ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

麻生太郎氏の講演再び4

2008-05-19 09:26:48 | 時事
(麻生太郎氏の講演大要の続き)

 高齢者は働く、ということを考えたほうがいい。働かせた方がいい。高齢者は金を持っている。それに元気だ。寝たきりは一部だけだ。遊ぶ金を持っている。高齢者がやりたくなるようなことを開発するといい。どこの会社でも開発というと若いやつばかり働いている。そんな会社の経営者はたいしたことがない。高齢者が増えていくんだから、高齢者が喜ぶことを考えろ。
 65歳以上が今から一挙に増える。団塊の世代が高齢者になっていく。若い人は減っていく。金も持っていない。高齢者は金を持っていて、元気だ。

 新宿の京王デパートに行ったことのある人はいるか。行ってみて下さい。ここは高齢者しか来ていただかなくていいというところ。店内が全部高齢者向けにしてある。
 エスカレーターは遅い。通路は広い。正札は上から下がっていない。ふんどし(註 吊り広告)がない。高齢者は上を見ないから、全部下に張ってある。店員が全部、客に声をかける。売り子が客の名前を覚えている。売り子をずっと替えない。替えると高齢者はわからなくなってしまう。デパートなのに、商店と同じにしている。店員は客の名前を覚えると、点数がつく。
 このデパートの店長が2ヵ月半、毎日巣鴨の刺抜き地蔵の商店街に通った。どうして他の商店街はさびれていくのに、ここばかりどんどん伸びているのか。高齢者は金を持っている。元気だ。だけど寂しい。だから巣鴨の商店街では、売り場を変えない。変えると高齢者は迷ってしまうから。ずっと同じにしている。客の名前を覚えて声をかける。
 新宿の京王デパートは、日本中のデパートで、15年間増益をやっている。増収だけでなく、増益をやっているのは、ここだけだ。 
 
 ホンジュラスに青年海外協力隊が行った。子供たちは学校に来ない。勉強が出来ない。ひどい状態だった。海外協力隊の青年たちはその様子を見て、結論を出した。教科書が悪い。もちろんスペイン語で書いてある。みなで算数の本を作り、先生向けの副読本も作った。それを寄付した。すると3年で子供たちが学校に行くようになり、成績が上がった。
 それを見た周囲の国が、その教科書を売ってくれと言ってきた。20~30代の日本の青年たちは、版権をホンジュラス政府に渡してあると答えた。ホンジュラス政府は、この本をはじめての国定教科書にした。

 BBCが国際調査をして、2万7800人に聞いた。世界に最もよい影響を与えている国はどこかという質問だ。3年間やって、3回連続、日本が一番だ。
 なぜ一番か。ODAの額ではない。日本はODAの額では5番に落ちている。ドイツより下だ。金ではない。インドネシアに行って交番を広めた日本人女性がいる。女性のおまわりさんを置いた。女性に仕事を与えた。それが評判がいい。その女性も自ら行って現地で働いた。それが日本の勤労の哲学、美学だ。

 日本は5番目の大変化の時にある。日本人は国体の大変化に対応できると私は信じている。みなさんが、経営者やそれぞれの立場で、きちんと腹に収めてやってほしい。
 この国の将来は明るい。暗くない。明るいと私は確信している。(了)
 
 感想・私見は次回に。