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あまり知らないミネラルのはなし マグネシウム

2022-01-08 10:25:11 | 化学
身体にとってビタミンと同じように金属(ミネラル)が重要という話は時々目にしますが、ほとんど気にしたことがありません。

最近カルシウムの陰に隠れているマグネシウム(Mg)の重要性が注目されています。糖尿病や心筋梗塞からアトピー性皮膚炎、水虫まで多くの疾患に関わり、アンチエイジングにも効果があるとされています。

アトピー性皮膚炎に関しては食生活が穀類の大幅な摂取減少に伴い、マグネシウムの減少にかかわりがあるようです。皮膚の角質層にはセラミドがありますが、この中でアシルセラミドの減少がアトピー性皮膚炎の乾燥皮膚の原因とされています。

マグネシウムはこのアシルセラミドの産生能力を高めて、皮膚のバリア機能を回復させ皮膚の調子をよくします。アトピーの人が海水浴に行ったり塩分の濃い温泉に行ったりすると、皮膚の具合が良くなることがありますが、これは海水や温泉に含まれるマグネシウムが関わっているとされています。

生活習慣病との関係では、糖尿病とマグネシウムに関係があるようです。日本人は太っていなくても糖尿病になりやすいのですが、この理由が穀物、特にオオムギや雑穀の摂取量が激減したあたりから糖尿病が増えだしています。

この点に注目した研究の結果、マグネシウムの摂取量の激減が糖尿病発症に関わるという説が証明されています。

またマグネシウムは歯や骨の重要な構成成分である他、神経や筋肉の働きにも必要不可欠で欠かせないミネラルです。マグネシウムが不足すると、筋肉の痙攣やこむら返りが起きやすくなります。

またマグネシウムは血管を拡張させて血圧を下げる方向に作用し、血管の緊張を調整するため天然のカルシウム拮抗薬と呼ばれているそうです。こむら返りは明け方に多く、運動のし過ぎや過度の飲酒などで起こりやすく、マグネシウム不足が基本にあることがほとんどです。

これにより筋肉がつりやすいうえに、筋肉の過収縮を防ぐ腱紡錘の筋肉センサーの働きが低下して、筋肉の過収縮が起こります。運動はエネルギーを消費しますが、エネルギー産生には多量のマグネシウムを消費するため、よりつりやすくなります。

さらにマグネシウムは体内の600種類以上の酵素の働きを活性化します。不足すると細胞の機能が低下してさまざまな臓器の機能障害が起こり、例えばインスリンの働きが悪くなり糖尿病やメタボなど生活習慣病の発症リスクが高まります。

このマグネシウム不足になる一つの要因として、日本の水がほとんどミネラルを含まない軟水であることも挙げられます。最近はマグネシウムを多く含む機能性食品のスパークリングウオーターなども開発されているようです。

通常の食事でマグネシウム不足になるとは考えにくいのですが、若干気にするミネラルと言えるのかもしれません。