ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

「ヒートテック」はなぜ暖かい

2018-03-07 10:43:45 | その他
私も持っていますが、冬の定番の一つになっている「ヒートテック」の肌着がなぜ暖かいのか解説記事がありました。

私の感触では、ヒートテックは着たときはそれほど暖かいと感じませんが、着ているうちに気付くと確かにほかの肌着より暖かいような気がします。これは身体から発散される水蒸気が大きな役割を果たしているようです。

人間の体からは、常に水蒸気が発散されており、その量は汗を除いて成人男性では1日約550mlといわれています。

これを開発した東レとユニクロの開発者によると、使われているレーヨンにその秘密があるようです。身体から発散される水蒸気をレーヨンが吸着し、この水分子が動き回るうちに熱を発生するということです。またレーヨン自体にも発熱する性質があるため、ヒートテックは暖かくなるということのようです。

生地の温かさを保つための保温も重要で、この機能を担っているのがアクリル繊維ということでした。つまりヒートテックは、主にレーヨンで水蒸気により発熱し、アクリルで保温することによって肌着などの生地を暖かくしているのです。

このレーヨンは非常に古いもので、1900年代の初めに絹の良さを生かした繊維として開発されました。原料はパルプなどの材料となる木材で、このセルロースを特殊な方法によって紡糸し、絹の光沢と軟らかさを出したものとして作られていました。ですからレーヨンのことを人造絹糸とよび、ジンケンという名称も使われていたようです。

前述の東レも旧社名は東洋レーヨンで、このレーヨンの製造会社として発展したようです。私はこういった高分子化学はあまりよく分かりませんが、レーヨンの素材は棉や麻と同じセルロースですので、水蒸気の水分子が動き回って発熱するということは知りませんでした。化学的に見ても、どういうメカニズムが働くのかはよくわかりません。

レーヨンというのは大昔に流行った繊維で、その後の化学繊維の登場によってほとんど消え去ったものと認識していましたが、新たな製造法によってこの発熱という性質を発現させたのかもしれません。こういった高分子化学には面白い現象がいろいろ出て来るもののようです。

ヒートテックを着るときは、肌に直接つけた方が良いというのは、肌から出る水蒸気を十分に吸着させるためとしています。さらにゆったりしたサイズよりも、ジャストフィットのほうが、暖かさをより得られるとしています。

私がそれほど暖かいと感じなかったのは、この辺りの着方にも問題があったのかもしれません。