の自壊の道と懸念し、ささやかながら啓蒙に努めてきたが、今回の選挙でわが国は国民の圧倒的多数の選択によって、崩落への扉が開かれつつあると思う。デモクラシーは、民衆が政治に参加する制度であり、一般的な参加方法は選挙である。民衆が賢者の知恵を働かせれば、国家は平和と繁栄の道を行く。しかし民衆が愚民に堕すれば、国家は多数決によって自壊滅亡の道を行く。

 昭和44年12月の衆議院議員総選挙では、日本社会党が事前の予想に反して、大敗した。それによってわが国の社会主義化は防がれた。日本人の精神を持った人々の良識が、最後の段階で働いたのである。しかし、ちょうど40年後の本年、民主党による政権交代は実現した。民主党は社会主義を標榜する政党ではない。しかし、その思想・政策は、多分に社会民主主義的である。今回の選挙では、日本国民は、40年前より日本精神を失ってきている。自民党の政治家も支持者も同様である。私は、この度の政権交代の背景にあると思う。

●自民党の出直し

 自民党は今回の選挙で結党以来の大惨敗をした。この結果を猛省し、国民の支持を取り戻せるよう、自民党は一から出直すべきである。
 自民党は、長期的に腐敗・堕落を続け、単独では政権を維持できなくなり、公明党と連立を組んだ。この10年の間、自民党は権力維持のために、創価学会と一体化した政党に変質した。私は、自民党は、ここで公明党との連携をやめ、出直すべきだと思う。
 自民党は、公明党との連立のもと、小泉―竹中政権が、新自由主義、市場原理主義を導入した。それによって家庭や企業、社会におけるわが国のよき伝統が毀損され、利己主義が蔓延し、格差社会が出現した。また政府が、アメリカの圧力に屈し、郵政民営化を推進して、外資への売国を進めた。国民は、自民党から新自由主義、市場原理主義の勢力を駆逐すべきである。
 今後、自民党の建て直しは、相当困難な課題だろう。日本的保守が大切にしてきた大同団結の精神を失えば、些細な意見の違いから、四分五裂するかも知れない。かつての日本社会党の末路を後追いすべきではない。

●公明党の擦り寄り

 公明党は、選挙の結果、これまで同党を率いてきた幹部、太田昭宏氏、北側一雄氏、冬柴鉄三氏が三人揃って議席を失った。比例代表に重複立候補をしないという戦術の失敗だろう。自民党は、多くの有力政治家が比例に重複立候補することで、議席を確保した。これに比べ、公明党の傷はずっと深いだろう。
 もともと公明党は、自民党政権を批判する「中道政党」を売りにしていた。自・自・公連立で政権に就いてから、自民党との関係を深め、国家権力にあずかってきた。そして、この10年、自民党の延命装置の役割を果たすことで、小党でありながら、国家権力を掌中にしてきた。
 元公明党委員長だった矢野絢也氏は「黒い手帖 創価学会『日本占領計画』の全記録」(講談社)にて、公明党が権力に与し、与党であろうとする最大の理由は、池田大作氏の国家喚問を防ぐためであると述べている。氏の個人的なスキャンダルが国会の場で追及されるのを防ぐことは、創価学会の最重要課題だろう。民主党に政権が移ったことにより、公明党は自民党に距離を置き、池田氏擁護のため、与党・民主党に擦り寄り、連立政権に参加して権力への復帰を図るだろう。
 再来年には、都知事選を含む統一地方選挙が行われる。公明党は、以前から都知事選を重視している。創価学会の本部のある東京都の行政に影響力を持つことを、公明党は重要な目標としている。それゆえ、新政権の発足後、しばらくすると「民公連立」への動きが出てくる可能性があると思う。

●日本の再建

 私は、伝統尊重的保守を自認している。伝統尊重的とは、わが国の伝統を尊重する立場であり、皇室の崇敬、家族の絆、誇りある歴史観、道徳の涵養、自然との調和等を重要視する立場である。それゆえ民主党に対して、私は、厳しく批判的である。民主党の政治家の多数は、リベラルないし社会民主主義である。社民党・共産党は論外である。
 私は、自民党の中の経済優先的保守に対しても、批判的である。経済優先的とは、経済的自由主義をよしとし、物質的利益の追求を、わが国の伝統の保持よりも優先する立場である。また自民党には、保守系のリベラルもおり、私は彼らに対しても批判的である。
 伝統尊重的保守の政治家は、民主党、国民新党、無所属にもいる。今回の選挙後、そうした政治家が結集し、新たな勢力を作ることが、望ましいと私は考える。伝統尊重的な保守は、公明党への依存をやめ、自立すべきである。従米媚中の保守・リベラルへの迎合を改め、独立自尊の道を行くべきである。そして、国民の良識に訴え、日本の精神的伝統に基づいた国づくりを目指すべきだと思う。

 8・30衆議院選挙の結果、わが国は、本年かつてない混迷に陥ることとなった。折りしも天皇陛下御即位20年というこの年に。民主党中心の新政権は、御即位20年の記念事業にも消極的な対応をするだろう。
 混迷の中から、日本の伝統を守る勢力が復興しえるかどうか。わが国は精神的な意味で、真に存亡の危機に直面している。日本人が真の日本精神に目覚めない限り、日本の自壊の道を防ぐことはできない。
 日本を愛し、日本の伝統を大切に思う人々は、自らの魂を呼び覚まし、日本の再建に努めよう。

 以下、資料として、本日の新聞2紙の社説をクリップしておく。

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●読売新聞 平成21年8月31日号

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090831-OYT1T00195.htm
民主党政権実現 変化への期待と重責に応えよ

 自民党政治に対する不満と、民主党政権誕生による「変化」への期待が歴史的な政権交代をもたらした。
 30日投開票の衆院選で民主党が大勝し、自民党は結党以来の惨敗を喫した。
 野党が衆院選で単独過半数を獲得し、政権交代を果たしたのは戦後初めてのことである。
 近く召集される予定の特別国会で、首相に指名される民主党の鳩山代表が、国家経営の重責を担うことになる。

◆自民党への失望と飽き◆
 このような民意の大変動の要因は、自民党にある。
 小泉内閣の市場原理主義的な政策は、「格差社会」を助長し、医療・介護現場の荒廃や地方の疲弊を招いた。
 小泉後継の安倍、福田両首相は相次いで政権を投げ出した。
 麻生首相は、小泉路線の修正も中途半端なまま、首相としての資質を問われる言動を続けて、失点を重ねた。
 この間、自民党は、参院選敗北によって参院第1党の座を失い、従来の支持・業界団体も、自民離れを加速させた。
 構造改革路線の行き過ぎ、指導者の責任放棄と力量不足、支持団体の離反、長期政権への失望と飽きが、自民党の歴史的敗北につながったと言えよう。
 民主党は、こうした自民党の行き詰まりを批判し、子ども手当や高速道路無料化など家計支援策、多様な候補者を立てる選挙戦術で有権者の不満を吸い上げた。
 小泉政権下の前回衆院選では、「郵政民営化」と刺客騒動で、自民党に強い追い風が吹いた。
 今回、風向きは一転、「政権交代」を唱えた民主党側に変わり、圧勝への勢いを与えた。この結果、自民党だけでなく、連立与党の公明党も大きな打撃を受けた。
 民主党政権に「不安」は感じつつも、一度は政権交代を、との有権者の意識が、それだけ根強かったと見るべきだろう。
 しかし、300議席を超す勝利は、必ずしも、民主党への白紙委任を意味するものではない。

◆政権公約の見直しを◆
 鳩山新内閣は、政権公約(マニフェスト)で示した工程表に従って、政策を進めることになる。だが、“選挙用”政権公約にこだわるあまり、国民生活を不安定にさせてはならない。
 最大の課題は、大不況から立ち直りかけている日本経済を着実な回復軌道に乗せることだ。雇用情勢の悪化を考えれば、切れ目のない景気対策が欠かせない。
 来年度予算編成でも、景気浮揚に最大限の配慮が必要だ。
 外交・安全保障では、政権交代によって、国際公約を反故(ほご)にすることは許されない。外交の継続性に留意し、日米同盟を堅持しなければならない。
 民主党は、参院では単独過半数を持たないことから、社民、国民新両党と連立政権協議に入る。
 懸念されるのは、自衛隊の国際平和協力活動など、外交・安保の基本にかかわる政策をめぐって、民主、社民両党間に大きな隔たりがあることだ。
 少数党が多数党を振り回すキャスチングボート政治は、弊害が大きい。民主党は、基本政策で合意できなければ、連立を白紙に戻すこともあり得るとの強い決意で、協議に臨むべきだろう。
 民主党は、「官僚政治からの脱却」も目標に掲げている。だが、首相直属の「国家戦略局」を設けたり、多数の国会議員を各府省に配置しさえすれば、官僚を動かせるというものではない。
 官僚と敵対するのではなく、使いこなす力量が問われる。官僚の信頼を得て初めて、政策の遂行が可能になることを知るべきだ。
 自民党は1955年、左右の社会党の統一に対抗する保守合同によって誕生した。
 当時のイデオロギー対決はすでになく、かつての社会党も存在しない。今回の自民党の壊滅的な敗北は、自社主軸の「55年体制」の完全な終幕を告げるものだ。

◆自民党は立ち直れるか◆
 自民党は、これから野党時代が長くなることを覚悟しなければなるまい。民主党とともに2大政党制の一角を占め続けるには、解党的出直しが必要だ。
 93年、自民党は金権腐敗から一時期政権を退いた。その後、社会党や公明党などとの連立で政権を維持してきた。
 しかし、自己改革を怠り、結局、有権者の手によって、再出発を余儀なくされた。
 今後は、麻生首相に代わる新総裁の下、来年夏の参院選に向け、党の組織や政策、選挙体制など、すべての面にわたり徹底的な改革が迫られる。
 説得力のある政策を示し、民主党政権に対する批判勢力として、闘争力を高めねばならない。
(2009年8月31日05時28分 読売新聞)

●産経新聞 平成21年8月31日号

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090831/stt0908310524001-n1.htm
【主張】民主党政権 現実路線で国益を守れ 保守再生が自民生き残り策
2009.8.31 05:23

 第45回総選挙が投開票され、民主党は選挙区、比例代表ともに自民党を圧倒した。
 野党が単独で過半数を占め、政権を樹立するのは戦後初めてだ。自民党主導政治を終焉(しゅうえん)させるという歴史的な転換点になった。13年前の総選挙から導入された小選挙区制による政権交代を可能にする二大政党制が、ようやく機能した意味は大きい。民主党が自民党批判の受け皿になったのである。
 問題は、政権交代が目的化し、この国をどうするのかという選択肢がほとんど吟味されぬまま、結論が導かれたことだ。
 民主党主導の新たな政権により、これまでの内政・外交の基軸は大きく変わらざるを得ないだろう。自民党が曲がりなりにも担ってきた戦後秩序も変化を余儀なくされる。場合によっては、日本を混乱と混迷の世界に投げ込むことにもなりかねない。政権交代が日本を危うくすることもあるのだ。そうなることは民主党にとっても本意ではないだろう。
 国の統治を担う以上、民主党には国益や国民の利益を守る現実路線に踏み込んでほしい。マニフェスト(政権公約)で掲げた政策の修正を伴うケースも出てこようが、1億2千万の日本人の繁栄と安全を守り抜くことをなによりも優先させるべきだ。

≪危ういポピュリズム≫
 今回の選択で留意すべきは、民主党の政策が高く評価されたというより、自民党にお灸(きゅう)を据えることに重点が置かれたことだ。たとえば、民主党が掲げた「高速道路の原則無料化」に対し、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では、反対が65%と賛成(30%)の倍以上となった。
 政権を担う民主党の力量に不安があることも事実だ。本来、政権交代のたびに基本政策が大きく変わることは好ましくない。とくに外交・安全保障政策の基軸が揺れ動いては対外的信用を失う。
 民主党はこれまで、インド洋での海上自衛隊による補給支援を一時的に撤退させ、在日米軍駐留経費の日本側負担に関する特別協定に反対してきた。小沢一郎前代表の政局至上主義のためだが、「党利党略は水際まで」の原則を否定したのでは信頼は高まらない。
 その意味で、維持されるべき日本政治の方向性とは、日米同盟を基軸とした外交・安保政策の継続であり、構造改革の推進により経済や社会に活力を取り戻すことにほかならない。民主党が現実的な判断に立ち、これらを継承することができないなら、何のための政権交代かということになる。
 また、国民の政治に対する判断はどうだったのだろう。4年前の総選挙では、小泉純一郎首相が掲げた郵政民営化を圧倒的に支持した。それが今回は、民主党の主張する「政権交代」というキャッチフレーズに熱狂的に共鳴したといえる。
 2年前の参院選でも民主党は勝利したが、振り子の激しさは政治を不安定にしかねない。とりわけ、単一イシュー(争点)に白黒をつけることが最大の選択肢となることは、単純明快かもしれないが、ポピュリズム傾倒の危うさがあると認識すべきだろう。
 一方で、多くの国民が民主党に閉塞(へいそく)感を払拭(ふっしょく)することを期待したのも間違いない。民主党が公約に掲げた首相直属の国家戦略局は、予算作りだけでなく、国家ビジョンを検討するという。

≪敗北を徹底検証せよ≫
 これまで、こうした外交・安保政策の司令塔はなかった。官僚主導から政治主導への成果を出すことができなければ、国民の失望感は大きくなるだろう。
 自民党は歴史的な惨敗になった。党幹部や閣僚らは相次いで選挙区で落選・敗退した。解党的出直しへの答えを見いだせないまま選挙に臨み、政権から退場を求められたといえる。自民党政治への不信や行き詰まり感が広がったことに加え、保守政党としての存在意義を十分発揮できなかった点も見過ごせない。
 新憲法草案の策定など、民主党に比べれば保守色をみせていたが、集団的自衛権行使の政治決断には至らず、国の守りに関しても不十分さが残った。
 公明党との連立下でもイラク自衛隊派遣などの業績は挙げたが、連立の常態化が何をもたらしたかを考えるべきだった。敗北を徹底的に検証してもらいたい。保守政党として民主党への対抗軸を早急に構築し、再生を果たして国民の期待に応える責務がある。
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