仮 定 さ れ た 有 機 交 流 電 燈

歴史・文化・環境をめぐる学術的話題から、映画やゲームについての無節操な評論まで、心象スケッチを連ねてゆきます。

人文学系情報発信型ポッドキャスト「四谷会談」第9回 / 環境文学としての『銀河鉄道の夜』

2014-10-02 10:06:28 | ※ 四谷会談
あっという間に秋学期が始まってしまった。この間、ピーター・バラカンさんやラインハルト・ツェルナーさんをお迎えしたジャパノロジー・シンポジウムの開催など、書くべきことはたくさんあるのだが、まあおいおい。というわけで、

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人文学系情報発信型ポッドキャスト「四谷会談」の第9回をお届けします。
今回は、日本におけるネイチャーライティングの泰斗、エコクリティシズムのパイオニアである野田研一先生をお迎えし、「環境文学としての『銀河鉄道の夜』」をテーマに語り倒す2時間です。
前半は、野田先生のお人柄が垣間見える自己紹介と、賢治作品の〈風景〉論、ザネリ論が中心です。宮澤賢治作品を、「日本の典型的農村景観を描いたもの」とみることは正しいのか。また、『銀河鉄道の夜』をジョバンニやカムパネルラではなく、ザネリに注目してみるとどう読みうるのか。サバイバーズ・ギルト、漂泊、狩猟、そして切符の問題などが明確にみえてきます。
後半は、銀河鉄道の出現シーンを手がかりに、エマソンの交感論と宮澤賢治のそれとの比較、宮澤賢治作品にみる景観記述のあり方の異質性、文体やそれらの刻むリズムについて考えてゆきます。また末尾では、野田先生に今後の研究方向についてもお話を伺います。
今後は、このように特別ゲストをお呼びし、インタビューを交えながら何かを語っていただく機会も、積極的に作っていただきたいですね。
次回はいよいよ、『蟲師』を取り扱う予定です。お楽しみに。

《第9回収録関係データ》
【収録日】 2014年9月8日
【収録場所】 上智大学 四谷キャンパス 北條研究室
【収録メンバー】 山本洋平(司会:英米文学・環境文学)/野田研一(ゲスト:英米文学・環境文学)/工藤健一(トーク:歴史学・日本中世史)/岩崎千夏(トーク:日­本文学・中国語)/堀郁夫(トーク:株式会社勉誠出版編集部)/新飼早樹子(アシスタント・トーク:歴史学・日本古代史)/北條勝­貴(技術・トーク:歴史学・東アジア環境文化史・心性史)
【主題歌】 「自分の感受性くらい」(作詞:茨木のり子、曲・歌:佐藤壮広)


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