ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

「中東がまた面倒な状況に」をアップ

2019-10-06 09:38:41 | 国際関係
 9月26日から10月5日にかけて、ブログに連載した中東情勢に関する拙稿をまとめて、マイサイトに掲示しました。通してお読みになりたい方は、下記へどうぞ。

■中東がまた面倒な状況に~イランとフーシー派の動き
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http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion12.htm
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中東がまた面倒な状況に~イランとフーシー派の動き4

2019-10-05 09:55:58 | 国際関係
●イランがフーシー派に巡航ミサイルを供給

 フーシー派は、イエメンで内戦が続いていた2017年11月以降、サウディアラビアに向けて少なくとも2度、巡航ミサイルを発射した。1度目はキング・ハーリド国際空港、2度目はサウジ南西部のハミースムシャイトに向けたものだったが、どちらも標的には命中せず、サウディ政府はミサイルを撃墜したと発表した。また、フーシー派は、内戦に介入したアラブ首長国連邦(UAE)に向けても、弾道ミサイルを発射した。これは、同国西部で建設中のバラカ原子力発電所を狙ったもので、フーシ派は「標的に命中させた」と主張したが、ミサイルは飛行途中で墜落した模様で、原子力発電所に被害は生じなかった。
 フーシー派は、独力で弾道ミサイルを開発したとし、「ブルカーンH2」と命名している。だが、公表されたビデオを見た専門家は、ミサイルの外見がイラン製の地対地巡航ミサイル「スーマール」と酷似していると指摘した。スーマールは、ロシア製の空対地巡航ミサイルKh-55をイランが改造し、ロケットブースターを追加し地対地化させたものといわれる。イランがフーシー派に、この最新鋭兵器を供給していたことがほぼ確実となった。
 2017年12月14日、米国のニッキー・ヘイリー国連大使は、フーシー派が発射した弾道ミサイルの残骸を提示して、イランが武器を供給している具体的な証拠だとし指摘し、イランによる武器の供給は国連安保理決議違反だと非難した。
 フーシー派は、今年5月以降、サウディアラビアへの攻撃を活発させたと伝えられる。これは、米国がペルシャ湾周辺の軍事プレゼンスを増強してイランへの圧力を強化した時期に重なることが指摘されている。それゆえ、今回、9月14日にサウディアラビアの石油施設への攻撃を行なったのは、「サウジへの報復のみならず、米・サウジによるイラン包囲網を揺さぶることを狙った可能性がある」、と産経新聞の佐藤貴生記者は、17日付の記事に書いている。

●日本のタンカーへの攻撃もフーシー派の仕業か

 今回のサウディへの攻撃の約3カ月前、2019年6月13日ホルムズ海峡近くで日本とノルウェーのタンカー2隻が何者かによって攻撃を受けた。安倍首相がイランを訪問し、米国とイランの間の緊張の緩和を図っていたまさにその時の出来事だった。同月20日には米国の無人偵察機グローバルホークがイラン付近の海上で撃墜された。これによって、米国とイランの間の緊張が一層高まった。米国とイランの主張は真っ向から対立しているが、いずれもイランの革命防衛隊の関与が疑われている。7月11日には、イギリスのタンカーがイランの革命防衛隊によって拿捕されかかった。イギリスの護衛艦がタンカーを守ったが、もしそのような機動力を持たない国のタンカーが狙われたら、大きな事件になるところだった。この時は、イランの革命防衛隊が動いた。だが、米国は、先のタンカー攻撃をイランの革命防衛隊の所業と断定していない。イラン側は、関与を否定している。
 本件について、作家の佐藤優氏は、フーシー派によるものではないかという見方をしている。
佐藤氏は、「現代ビジネス」のサイトのインタビュー記事(2019年6月30日付)で、先のタンカー攻撃には4つの可能性があるという。
 第1は、イランの最高指導者ハメネイがが「大ウソつきだという可能性」。「この最高指導者が実は大ウソつきで、安倍さんには「平和を望んでいる。核はつくらない」と言いながら、後ろで「やってこい」と命令していた可能性。でも、そんなことをやったら、ハメネイさん自身が「いったいどういう人だ?」と言われて、国際社会からの信用がゼロになっちゃうでしょ。イラン国内でも。だから、ないと思うのね」と佐藤氏は言う。
 第2は、「イスラム革命防衛隊が暴走して、ハメネイさんの知らないところでやった」という可能性。「一見、説得力がありそうに見えるんだけれど、これだとハメネイ師が国家を統治できていないということになる。そういう状況ではないと思う」と佐藤氏は言う。
 第3は、「アメリカの謀略」という可能性。
「しかし、謀略がばれたら大変なことになりますよね。流石にそんなことはしない」と佐藤氏は言う。
 そのうえで、佐藤氏は、第4の可能性として、フーシー派による攻撃を挙げる。
「フーシー派が、もしアメリカとイランの関係が正常化していく方向に向かうのだったら、まず、アメリカとの関係でイランはフーシーの支援をやめる。そうしたらおカネも来なくなる。兵器も来なくなる。自分たちは逆にサウジ系の勢力によってやられちゃう。ならば、紛争が続いたほうがいい。そうなると、やる可能性があると思う」と。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65460

●イラン革命防衛隊の破壊工作の可能性も

 佐藤氏は、イランの革命防衛隊による攻撃の可能性を否定しているが、私は、その可能性を排除すべきでないと考える。軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は、「ビジネスインサーダー」のサイトの記事(9月17日付)に次のように書いている。
 「イランの軍事的な対外政策は、政府ではなく軍部が主導している。今回のような破壊工作であれば、イスラム革命防衛隊(IRGC)の特殊部隊である「コッズ部隊」が関与した可能性が高い。そして、ロウハニ大統領らがそのことを知らされていない可能性も十分にありうるのだ」と黒井氏は言う。
 黒井氏によると、ハメネイ最高指導者の下に、それを補佐する側近集団「最高指導者室」があり、そのなかに安全保障政策を担当する「最高指導者軍事室」がある。その下に置かれた「イラン軍事参謀総長」が事実上の軍部トップで、その指揮下に、軍隊と警察治安部隊がある。イランの対外戦略の最終的な決定権者はハメネイ最高指導者だが、「最高指導者が細かいところまですべていちいち指示しているわけではない。実際に決定権の多くを行使しているのは、いわばイスラム保守派=軍部連合とでも呼ぶべき陣営だ」。革命防衛隊も国軍もハメネイ最高指導者の指揮下にある軍隊で、ロウハニ大統領の指揮下にはないと黒井氏はいう。それゆえ、ロウハニ大統領らがそのことを知らされていない可能性も十分にありうるというわけである。
https://www.businessinsider.jp/post-198848

●わが国は対応態勢の確立を急げ

 今回のサウディアラビアの石油施設への攻撃は、「世界のエネルギー供給に対する前代未聞の攻撃」である。イランが関与したものか、フーシー派によるものか、真相は、近いうちに明らかになるだろう。この問題には、米国とイラン、サウディとイラン等の国家間の対立だけでなく、イスラーム教の宗派間の対立やイエメン内部の勢力争い等が、複雑に絡んでいる。いずれにしても、中東がいよいよ面倒な状況になりそうな状況となっている。わが国の対応態勢の確立が急がれる。その対応態勢に関しては、8月17日付の拙稿「ホルムズ海峡で緊張増大~自国の船は自国で守れ」に書いた。
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion12.htm(目次からE07へ)
 その後、1カ月以上たつが、具体的な進展が見られない。最初、政府で偵察機だけを派遣するという案が検討されていると報じられ、次に護衛艦を派遣する案が検討されていると伝えられた。ともに米国が主導する有志連合には参加せずに、自衛隊を派遣して、各国軍に情報を提供するという案である。だが、米国とイランの間の緊張が少し緩むと、その話も報道されなくなっていた。今回のサウディアラビアの石油施設への攻撃は、重要施設が破壊されたので、復旧には最大で数カ月かかるという。長期化すれば、産業や国民生活に影響が出てくる。また、今後、米国とイラン、サウディとイラン、イエメンの諸勢力の関係が短期間に大きく改善される見込みはない。むしろ、また次の攻撃・破壊が起こる可能性を想定して、いざとなったとき、すみやかに対応できるよう態勢を整えるべきである。(了)

関連掲示
・拙稿「ホルムズ海峡で緊張増大~自国の船は自国で守れ」
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion08.htm
目次からE07へ
・拙稿「イスラームの宗教と文明~その過去・現在・将来」
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion12-2.htm

************* 著書のご案内 ****************

 細川一彦著『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1

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中東がまた面倒な状況に~イランとフーシー派の動き3

2019-10-01 09:50:23 | 国際関係
●サウディアラビアとイエメンの関係

 2014年9月シーア派の過激派フーシー派が首都サヌアを占領し、2015年1月22日にクーデタを起こし、ハディ暫定大統領とバハーハ首相を辞めさせ、政権が崩壊した。2月6日にはフーシー派が議会を強制的に解散し、暫定統治機構として大統領評議会を開設し、「憲法宣言」を発表した。これによって、イエメンは2011年以来の政権移行期プロセスが崩壊し、国家そのものも崩壊の危機に瀕した。
 隣国イエメンの民主化過程の後ろ盾になってきたのが、サウディアラビアである。イエメンのクーデタは、サウディにおける王位交代の隙を突いたものと見られた。中東問題の専門家・池内恵氏は、当時、「サウジの内憂と裏庭のイエメンの外患は連動している。そして、サウジが揺らげば、中東の混乱は極まる」と述べた。
 サウディはスンナ派アラブの盟主を自任する。イエメンのフーシー派はシーア派の一派、ザイド派を信奉する。シーア派大国のイランはザイド派を支援している。サウディは、イエメンでイランが影響力を増すことを警戒している。
 2015年2月15日国連安保理は、全会一致で、政府施設を制圧しているフーシー派に即座・無条件で権限を大統領・首相に戻すように要求する決議をした。ただし、決議を主導した湾岸協力理事会(GCC)の求めていた国連憲章第7章の軍事的強制力は盛り込まれなかった。そのため、実力行使でフーシー派を排除する手段はなく、犬の遠吠えに終わった。そうしたなか、サウディは、同年3月末、イエメンの内戦に介入し、フーシー派への空爆を開始した。イエメンは、サウディなどから経済封鎖を受けており、世界最悪といわれるほどの人道的危機に直面することになった。また、サウディのイエメン空爆によって、サウディとイランとの対立が深まった。
 2016年(平成28年)1月に、サウディアラビアとイランが断交するに至ったが、その理由の一つに、イエメン問題が挙げられる。
 サウディアラビアとイランが断交した情勢について、山内昌之氏は、著書『中東複合危機から第三次世界大戦へ』に次のように書いている。
 「1980年のイラン=イラク戦争で始まったシーア派対スンナ派の対立激化は、次々と新たな衝突ひいては戦争に発展し、宗派と政治の絡んだ文明内対立はこれから深化することはあっても、薄まることはない。政治化したセクタリアン・クレンジング(宗派浄化)の恐怖は、いまや中東の広い範囲に及んでいる。言い換えれば、『宗派戦争』とその脅威は、もはやシリア戦争やイエメン内戦やバハレーン紛争を超えてしまった。2016年のイランとサウディアラビアの危機は、現代中東のいちばん深い『宗派的断層線』(sectarian fault lines)がどこに横たわっているかをまざまざと見せつけたのである」 と。
 ここで、「セクタリアン・クレンジング(宗派浄化)」とは、エスニック・クレンジング(民族浄化)の概念を、イスラーム教の宗派間に応用したものである。また「断層線」は、ハンチントンが使った概念であり、ハンチントンは、文明の衝突は文明間の断層線(フォルトライン)で起こると指摘した。山内氏は、これを文明内の宗派間にも用いているものである。

●イエメンの内戦でフーシー派が優位に

 フーシー派は、サーレハ元大統領と蜜月関係にあったが、サーレハがサウディに接近したことによって、両者の関係が悪化した。2017年12月はじめ、フーシー派とサーレハ派が決裂し、戦闘が激化した。中東問題の専門家・高岡豊氏によると、サーレハ派が、サナア空港、国防省、中央銀行、国営通信社やテレビ局を制圧する一方、フーシー派はサーレハ派のネットサイトや系列の報道機関などを停止した。サーレハの与党である国民全体会議党(GPC)もフーシー派に対する蜂起を宣言した。サーレハは、サウディが率いる連合軍に対し、イエメンに対する攻撃と封鎖をやめるよう呼びかけ、双方の関係で「新たなページを開く」と表明した。連合軍に参加した諸国やその報道機関は、サーレハ派によるフーシー派への決起を「脱イラン、アラブへの回帰」と認識して歓迎した。
 だが、フーシー派とサーリフ元大統領派との連携と対立は、2011年以来のイエメン政情の混乱の中での政治・経済的な権益争いを原因としたものであり、ハディ前大統領派、各地の部族、南イエメンの独立運動等の紛争の諸当事者が持つ権益、また獲得を目指す権益が複雑に絡み合っているとのことである。
https://www.meij.or.jp/kawara/2017_132.html
 フーシー派は、2017年12月4日にサーレハを殺害した。これによって、フーシーア派が、優位に立った。

 次回に続く。

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 細川一彦著『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
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中東がまた面倒な状況に~イランとフーシー派の動き2

2019-09-28 09:29:28 | 国際関係
●イエメンのフーシー派とイラン及びサウディの関係

 イエメンでは、2011年1月「アラブの春」と呼ばれるチュニジアでのジャスミン革命、エジプトでの民衆革命等の影響を受けて、市民による反政府デモが発生した。この結果、サーレハ大統領が退陣し、ハディ副大統領が翌年2月の暫定大統領選挙で当選した。
 ここでその存在が国際社会に広く知られたのが、フーシー派である。公益財団法人中東調査会主席研究員の高岡豊氏によると、フーシー派の組織名は「アンサール・アッラー(アッラーの支持者)」という。シーア派のザイド派の集団である。1986年にイエメンのサアダ県で、フサイン・フーシーが中心となってはじめたザイド派の政治・社会的復興を志す学習サークルが前身である。フーシーらは、イラン革命後のイランの動きに大いに影響を受け、フーシー自身もイランに渡航したことがあるという。
 フーシーは、1990年代半ばに国会議員に選出された。この時点では、彼らの運動は、イエメンの体制内で活動する政治・社会運動だった。しかし、2002年から会合の際に、「神は偉大なり、アメリカに死を、イスラエルに死を、ユダヤは地獄行き、イスラームに勝利を」とのスローガンを用いるようになった。9・11、アフガン戦争、イラク戦争の前後という時代背景がある。サーレハ政権は、対外関係を意識して、このスローガンの使用をやめさせようとした。そのため両者の関係は悪化し、2004年~2010年にかけ、6度にわたり大規模な軍事衝突が発生した。この紛争で、フサイン・フーシーは死亡し、現在の指導者であるアブドゥルマリクが指導者となり、組織名は「アンサール・アッラー」となった。
 ザイド派は、シーア派の宗派の一つとみなされが、イランの国教とされる十二イマーム派とは、歴史上のどの人物をイスラーム共同体の指導者(イマーム)とみなすかについて見解が異なる。また、十二イマーム派が信じる第12代イマームの「隠れ(ガイバ)」と終末時の再臨を否定するなど、シーア派の諸宗派との違いがある。
 高岡氏によると、ザイド派は抑圧などに対する積極的な武装闘争を奨励する傾向がある。
 フーシー派が武装勢力として顕在化したのは、イエメン政府と最初に軍事衝突した2004年である。高岡氏によると、正確な兵力は不明だが、10万~30万人との推計がある。装備については、イランから調達している、イランが提供しているとたびたび指摘されており、イエメン政府などによる摘発事例もあるという。
 2004年の最初の軍事衝突の時点では、「反米・アル=カーイダ系」と位置付けられることがあったが、「イスラーム国」や「アラビア半島のアル・カーイダ」は宗派主義的二元論に基づいてフーシー派を攻撃する傾向にある、と高岡氏は指摘している。
 高岡氏は、「フーシー派を単に『イランの代理・傀儡』とみなすことにより、ザイド派という宗派集団や、サアダ県やその周辺の地域が置かれている被抑圧状況を見落とすことになりかねない。特に、フーシー派も2012年からのイエメンの政治的移行の過程に当初は参加していたことから、彼らの政治・経済・社会的な要求が何処にあるのかを見極め、イエメン全体で適切な国政運営や権益配分を追求することが紛争打開の基礎となろう。そうした中で、宗派主義的発想や善悪二元論的発想に基づいて彼らを敵視するだけでは問題解決どころか一時的な停戦の実現もおぼつかないだろう」と書いている。
https://news.yahoo.co.jp/byline/takaokayutaka/20171207-00078991/

 次回に続く。

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中東がまた面倒な状況に~イランとフーシー派の動き1

2019-09-26 13:37:51 | 国際関係
 令和元年(2019年)9月14日サウディアラビアの石油施設が何者かによって攻撃された。米国はイランの関与を強調しており、米国とイランの緊張関係が再び高まっている。中東がいよいよ面倒な状況になりそうである。わが国の対応態勢の確立が急がれる。本件について、短期連載する。

●サウディアラビアの石油施設が攻撃を受ける

 各種報道によると、攻撃を受けたサウディアラビアの石油施設は2カ所で、そのうち、サウディ東部アブカイクの施設は、世界最大とされるガワール油田の原油を精製する同国石油産業の「心臓部」といわれる。国営石油会社サウディアラムコは、国全体の日量生産能力の半分以上に当たる570万バレルの生産を停止している。この量は、世界の原油生産量の5%に相当する。原油価格が高騰しており、米国は必要に応じて戦略石油備蓄を放出して価格の安定に努める考えである。
 イラン革命防衛隊の支援を受けるイエメンのイスラーム教シーア派民兵組織、フーシー派が犯行声明を出し、無人機10機による攻撃だったと主張している。これに対し、米国高官は、攻撃はイエメンのある南からではなく、イランに近い西北西から実施され、サウディ当局が巡航ミサイルが使用された証拠を確認していると説明した。ポンペオ国務長官は、「イエメンからの攻撃だという証拠はない」と述べ、攻撃はイランの仕業だと名指しし、「世界のエネルギー供給に対する前代未聞の攻撃を仕掛けた」と非難した。トランプ大統領は当初、14日には米国は「臨戦態勢」にあると述べたが、その後、慎重な姿勢を示し、16日には「戦争は望んでいない」「イランによるものかどうかは調査中」と述べた。イラン側は、関与を否定している。ロウハニ大統領は、16日「イエメンの人々は自衛権を行使している。やられたらやり返すわけで、肝要なのはイエメンへの攻撃を止めることだ」と述べ、攻撃はフーシー派によるものだと主張した。また、フーシー派の報道官は、ツイッターで、同じ施設に対するさらなる攻撃を予告、外国企業に対して近づかないよう警告を発した。
 17日の米国メディアの報道によると、米国の当局者は、攻撃は巡航ミサイルと無人機を使ってイラク国境に近いイラン南西部から行われたという見方をしている。攻撃前にイラン国内で待機しているミサイルと無人機をとらえた衛星写真があると伝えられる。
 イランへの軍事的な報復措置の選択肢として、トランプ大統領に対して、イランの石油施設の破壊、イラン軍のミサイル基地への空爆、これらの施設や基地へのサイバー攻撃等が示されていると伝えられる。イランは、中東一の強国である。軍事的な報復は、反撃に次ぐ反撃によって、大規模な紛争に拡大する可能性がある。国家間の紛争にとどまらず、イスラーム過激派のテロを誘発する可能性もある。トランプ大統領は、慎重にならざるを得ず、軍事力の行使を自制していると見られる。
 トランプ米政権は20日、イランへの対抗措置として、サウディアラビアの防衛体制強化に向けた米軍増派や兵器供与等の軍事的支援策、イラン中央銀行と国立開発基金等への新たな経済制裁を発表した。イランとの軍事衝突は避ける姿勢は維持しつつ、軍事と経済の両面で圧力を強める構えである。トランプ大統領は、9月24日に国連総会に参加し、一般討論や各国首脳との個別会談で、サウディへの攻撃を「イランによる国際経済秩序に対する挑戦」と位置づけ、関係諸国による制裁圧力や軍事的牽制による「イラン包囲網」の強化を働きかけた。だが、仮に包囲網が強化されたとしても、イランは容易に屈服しないだろう。

 次回に続く。

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「文在寅は日米に背き、北朝鮮との合体を目指す」をアップ

2019-09-22 08:51:39 | 国際関係
 9月6日から21日にかけて、ブログに連載した韓国に関する拙稿をまとめて、マイサイトに掲示しました。通してお読みになりたい方は、下記へどうぞ。

■文在寅は日米に背き、北朝鮮との合体を目指す
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文在寅は日米に背き、北朝鮮との合体を目指す6

2019-09-21 13:29:52 | 国際関係
●文在寅は朝鮮労働党の秘密党員か

 先に文在寅大統領について、朝鮮労働党の秘密党員であるという疑惑があると書いた。ジャーナリストで元日本共産党国会議員秘書の篠原常一郎氏は、月刊誌「Hanada」(令和元年10月号)に、「文在寅に朝鮮労働党秘密党員疑惑」という爆弾記事を載せた。
 記事によると、2014年6月15日、韓国にいる朝鮮労働党の秘密党員が、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長宛に忠誠を誓う誓詞文を送っていた。誓詞文には40個人、団体の名前が添えられている。その中に、文在寅大統領の名があるという。
 篠原氏によると、2000年6月15日、韓国の金大中大統領と北朝鮮の金正日総書記が首脳会談を行い、連邦制での南北統一を互いに協力することで共同声明を出した。その14年後に『南北首脳会談14周年』を記念して、韓国の朝鮮労働党秘密党員が、金正恩委員長に祝意と忠誠を示す誓詞文を送った。
誓詞文は「敬愛する金正恩将軍様に謹んで捧げます」という書き出しで始まり、10箇条の誓約を立てている。その内容に次のような文章がある。

 「栄光の朝鮮労働党に限りなく忠実な南の地の革命戦士である我々は偉大な指導者金正恩将軍様に次のように固く盟誓いたします」
「1.歴史的な6・15北南共同宣言発表14周年を迎えて、我々南朝鮮の革命戦士は(中略)共和国南半分で朴槿惠傀儡徒党の自由民主主義体制を叩き潰し、全朝鮮半島に主体思想を実現するのに、一命を藁のように捧げます」
「5.我々は、南側政府の警察、検察など司法部と行政部に浸透し、政府の行政機能を麻痺させ、金正恩将軍様の指導と領導に従うようにいたします」
「9.我々は、いったん有事にはまず第一に軍および警察の武器庫を襲撃し、銃を奪って南朝鮮の国軍、警察、情報機関などを襲撃し、右翼反動勢力を射殺し、金正恩将軍の挙族的な南朝鮮革命と統一戦争に合勢します」

 以上の主旨は、革命によって自由民主主義体制を倒し、主体思想の下で南北統一を目指すということである。この誓詞文に、文在寅大統領の名前が記されている。その他、国情院院長の林東源、盧武鉉政権時代の法務部長官の康錦肅、オーストリア代理大使の李相哲、著名な学者、芸術家、歌手等が名を連ねているという。
 篠原氏は、「すでに、誓詞文に掲げられた誓約は実行に移されつつあるとみています。娘の大学不正入学疑惑が報じられた法務部長官のチョグク氏は文大統領の側近ですが、彼も主体思想の信奉者と言われています。現在、裁判官や判事に主体思想派が送り込まれています。検察解体を狙っているのです」と述べている。
 篠原氏の記事は、ハングル語に訳されて韓国内で読まれており、衝撃が走っているという。今後、韓国の保守系メディアが報道し、韓国国会で追及が行われることが期待される。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190919-00583558-shincho-kr&fbclid=IwAR1GZQoZPMD8GITbqFeMZNAC-IjBu_K8YopJZSJNsmYKjCUIXmRWfefPHaY

●防衛ラインが38度線から対馬海峡まで下がる

 今、東アジアでは、南方で香港の自由を中華共産主義から守れるか、北方で韓国の民主主義を中朝全体主義から守れるかという歴史的な戦いが繰り広げられている。この戦いは、10年から30年後の日本の運命に関わる戦いである。日本人は長期的な展望を持って、香港の民主化勢力を応援し、韓国の反北反共勢力と連携すべきである。
 文大統領は、8月15日、光復節の演説で、「任期内に(南北)統一に向けて歩む」「2032年にはソウル-平壌共同五輪を成功開催し、45年には1つになった国(One Korea)として世界に位置づけられる」と宣言した。中国で作成された2050年の東アジアの予想地図では、朝鮮半島は「朝鮮省」として、中国の一部になっている。文氏の構想のように2045年に北朝鮮との統一国家が出来たならば、その後、統一朝鮮は中国に併合されてしまうだろう。
日本人は、近いうちに、わが国の安全保障の防衛ライン、すなわち非武装地帯(DMZ)は38度線から対馬海峡まで下がるということを想定して、わが国は自国の国防体制をしっかり整える必要がある。
 わが国の国民の多くは、韓国は反日ではあっても、北朝鮮に向かっては、ともに自由とデモクラシーを守る友好勢力と考えて来た。冷戦終了後、韓国軍が常に日本を「仮想敵」として軍備の増強を進めてきたことは、よく知られていない。この点について、軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏が「AERA」2019年9月2日号の記事に、詳しく書いている。要点を抜粋する。
 「たとえば韓国海軍が87年、ドイツに209型潜水艦(潜航時1300トン)3隻を発注した際には、議会で『日本の通商路を遮断するため』と説明した。07年には1万9千トン級のヘリコプター空母を就役させ、『独島(ドクト)』(竹島の韓国名)と命名。日本との対決姿勢を示している」
 「また韓国空軍は1千キロ圏での制空権確保を目標としており、その圏内には東京が入る。韓国空軍の代表が米国防総省を訪れ、空中給油機の売却を要請したこともある。米国側が『北朝鮮の奥行きは300マイル程度。給油機は不要では』と問うと、『東京を爆撃する際に必要だ』と言い放ったという。国防総省の担当者は驚いて日本側にそれを伝え、給油機は売らなかった。
 だが韓国空軍は欧州のエアバス社製のA330給油機4機を発注、最初の1機は昨年11月に到着した。韓国空軍は『独島防衛に有効』と言っている。このほか、爆弾や対地ミサイルを最大11トン積める複座の戦闘爆撃機F15E(韓国用はF15K)59機を保有する。かのB29の最大9トンを上回る積載能力で、戦闘行動半径は1250キロ。空中給油無しでも東京を爆撃できる。
 現在韓国空軍は戦闘機、戦闘爆撃機計590機を持ち、航空自衛隊の330機をはるかにしのぐ」
 「さらに韓国は、射程800キロで名古屋まで届く弾道ミサイル『玄武2C』や射程1500キロの巡航ミサイル『玄武3C』を開発している。北朝鮮の奥行きは500キロ、韓国から北京までは900キロあまりだから、1500キロの射程は日本全土を射程内に入れるためと考えられる」
 「韓国陸軍は人員49万人で、米陸軍の46万7千人を上回り、陸上自衛隊の3.6倍だ」
https://dot.asahi.com/aera/2019090200053.html?page=1

 日本人は、日本を「仮想敵国」として強大な攻撃的戦力を持つ韓国が、今後、北朝鮮と合同して日本に牙をむく日が近づいていることを、真剣に考える必要がある。核兵器を持った統一朝鮮が、日本に強大な圧力をかけてくるという危険を、日本人は感知しなければならない。現行憲法を改正することなくして、日本を守れない。日本人の生命も財産も守れない。誇りも文化も守れない。日本人は、そのことに目ざめるべきである。(了)

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 細川一彦著『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
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文在寅は日米に背き、北朝鮮との合体を目指す5

2019-09-19 10:21:42 | 国際関係
●最大の問題は、GSOMIA破棄

 韓国政府は、8月22日に軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を発表した。大統領府国家安保室の金有根第1次長が、日本政府が「ホワイト国」からの韓国除外を決めたことを挙げ、「両国間の安保協力環境に重大な変化をもたらした」と指摘し、協定維持が「われわれの国益にそぐわないと判断した」と主張した。日本はもとより、米国にも、そして韓国内にも衝撃が走った。
 GSOMIA(General Security of Military Information Agreement)は、主に北朝鮮等の脅威に対応することを想定して、日韓双方が機密情報をやり取りする際のルールを定めたものである。日韓の間で軍事に関する秘密情報を提供された場合、その情報を他国に漏らさないということを約束するものである。
 GSOMIAは、事実上日米韓の枠組みである。日米と米韓はそれぞれ軍事同盟を結んでいる。だが、日韓には同盟関係がない。米国としては、日韓の間にGSOMIAを結ばせることで、3カ国の連携を強化しようとしたものである。韓国は、アメリカからの強い要請を受けた朴槿恵大統領が2016年11月に締結した。効力は1年間で、以後毎年更新されてきた。GSOMIAには、なにより日米韓の連携のシンボル的な意味がある。
 今回韓国は、このGSOMIAを破棄するという衝撃的な発表をした。だが、これは、突然の決定ではない。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、就任初期にGSOMIAの見直しを政策に揚げていた。親北容共の文政権は、北朝鮮との統一国家を目指しており、そのためには日本との安全保障の相互関係を切る必要があると考え、時期と内外の状況を見て、GSOMIAの破棄に至ったものだろう。
 わが国政府の輸出管理強化、日本が韓国を「ホワイト国」から除外、これに対抗して、韓国も日本を除外という展開の過程で、韓国ではGSOMIA破棄を求める声が上がった。すると、北朝鮮は、メディアで日本とのGSOMIAは「売国協定、戦争協定」だと主張し、GSOMIAの維持を訴える韓国の野党を「親日売国逆賊」だと非難し、韓国の保守派糾弾に利用した。韓国の親北団体はこれに呼応し、反日・反安倍デモで「GSOMIA破棄」を主なスローガンにしてきた。文政権は、もともとGSOMIAを見直し、破棄する方針を持っていたが、文政権の背後にいる北朝鮮と韓国内の親北勢力の動きを見て、破棄を決定したと見られる。
 韓国のGSOMIA破棄の狙いは三つという説がある。韓国大統領府の事情に精通した韓国の関係者の見方として、JBpressの近藤大介氏が伝えた。

(1)反日を利用して自らの政権のスキャンダルを回避すること。後継者・曹国(チョ・グク)氏のスキャンダル(娘の高麗大学不正入学、奨学金の不正受給、息子の兵役5度延期、家族による投資への疑惑等)を緩和するため。
(2)北朝鮮の金正恩政権に対して、恩を売ること。北朝鮮の暴発(短距離ミサイル発射等)を喰い止め、再び韓国側に振り向かせ、韓国の真の敵は北朝鮮ではなく日本であることを、北朝鮮に認めさせるため。
(3)八方塞がりの韓国経済をV字回復するため、韓国の輸出の25%を占める中国を振り向かせること。THAADは撤去できないので、その代わりに中国を喜ばすため。
http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%e9%9f%93%e5%9b%bdgsomia%e7%a0%b4%e6%a3%84%e3%81%ae%e7%8b%99%e3%81%84%e3%81%af%e9%86%9c%e8%81%9e%e9%9a%a0%e3%81%97%e3%81%a8%e5%aa%9a%e6%9c%9d%e3%83%bb%e5%aa%9a%e4%b8%ad/ar-AAGeH8i?ocid=iehp

 この三点にないもの。それは、韓国が日米と連携して、朝鮮半島とアジアの自由と平和を守るという意志である。文在寅大統領は、共産中国の後ろ盾で北朝鮮との統一を目指しており、その実現のために政権の継続と長期化を目論んでいる。北朝鮮等への戦略物資の横流しをしてきたと見られる文政権は、今回、GSOMIAの破棄によって、日米の側から中朝の側に移るという旗色を鮮明にしたと言えよう。これを最も喜んでいるのは、中国共産党政府である。
 GSOMIA破棄について、わが国の政府や安全保障の専門家の多くは、わが国への影響はほとんどないと言っている。協定の締結後、日韓双方の情報提供は29回行われた。すべて北朝鮮のミサイルに関するもので、電波情報や情報収集衛星の画像のやりとりがされてきた。わが国は北が打ち上げたミサイルを発射から着弾まで、すべての情報を収集・獲得している。一方、韓国は発射から途中までしかデータを得られない。とりわけ北朝鮮は5月以降、繰り返し日本海に向けて短距離弾道ミサイルを発射している。超大型の多連装ロケット砲も発射した。北のミサイル技術は、低高度で飛行するなど高度化している。日本よりも韓国にとって、日韓の情報共有は有益である。それゆえ、GSOMIA破棄は、韓国側のほうがデメリットが大きい。
 これとは異なる情報もある。日本経済新聞は8月24日の記事で、韓国の情報機関、国家情報院の幹部が定期的に北京を訪れ、日本や米国が提供した機密情報を中国に漏らしているようだと報じた。これが事実であれば、韓国・文政権は、もともと日米と連携して中朝に対峙する意思はなく、日米から得た情報を中国に流すというスパイ行為を行なってきたことになる。
 だが、米国政府のポンペオ国務長官、エスパー国防長官は、韓国のGSOMIA破棄に「失望した」と語った。北朝鮮は核・弾道ミサイルの開発を進めて来た。その後ろ盾には中国がある。ロシアも東アジアでの影響力拡大を図っている。こうしたなかで、韓国がGSOMIAを破棄することは、対北・中・露の日米韓の軍事的連携に重大な支障が生じる恐れがあるとして、トランプ政権は懸念を強めている。現在有効のGSOMIAは11月23日以降に破棄されることになる。米国は、韓国に協定の破棄をやめて更新するよう求めて、働きかけを続けている。

●曹国氏の疑惑追及と親北左翼革命の阻止

 韓国内にも、GSOMIA破棄を批判する動きがある。8月23日、GSOMIA破棄を批判し、文在寅大統領の退陣を求める保守派の集会が数万人規模で行われた。文大統領が自らの後継者と画策する曹国(チョ・グク)氏のスキャンダルへの批判がらみだった。文氏は曹氏を次期法務部長官(法相)に指名し、来年4月の総選挙までに警察・検察改革を断行し、保守派の政敵たちを一網打尽にし、選挙後に曹氏に政権を引き継ぎ、自分はキング・メイカーの座に着く考えと見られた。これが実現すれば、韓国に媚中親北の左派長期安定政権が誕生することになる。それゆえに、保守派は大統領を強く批判し、曹氏の疑惑を厳しく追及している。しかし、文大統領は9月9日曹氏の法相指名を強行した。現在、検察は曹氏の疑惑への捜査を進めており、妻や娘、親戚に続いて本人にも捜査が及んでいる。いくつもの法に違反するとして立件される可能性が高くなっている。
 曹国法相は、自身の疑惑を追及されながらも、警察・検察改革を進めようとしている。警察・検察改革は、表向きは強大な警察・検察の権力を縮小しようとするものである。韓国の警察・検察は、でっち上げによる捜査・起訴等が多く、その横暴が批判されてきている。それゆえ、一面では民主化を進める取り組みのようだが、真の目的は、文大統領が退任後、歴代大統領のように起訴・有罪とされないように、司直の牙を抜くことにあると見られる。親北左翼勢力にとっては、司直の牙を抜くことで、自分たちの活動を思うように行えるようになる。そういう極めて政治的な闘争が行われていると見られる。もっと言えば、韓国で、国家権力による親北左翼革命を合法的に強行するために、この警察・検察改革の成否が決定的に重要なのだろう。それゆえ、文大統領は、いかに疑惑が噴き出ていようとも曹国氏の法相指名を強行し、曹氏に警察・検察改革をやらせようとしていると見られる。曹氏が法相の権限で、自身に関わる検察の動きを強引に封じる可能性もある。逆に、韓国の保守派にとっては、ここで曹氏を退任に追い込まないと、文=曹親北左翼政権による親北左翼革命を許すことになってしまう。
 文在寅大統領については、朝鮮労働党の秘密党員であるという疑惑が出ている。ジャーナリストの篠原常一郎氏は、文氏が朝鮮労働党に忠誠を誓った誓詞文を入手したとして、これを公表した。その誓詞文には、有事には軍および警察の武器庫を襲撃し、南朝鮮の国軍、警察、情報機関を襲撃する旨がと記されている。詳しくは、次の項目に書く。曹氏も、革命を行なう時には、反対派を200万人殺害すると発言していると伝えられる。文氏・曹氏は、日本でいえば、武装闘争を行なう共産党員に近い左翼の闘士である。民主的な政治家として政権に就き、合法的に獲得した権力を振って、革命を進める。そういう目的を持って、親北左翼革命を強行しようとしていると見ることができる。彼らが、日米に背いてGSOMIAを破棄するのは、その点で、当然の行為といえる。

 次回に続く。

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文在寅は日米に背き、北朝鮮との合体を目指す4

2019-09-15 08:49:59 | 国際関係
(5)戦略物資の横流し
 令和元年(2019年)7月4日、わが国政府は、韓国への半導体材料の輸出管理の強化を開始した。対象となるのは、フッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の三つ。わが国は、これらの材料の韓国向けの輸出及びこれらに関連する製造技術の移転について、包括輸出許可制度の対象から外し、個別に輸出許可申請を求め、輸出審査を行うこととした。これに対し、韓国政府は徴用工問題への報復行為だとして反発し、WTOで日本を批判する主張をした。だが、この措置は、安全保障上の問題であり、安全保障のための輸出管理は、WTOでも認められている正当な行為である。徴用工問題で日本政府が報復措置をはじめたのではない。
 重要なのは、これらの半導体材料は、軍事的な用途に転用が可能であり、しかも核兵器や化学兵器という大量破壊兵器に使い得るという点である。すなわち戦略物資なのである。萩生田光一自民党幹事長代行は「北朝鮮に化学兵器の原料を横流ししている」、新藤義孝議員は「戦闘機、レーダー、VXガス、サリンを作る原料のフッ化水素が韓国から大量発注され、その行く先が分からなくなっている。」、西村官房副長官は「北朝鮮などにフッ化水素が横流しされている。3年間、韓国政府とは連絡がとれていない」などと発言した。韓国企業が日本から輸入した上記の戦略物資のうち、30%が行方不明なのである。しかも、文在寅政権になってから、それらの輸入量が大量に増加した。
 韓国政府がこのような態度を取り、また日本政府の質問に対して3年間も回答をしてこなかったというのは、大量の戦略物資の行方不明は、私企業が勝手にやっていたのではなく、背後で韓国政府の指示があったのではないかという疑いが生じる。韓国政府は、その疑いを晴らすための努力をしているか。一切ない。そのことが、疑いを一層強めている。もし韓国政府が長期間にわたり、核兵器や化学兵器の製造に必要な戦略物資を北朝鮮やイラン等に横流ししていたということであれば、韓国政府の行為は、日本はもちろん、米国や国際社会への重大な裏切りとなる。テロ支援国家ということになる。
 韓国はWTOに訴えたが、当然のこととして相手にされなかった。

(6)「ホワイト国」除外の仕返し
 わが国政府は、7月4日に韓国への半導体材料の輸出管理の強化を開始したのに続いて、安全保障上の輸出管理で優遇措置を取っている「ホワイト国」から韓国を除外する政令改正を、8月2日に閣議決定した。「ホワイト国」という用語は、後に「グループA」に変更されたが、「ホワイト国」の方が分かりやすいので、以下この名称を使う。
 これに対し、文在寅大統領は「加害者である日本が盗っ人猛々(たけだけ)しく、むしろ大きな声で騒ぐ状況だ。絶対座視しない」と対抗姿勢を鮮明にした。そして、韓国も日本を「ホワイト国」から除外する決定をした。「盗っ人猛々(たけだけ)しい」とは、泥棒に対して言う言葉である。日本が何を盗んだというのか。韓国側の戦略物資の横流しの問題を棚に上げて、まったく無茶苦茶な言い方である。
 わが国が韓国を「ホワイト国」から除外するのは、韓国に物を売らないという意味ではない。わが国が韓国企業に輸出した戦略物資が行方不明なケースが多いので、これからはこのような物資を何に使うのかを申告することを求めたものである。わが国は、これまでアジア諸国のうち、韓国のみを「ホワイト国」にしてきた。中国、台湾、ASEAN諸国等は、みな申告をしている。韓国だけを特別扱いにしてきた。それでは、適正な輸出管理ができないので、他の国々と同じ扱いすることにしたものである。特別扱いをやめ、普通の扱いにしただけである。
 ところが、文大統領は、この措置を「韓国経済の成長を阻むためのもの」と決めつけ、「日本のそのような意図は決して成功しないだろう。結局、日本経済により大きい被害があることを警告しておく」と述べた。自国の側の非は一切認めず、何の根拠も示さずに、日本を非難する言葉を吐き続けている。さらに韓国は、日本を「ホワイト国」から除外しただけでなく。8月22日に突然、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を発表した。輸出管理の強化やホワイト国除外への反発が、安全保障の問題にまで突き進んだものである。GSOMIAについては、後の項目に書く。
わが国は長年、韓国に対して常に弱腰であり、根拠のないことで謝罪を重ね、土下座外交を繰り返してきた。安倍政権になって、ようやく少しづつまともな対応をするように変化しつつある。このたび戦略物資の輸出管理の強化とホワイト国除外を決めたのは、正常化への動きの一部である。在日韓国人の在日特権問題など、これまで行ってきた特別扱いをやめ、普通の二国間関係に修正していくべきである。

(7)竹島の実効支配の強化
 文政権のもと、韓国は竹島の不法占拠を続け、実行支配を強めている。
 令和元年(2019年)7月23日、韓国軍合同参謀本部は、島根県竹島周辺でロシアの軍用機が2度にわたり、韓国の領空を侵犯したとして警告射撃をしたと発表した。韓国空軍は、複数のF15K戦闘機とF16K戦闘機でロシア機の進路を遮り、警告を送った。警告射撃は約360発に及んだという。ロシア側は、他国の領空を侵犯した事実はないと否定し、韓国軍からの警告射撃も受けていないと発表した。
 韓国は竹島の領有権を主張しているが、竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに日本固有の領土である。日本政府は、竹島周辺の領空を侵犯したロシアと警告射撃をした韓国、双方に厳重に抗議した。韓国による竹島の占拠は,国際法上何ら根拠がないまま行われている不法占拠である。韓国がこのような不法占拠に基づいて、ロシア機に警告射撃を行ったことは、法的な正当性を有しない。
 防衛省によると、竹島周辺では、ロシア軍のTU95爆撃機2機と中国軍のH6爆撃機2機の合わせて4機が、日本の防空識別圏に入り、航空自衛隊の戦闘機がスクランブル=緊急発進して警戒監視に当たった。ロシアと中国の爆撃機と早期警戒管制機は、共同訓練を行っていた可能性があるとしていて、防衛省はその目的を分析していると報じられた。
 この問題について、韓国では、ロシアに対してよりも、日本に対して、竹島の領有権と「領空侵犯」を主張して自衛隊機を緊急発進させたとの批判が強い。韓国国防省は「日本の主張は一顧の価値もない。独島(竹島の韓国名)は歴史的、地理的、国際法的に明らかに韓国領土だ」と反発を示した。
 竹島については、韓国が8月22日にGSOMIA破棄を発表した後となる同月25~26日、韓国軍が、外国軍の侵攻を想定した軍事訓練を行なった。陸海空軍や海兵隊、海洋警察を動員し、投入戦力は例年の2倍で、イージス艦や陸軍の特殊部隊も初参加した。
 韓国軍は例年、上・下半期に1回ずつ竹島周辺で軍事訓練を行っている。今年は日韓関係の推移を見極めるために先延ばししてきたが、GSOMIA破棄が決まったことから実施に踏み切ったとみられる。
 これ見よがしの軍事訓練は、日本に対する武力支配の意志の誇示であり、同時に、竹島周辺での軍事活動を活発化させるロシアや中国へのけん制の狙いがあると見られる。

 次回に続く。

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文在寅は日米に背き、北朝鮮との合体を目指す3

2019-09-12 10:00:32 | 国際関係
(3)自衛艦旗の掲揚拒否
 平成30年(2018年)11月10日から、韓国の済州島で国際観艦式が行われた。日本の海上自衛隊はこれに参加する予定だったが、韓国政府は日本に対して、日本の自衛艦旗を掲揚しないよう再三要請してきた。自衛艦旗とは、いわゆる旭日旗である。韓国側は、旭日旗は旧日本軍旗を思い起こさせるとして「軍国主義の象徴だ」などと反発し、イ・ナギョン首相は「植民地支配の痛みを記憶している韓国人の心に、旭日旗がどんな影響を与えるか、日本も少し考慮する必要があると思う」と述べた。
 だが、旭日旗は、太陽をかたどった旗で、大漁旗や出産、節句の祝いの旗として日本では広く使われている。国際的にも掲揚が認められている。10年前に、韓国の釜山で行われた国際観艦式では、海上自衛隊の護衛艦が自衛艦旗を掲げて参加した。この時は政治問題にならなかった。文政権は、自衛艦旗の掲揚を問題化し、政府間の話し合いは平行線となった。わが国政府は、国際観艦式への参加を取りやめることを決定し、同年10月5日、岩屋防衛大臣が参加取りやめを発表した。
 韓国側は、こうした国際的慣例を無視した要請をする一方で、国際観艦式では、豊臣秀吉軍を破った李舜臣の旗、いわゆる抗日旗を韓国軍艦に飾った。
 その後、韓国では、旭日旗に対する反発が高まる一方である。本年8月29日、韓国国会の文化体育観光委員会は、来年の東京オリンピック・パラリンピックの開催期間の前後に、競技場で旭日旗をあしらったユニホームを着たり、旭日旗を持ち込んだりして応援することを禁ずるよう、国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会に求める決議を採択した。文政権のもと、韓国側は過去のオリンピック・パラリンピックでは問題にならなかった旭日旗を問題視し、それを国際的な政治問題へ拡大している。

(4)火器管制レーダー照射
 平成30年(2018年)12月20日、能登半島沖で、海上自衛隊のP―1哨戒機が韓国海軍の駆逐艦から火器管制レーダーを照射された。火器管制レーダー照射は、韓国を含む21か国が参加し2014年に合意された「海上衝突回避規範(CUES)」の中で絶対にやってはならないこととして確認がされている。
 韓国駆逐艦によるP―1哨戒機への火器管制レーダー照射について、日本側と韓国側の言い分が食い違い、しかも韓国側は言うことを二転三転させた。防衛省は同月28日に、P―1が撮影した関連動画を公開した。そこに映っている韓国海軍の「広開土大王」は韓国旗を掲揚しておらず、軍艦旗も掲揚していなかった。国際法違反である。
 韓国駆逐艦はP―1が同艦に接近した意図について無線で問い合わせなかった。仮に光学装置(望遠鏡)を使う目的だったにせよ、火器管制レーダーのアンテナをP-1に向けたことは、海上衝突回避規範に違反する。またP-1からの複数の周波数を使っての呼びかけに応答しなかった。
 韓国駆逐艦は、北朝鮮の漁船に横付けし、何かを行っている模様だった。韓国側は、北朝鮮の漁船を救助したというが、写真からは燃料を補給しているようにも見え、積み荷の受け渡し、いわゆる「瀬取り」をしていた可能性が指摘された。北朝鮮は、核開発・弾道ミサイルの開発によって国際社会から制裁を受けている。韓国側は、違法行為をやっている現場を目撃されたため、P―1哨戒機を追い払うために火器管制レーダーを照射して威嚇したのではないかという疑いが上がった。
 平成31年(2019年)1月14日シンガポールで行われた日韓実務者協議で、日本側は証拠となるレーダー情報の交換を提起した。だが、韓国側はこれに応じず、協議は平行線に終わった。韓国国防省報道官は15日の記者会見で、日本の提案について「受け入れ困難で非常に無礼な要求」などと批判した。独立主権国家であるわが国に対し、報道官が「無礼」と言ったことは極めて不適切である。

 次回に続く。

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