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南極大陸の新雪からマイクロプラスチックを検出

2022-06-28 10:27:33 | 化学
マイクロプラスチックの海洋汚染問題はこのブログでも取り上げましたが、私は基本的にプラスチックは生活に根付いた必要な物質であると考えています。

従ってプラスチックの削減というのはあまり意味のない方向であり、プラゴミの廃棄方法を徹底すべきと考えています。

最近南極大陸の新雪の中からマイクロプラスチックが発見されたという記事を見ました。南極はいわば地球上で最も清浄な地域であり、ここが汚染されているということは世界全体が汚染されていることの証明のようになっています。

こういった話で思い出されるのがずいぶん昔なりますが、殺虫剤のDDTの事件です。DDTは戦前に発見され、その強い殺虫活性と安全性からノーベル賞も受賞した化合物です。これは世界中に広まったのですが、安価でよく効くということで大量にひどい使われ方をしていました。

いつ頃か分かりませんが、その後環境科学者から地球が化学物質で汚染されているという指摘が出てきました。その極めつけが南極の氷からもDDTが検出されたという報道でした。

これが原因かどうかわかりませんが、ほとんどの国でDDTの使用禁止を含む規制が強化されました。面白いのはDDTは安全性の高い農薬だったはずが、非常に危険な毒物のような話しが広まっていきました。

規制する上ではこの方がやり易いのか、これが修正されることはなく、現在でもDDTは危険な化合物と認識されているようです。

ニュージーランドのカンタベリー大学の研究チームは、西南極のロス棚氷に積った新雪の上部2センチから採取した19のサンプルを分析したところ、全てのサンプルからマイクロプラスチックが見つかったと発表しました。

研究チームはサンプルを解凍後顕微鏡を使って発見したマイクロプラスチックの組成を、赤外線分光計によって測定しました。その結果13種類のマイクロプラスチックが109個見つかったそうです。

雪解け水1リットル当たりの平均は29.4個で、最も多かったものはポリエチレンフタレート(PET)で、ペットボトルや合成繊維によく使われています。

この主な発生源は、観測基地の近くで採取されたサンプルから最も多く見つかったことから、プラスチックは旗や調査機器、ジャケットのような合成衣料、あるいはゴミに由来する可能性があるとしています。

研究チームは、世界で最も隔離された遠い地域までプラスチック汚染が広がっていることを浮き彫りにしたと述べています。この結果により、DDTの時のようにプラスチック規制はますます強化されていくのでしょうか。

衣類や梱包材など安価で丈夫で軽く、完全に身近なものとなっているプラスチックですので、たぶん何の意味もないものから脱プラスチックが進むのかもしれません。


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