仮 定 さ れ た 有 機 交 流 電 燈

歴史・文化・環境をめぐる学術的話題から、映画やゲームについての無節操な評論まで、心象スケッチを連ねてゆきます。

雑感:ほんとうに雑感

2007-10-07 02:30:01 | 生きる犬韜
5日(金)、ここ数日、毎日のように催促の電話がかかってきていた原稿の校正を返送。今まで扱ったことのない題材で、しかも精神的に集中できなかった8月末~9月初に書いたものなので、一応は脱稿したもののまったく自身のない解説になってしまった。ゆっくり書き直したいと手もとに置いておいたが、まったくその余裕はなく返さざるをえなかった。結局1週間の遅れとなってしまい、それは私が悪いのだが、こちらの都合を考慮してくれない出版社にも、生まれて初めて大いに反感を抱いた(決して原稿料が出ないからではない。研究分野においては、見返りのないのは普通のことで、むしろ新しい勉強の機会を与えてもらえることを感謝すべきなのだ)。初めて仕事をするところなのだが、最初からもののいいようが高飛車で、電話等の印象が悪かった。原稿を送っても受け取りをよこさないくせに、こちらの連絡がないと執拗に責めてくる。編集者としての立場はよく分かるが、余裕のないなかに無理矢理仕事をねじ込んでいる、我々(あえてそういっておこう)の情況への配慮はない。向こうもそう思っているかも知れないが(「悪質だ」とかいっているに違いない)、もう一緒に仕事をすることはないだろう...というのは傲慢だろうか(傲慢だろうね)。
この日は特講を終えた後、10時半まで研究室に居残り。帰宅したのは12時半を回っていた。

今日、6日(土)は、朝から江戸期自然環境の勉強。来週から2回に渡って行う、コミカレ「千代田学」の準備である。ちなみに、1回目が「江戸の成り立ち」、2回目が「江戸の自然環境―歴史と災害―」。まったくの専門外である江戸時代の話をしなければならないうえに、来週は豊田の講義もあって授業が8コマにもなる。土日を有効に使わねば乗り切れないが、これを書いている時点でかなりピンチ色が濃い。1回目は、必要以上に環境史に偏った〈成り立ち〉になりそうである。

勉強のかたわら、『機動戦士ガンダムOO』、『電脳コイル』、『トップランナー』を観た。ガンダムは、文明と武力との繋がりを問う内容。『沈黙の艦隊』以来、サブカル分野では度々採りあげられてきたテーマだが、前作『SEED』シリーズでも重要なファクターになっていた。今回は正面から扱う模様で、どんな解答を出すのか興味を繋ぐ。絵作りは丁寧で良い(しかし、主演の宮野真守は使いすぎでは?)。
『コイル』は、だんだん異界との関係を問うスピリチュアルな話になってきた。ドラマとしてもとても出来が良く、いつか講義でも取り扱ってみたい質の高さである。来年の首都大OUのテーマが〈あの世の文化誌?〉になりそうなので、具体的に考えてみようかな。先月の四谷会談街歩きでも、参加者は口々に「古い空間が...」「眼鏡をはずすと戻れなくなるぞ」などどいいあい、いい大人(しかも研究者もしくは教員)がコイルごっこに興じていた。
『トップランナー』のモリミー氏は、割合に想像したとおりの人であった。司会のふたりのものの訊きようには少し違和感があったが(本当に愛読者なのか?)、「作品が映像化された場合、特定の芸能人に演じてほしいキャラはいるか」との会場からの質問に対する、「あくまでも文字で綴っているもので、映像をイメージして描いていないのでありません」という回答は面白かった。

そうそう、今週、同年齢の友人がひとり就職したことを知った。知り合いになってまだ日は浅く、顔を合わせることも少ないのだが、なぜか近しい感情を抱いている人である。クールにみえるけれども実は情熱家?、業績も立派で学位も持っている(ぼくとは対照的だ)。任期制助教ということだが、まずはめでたい。おめでとうございます。
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