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アルツハイマー病予防にセラミド

2020-02-26 10:29:36 | 健康・医療
植物由来の「セラミド」と呼ばれる物質がアルツハイマー病予防に有効であることが、マウスの実験で分かったと北海道大学の研究グループが発表しました。

セラミドは脂質成分の一種で、研究グループは認知症予防を目的とした機能性食品や新薬開発につながる可能性があると期待しています。

アルツハイマー病は約40個のアミノ酸からなるアミロイドβが脳内に過剰に蓄積することが主な発症原因とされています。

研究グループによると、最近の研究成果からアミロイドの蓄積はアルツハイマー病発症の15年以上前から始まることが分かり、アミロイドの蓄積を抑制することは発症予防を目的とする薬剤や機能性食品の開発戦略のひとつとなっています。

研究グループはこれまでにアミロイドが「エクソソーム」と呼ばれる細胞外小胞と結合することによって分解除去されることを明らかにしています。

同グループはこの成果を基に今回エクソソームの分泌を促進させる分子の探索を行った結果、こんにゃく芋に含まれる脂質成分のセラミドが、エクソソームの分泌を促進する作用を持つことを見つけました。

植物由来のセラミドは、肌を外部刺激から守る機能があるとされる機能性食品素材で、美肌目的のサプリメントや飲料によく利用されています。

セラミドは細胞膜成分として知られていましたが、単に脂質二重膜層を構成するだけではなく、酵素により細胞膜からセラミドが遊離しシグナル伝達物質として作用することも分かってきました。

またこの作用で分化、増殖、プログラム細胞死、アポトーシスを制御することが知られており、「細胞死のメッセンジャー」と呼ばれています。現在は美肌成分としてのセラミド美容への宣伝が多いようです。

研究チームは今回脳内でアミロイドを過剰発現するアルツハイマー病モデルマウスにこんにゃく芋から精製したセラミド(グルコシルセラミド)を1日1ミリグラムずつ2週間続けて経口投与する実験を行いました。

その結果、マウスの脳内の大脳皮質や海馬領域でアミロイド濃度が低下することが分かりました。またセラミドを投与したマウスは脳内神経同士をつなぐシナプスの障害が軽減され、マウスの認知機能の改善具合を評価する実験でもセラミド投与の効果が見られたようです。

アルツハイマー病は認知症の60%以上を占める神経変性疾患で、決定的な治療法はまだありません。高齢の認知症患者は国内で500万人以上いるとされ、今後さらに増加するのは確実と見られています。

今回のセラミドのマウスでの効果がヒトにも適用できるか分かりませんが、無害な物質ですので美容とともに認知症予防に飲んでみるのも悪くはないような気もします。


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