ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

脱少子化フォーラムの報告3

2006-07-19 09:56:44 | 少子化
 プログラムの最後は、パネルだった。

5.パネルディスカッション「脱・少子化~子を持つ喜びを」

●パネリスト
 東京都議会議員・山崎孝明さん
http://www.yamazaki-takaaki.gr.jp/
 NHK教育テレビ「つくってあそぼ」の「わくわくさん」こと久保田雅人さん
http://www.nhk.or.jp/kids/program/tsukutte.html
 筑波大学臨床教授・佐々木純一さん
 神霊教事務局・二橋英一郎さん
http://www.srk.info/
●コーディネーター
 「助産婦石村」所長・石村あさ子さん
http://www.josanpu-ishimura.com/

 私(ほそかわ)が取ったメモに基づいて、印象に残った発言を紹介します。文責はすべて私にあります。

石村さん:急速な少子高齢化についてどう思うか。

山崎都議:私は母が助産婦だった。石村さんを応援している。少子化がこのまま進めば、人口は減少し、国力は衰え、国がなくなってしまう。議員も医者も一般の人もみなで考えねばならないこと。今日のような催しを日本全国に広めていきたい。

久保田さん:私は番組や仕事でこれまでに百万人の子どもと接している。一人産むと「もういい」というお母さんが多い。「しんどい」と言う。もっと子育てを楽しんでほしい。大家族の楽しさを、子どもに伝えて欲しい。脱少子化はここ数年が勝負だと思う。

佐々木教授:現在の産婦人科の立場で言うと、少子化はむしろありがたい。というのは、分娩を取り扱う産婦人科医の数がすごい勢いで減っている。一人の医師が多くの分娩を扱うので、大変な状況になっている。宿当直が多くてハードワークだし、出産に関する訴訟が増え、産婦人科医をやめる人が多い。

二橋さん:65歳以上が、21%。15歳以下が13%。世界で最も高齢化・少子化が進んでいる。未婚率の上昇、出生率の低下など、このままでは日本は大変なことになる。

石村さん:なぜ少子化が起こっていると思うか。

久保田さん:結婚しない人が多い。私の周りでもそう。遊んでいたい、自由でいたいと言う。それに「結婚したいと思うような男がいない」と言う。男が弱くてナヨナヨしている。
 30年位前から、出生率が2.0を割った。そのころからニューファミリーが出てきた。祖父母と暮らさない人が多い。

石村さん:助産師さんでも結婚していない人が多い。「男の人が頼りない」と言う。

佐々木教授:産む人はたくさん産むが、産まない人は全く産まない。個人的には、核家族化の影響が大きいと思う。子ども(兄弟姉妹)が多いと、自分にも将来、子どもが多くいるのが当然と思う。子どもが少ないと、自分も少なくなる。

久保田さん:沖縄には、子どもが4~5人いる人が多くいる。東京では一人っ子が多い。東京のある大規模団地では、総園児数が30人くらいしかいない。

佐々木教授:妊婦さんがもうつらいから切ってくれという。そのとおりにすれば、半分は帝王切開になる。そこを、なだめすかして頑張らせている。
 分娩は多くの場合は自然に任せていればうまくいく。順調に進まない場合、医師には複数の選択肢があり、どれが正しいかは、そのときはわからない。結果が悪いと非難されてしまうが、医学は答えが一つに決まる数学とは違う。トラブルが起こらないように、神様に祈るしかない。

山崎都議:少子化には、外面的と内面的の原因がある。つまり、社会的経済的なものと思想・価値観によるものとがある。
 住宅について言うと、結婚すると二人だけで暮らしたいと考える人が多い。若くてもローンで住宅が持てる。返済にお金がかかるから、子どもにお金を回せないので、子どもを多く持てない。
 戦後、考え方、価値観が大きく変わった。親と仲良く、親を大切にという考え方が薄れている。自分さえよければいいという風潮になっている。これは戦後の教育の大失敗だ。個人主義が蔓延している。
 家族の団欒(だんらん)がなくなっている。親子・夫婦・祖父母・孫が一緒に食事をするのが、家族団欒だ。自分は何が出来るか、ウチには何ができるかを考えよう。せめて月1回でも家族みなで食事するようにしてほしい。

 次回に続く。