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睡眠医学の常識が否定されたか

2021-01-17 10:46:02 | 自然
私の健康のために留意すべきことの持論である、食事と睡眠のうち「睡眠の老化」について日経スタイルに面白い記事が出ていました。

私はこのブログでも書いているように、若いころは睡眠不足で休日寝坊するという生活をしてきました。それが引退してからは十分な睡眠時間となり、7時間以上寝ることもあり、途中で目覚めることもなく寝つきも良くなっていますので、睡眠の老化の例外と思っていました。

それが最近の研究で、睡眠の深さが加齢によってほとんど変化しないという結果が出たようです。これまで深いノンレム睡眠は加齢とともに減少するというのが、睡眠医学の常識でしたが今回の研究ではそれが否定されました。

一般的に「加齢」は避けがたい不可逆的な生理現象ですが、そのスピードには大きな個人差があります。

2015年のアメリカヂューク大学の研究では、38歳の男女1037人を対象に、内臓や代謝、免疫機能、テロメアなどの生体指標をもとに「生物学的年齢」を調べた研究があります。その結果では38歳なのに28歳から61歳まで30歳以上の開きが出てきました。

それと同様に睡眠についても大きなばらつきがあるのかもしれません。睡眠医学では一般的に以下のようなパラメーターの変化が挙げられています。

1.高齢者では朝型が強まり、寝つく時刻も覚醒時刻も速まる 2.睡眠時間が短くなる 3.深いノンレム睡眠が減少し、浅いノンレム睡眠が主体となる 4.中途覚醒が増加する というものです。

昨年あらたに報告された研究によると、睡眠の加齢変化は従来考えられていたよりも軽微であることが明らかになりました。

この研究では過去に世界中で行われた169件の質の高い臨床研究で報告された健康な成人(18〜79歳)合計5273人分の睡眠データをメタ解析して、様々な睡眠パラメーターに表れる加齢変化を分析しています。

それによると睡眠の老化は平均して10歳歳をとるごとに、1晩の総睡眠時間は約10分短縮され(20歳代から70歳代までに1時間短縮)、中途覚醒時間は約10分増加し、寝つきにかかる時間は約1分延長するという結果でした。

20歳の時に7時間寝どこに入ってその大部分を眠って過ごすことができた人は、健康なままで70歳を迎えれば、寝つきはほとんど変わらず目を覚ましている時間は1時間程度で、6時間は眠れることを意味しています。

これは70歳代という年齢を考えれば、十分に質の高い眠りであるといえるようです。私の感覚からはこれでも十分な睡眠の老化といえるような気がしますが、睡眠医学の常識を否定するような結果のようです。

従来午後10時から午前2時までが睡眠の黄金時間といわれていましたが、現在はどの時間帯でも最初の深いノンレム睡眠の30分が重要に変わっています。

今後の研究結果でまた新しい説が出るかもしれませんが、やはり健康は食事と睡眠ということで過ごしたいと思っています。