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コロナの飲み薬を厚労省が特例承認

2021-12-27 10:25:23 | 
国内のコロナ感染者数は300人前後とあまり増加の傾向はみられませんが、オミクロン株の市中感染が出てくるなど、まだまだ予断を許さない状況です。

海外ではフランスで10万人を超し、イタリアでも5万5千人と過去最多を更新しています。欧米ではけた違いの感染者が出ており、韓国も増加しているのに、なぜ日本ではこの程度で治まっているのか、いろいろな説が出ていますがこれといった理由は分からないようです。

ここにきて厚生労働省は、新型コロナウイルスの飲み薬として開発されたメルク社の「モルヌピラビル」の国内での製造販売を特例承認しました。

軽症者にも使えるコロナの飲み薬は国内初で、政府は全国の指定の医療機関や薬局に20万人分を配送し、早期に使えるようになるようです。

モルヌピラビルは、細胞に感染したウイルスが増殖するのを抑える効果が期待でき、12時間おきに1日2回、5日間で計10回服用します。対象は18歳以上で高齢や基礎疾患があるなど重症化リスクが高い軽症から中等症の患者としており、発症から5日以内で効果が期待できます。

医療機関で患者に服用してもらうほか、外来での診療後に院内の薬局で処方したり、院外の薬局から自宅に配送して届けたりできます。新型コロナの薬は国が費用を賄うため、患者の自己負担はありません。

メルク社によると発症5日以内で、重症化するリスクが高い軽症から中等症の患者約800人が参加した臨床試験での中間結果では、プラセボを飲んだ患者に対し、この薬を飲んだ患者は入院や死亡するリスクが約50%低下しました。

しかしより規模の大きい約1400人が参加した治験の最終解析では、入院や死亡リスクは約30%の低下となっています。

この30%低下というと少ないように感じるかもしれませんが、これは1000人に投与して700人が重症化するリスクがあるという意味ではありません。実際に1000人に投与した場合、日本では約80%がワクチン接種が終わっていますので、800人は重症化しないと考えられます。

またコロナの重症化リスクは20%程度ですので、残りの200人のうち40人ほどが重症化リスクが出てくるわけです。これがモルヌピラビルを飲めば、プラセボ効果も入れて50%程度に低下するとして20人に重症化リスクが出てくるという計算になります。

つまり1000人に投与すれば、重症化するリスクのある患者はわずか20人になり、十分効果が認められる薬となるわけです。この辺りが臨床試験の有効率より、実際に使用した時はよく効くという薬の特性といえます。

この辺りは使用開始後の国内での使用例の追跡調査が出るはずですので、実際の有効率が出て来るでしょう。この薬が出てきたことで、日本もコロナに対する新しい武器を持ったといえるのかもしれません。


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