最近老化の話が多くなっていますが、私が77歳になったため最も気になることといえそうです。
私は特に老化したという感じはないのですが、階段を上るのがつらくなったり出かけることが億劫になったのは老化の典型かもしれません。
人体の老化は20歳を過ぎたころから始まります。多くの生物と同じように、生殖に適した時期をピークに衰えが始まるからです。まず一つひとつの細胞の遺伝子が損傷したり突然変異したりする数が増えます。
すると細胞内のエネルギー工場であるミトコンドリアが弱ってしまいます。さらに体に不要なタンパク質が蓄積するなどして、活動のペースが遅くなる細胞の老化が生じます。それらが積み重なって内臓や皮膚などといった組織の機能も落ち、完全な活動停止(死)に向かうという流れです。
その進行はごく僅かですので通常は気付きません。老化が始まり5年、10年と過ぎると、筋力や体力、神経伝導速度、肺活量の低下などを実感しがちになります。疲れやすくなったり肌の衰えが見られたり、あるいはケガが治りにくくなったりもします。
この老化の速度を決めるのは、生まれつきの個体差と体内環境です。基本的に前者は変えられないため、後者をコントロールしようとするのが、いわゆる老化対策と呼ばれるもので、糖化や酸化といったキーワードが出てくるものです。
さらに近年は、老化対策としてのテロメアやサーチュイン遺伝子も広く知られるようになりました。テロメアは細胞分裂が安全に行われるよう染色体を保護する役目を持つもので、細胞内の染色体の端にあります。
テロメアは細胞分裂のたびに短くなり、限界に達するとその細胞は分裂できなくなるという、いわば時限装置のような役割があります。
テロメアから計算すると理論上、人間は120歳くらいまで生きられるといわれており、この時限装置の発動を防ぐためにテロメアを延長する研究も進められています。
サーチュイン遺伝子は、食事から摂るエネルギー量をおさえることで発動し、老化スピードを抑えてくれると言われるものです。
アカゲザルで、エネルギー摂取量100%の個体と70%に抑えた個体を比較した実験では、明らかに後者の見た目は若々しいという結果にいたり、これは人体でも同様のことが起きると考えられます。
テロメアもサーチュイン遺伝子も食事や運動といった生活習慣を見直し体内の環境を整えれば老化を遅らせられるというのがその主な主張です。こうした老化の研究は世界中で盛んに行われており、提出される研究論文の数は増加の一途をたどっています。
ただこうしてさらに寿命を延ばすことが必要なのかは、かなり疑問に思っています。
私は特に老化したという感じはないのですが、階段を上るのがつらくなったり出かけることが億劫になったのは老化の典型かもしれません。
人体の老化は20歳を過ぎたころから始まります。多くの生物と同じように、生殖に適した時期をピークに衰えが始まるからです。まず一つひとつの細胞の遺伝子が損傷したり突然変異したりする数が増えます。
すると細胞内のエネルギー工場であるミトコンドリアが弱ってしまいます。さらに体に不要なタンパク質が蓄積するなどして、活動のペースが遅くなる細胞の老化が生じます。それらが積み重なって内臓や皮膚などといった組織の機能も落ち、完全な活動停止(死)に向かうという流れです。
その進行はごく僅かですので通常は気付きません。老化が始まり5年、10年と過ぎると、筋力や体力、神経伝導速度、肺活量の低下などを実感しがちになります。疲れやすくなったり肌の衰えが見られたり、あるいはケガが治りにくくなったりもします。
この老化の速度を決めるのは、生まれつきの個体差と体内環境です。基本的に前者は変えられないため、後者をコントロールしようとするのが、いわゆる老化対策と呼ばれるもので、糖化や酸化といったキーワードが出てくるものです。
さらに近年は、老化対策としてのテロメアやサーチュイン遺伝子も広く知られるようになりました。テロメアは細胞分裂が安全に行われるよう染色体を保護する役目を持つもので、細胞内の染色体の端にあります。
テロメアは細胞分裂のたびに短くなり、限界に達するとその細胞は分裂できなくなるという、いわば時限装置のような役割があります。
テロメアから計算すると理論上、人間は120歳くらいまで生きられるといわれており、この時限装置の発動を防ぐためにテロメアを延長する研究も進められています。
サーチュイン遺伝子は、食事から摂るエネルギー量をおさえることで発動し、老化スピードを抑えてくれると言われるものです。
アカゲザルで、エネルギー摂取量100%の個体と70%に抑えた個体を比較した実験では、明らかに後者の見た目は若々しいという結果にいたり、これは人体でも同様のことが起きると考えられます。
テロメアもサーチュイン遺伝子も食事や運動といった生活習慣を見直し体内の環境を整えれば老化を遅らせられるというのがその主な主張です。こうした老化の研究は世界中で盛んに行われており、提出される研究論文の数は増加の一途をたどっています。
ただこうしてさらに寿命を延ばすことが必要なのかは、かなり疑問に思っています。
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